泌尿器がん(腎臓がん/膀胱がん/腎盂尿管がん/精巣腫瘍)に漢方薬や生薬は?

泌尿器がんなんですね。治療は進歩しました。

代表的な泌尿器がんは腎臓がん、膀胱がん、腎盂尿管がん、前立腺がんなどです。

私が医師になった40年前は固形がんのひとつである泌尿器がんや血液がんはほぼ不治の病でした。手術療法のみが一縷の望みを繋ぐ手段でした。抗がん剤が効くと思っていた泌尿器科医はほぼゼロでした。放射線治療が有効と実感していた泌尿器科医もいなかったでしょう。そして大きながんにはイチかバチかの拡大手術が行われていました。

その後、20世紀末までには殺細胞性抗がん剤の使用方法や使用量、組合せなどが工夫されました。また21世紀に入って分子標的薬が臨床応用され、本庶佑先生がノーベル賞に輝いた免疫チェックポイント阻害剤が悪性黒色腫でまず臨床応用され、その後いろいろな領域のがんに使用拡大されています。泌尿器がん領域にも広く利用されています。

また陽子線や重粒子線も、「局所性及び局所進行性の前立腺癌」に保険適用が認められ、先進医療としては「膀胱癌」と「腎癌」が認められています。今後、ますます使用領域が拡大されると思われます。

遺伝子を扱う技術も進歩し、また免疫システムの解析も進んでいます。いろいろな治療方法が開発され、そして保険適用されて、泌尿器がんは不治の病から、長生きできる可能性があるがんになりました。

腎臓(腎細胞)がん

腎臓がんは10万人当たり約2.5人が毎年罹患します。毎年約2%前後で増加しています。男性と女性の比率は約2:1です。加齢と共に増加しますが、若い人の腎臓がんも珍しくありません。血尿や痛み、そして腫瘤が触れるようになって見つかります。また、たまたま行ったCT検査や超音波検査で発見されることも多い疾患です。

透析治療中の患者さんは腎臓がんの発症が約10倍になります。

腎臓がんは放射線治療や殺細胞性抗がん剤に対する感受性が低いため、手術療法が基本になります。

腎臓がんは7cm以下で腎臓に留まっているものがステージ1です。ステージ2は7cm以上ですが腎臓内に留まっています。ステージ3は腎臓の皮膜を越えています。ステージ4は遠隔転移ありです。ステージ1では5年生存率は95%以上ですが、ステージ4では約20%です。ステージ3までは手術が選択されます。4cm以下では部分的に腫瘍を切除しますが、7cmを越えると腎臓をまるごと摘出します。

手術にはロボット支援手術が主流になっています。ロボット支援手術は画面が大きく、3次元で視認可能で、そしてロボットアームが人の手よりも自由自在に動くので、難しい処置も比較的安全に、そして繊細な手術が施行可能です。

下大静脈に腫瘍塞栓が伸びている(ステージ3)の手術には私がしばしば泌尿器科チームに呼ばれました。下大静脈内から、時には右心房に至る腫瘍塞栓を取り除くためです。私は血管を扱える外科医(血管外科の専門医)だったので、拡大手術には私のヘルプが必要だったのです。

腎臓がんの薬剤治療はインターフェロンしかない時代が長く続きました。その後2008年に分子標的薬が導入され、2016年には免疫チェックポイント阻害剤が使用可能になりました。がんが縮小する割合は30%前後から70%以上に向上しました。治療開始時から分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害剤)と免疫チェックポイント阻害剤の併用、または免疫チェックポイント阻害剤の2剤使用が認められています。

腎臓がんの骨転移には放射線治療は頻用されますが、腎臓がん自体に放射線治療が行われることはまれです。「腎臓癌」の陽子線や重粒子線治療は保険適用とはなっていませんが、先進医療(自費だが保険診療と併用可能)として認められています。

また、凍結療法も2011年から4cm以下の転移がない腎臓がんに保険適用されています。局所麻酔で腫瘍に皮膚から針を刺して先端からアルゴンガスを出してマイナス40度で凍結し、またヘリウムガスで解凍します。これを繰り返すことで腎臓がんを退治しようという作戦です。

また、ステージ1で、特に4cm以下では、腫瘍の増大は緩慢で、遠隔転移も年に2%以下なので、経過観察(アクティブサーベイランス)も選択されます。そしてステージ4でも薬剤治療で遠隔転移が縮小したり、消滅した時には、主病巣の切除を行うことで長期延命を得られるケースも少なからず存在します。

膀胱がん

膀胱がんは10万人当たり約20人弱が毎年罹患します男女比が3:1です。無症候性肉眼的血尿や頻尿、尿意逼迫、排尿困難、排尿時痛などが症状です。膀胱がんのリスクは喫煙で、約50%を占めると言われています。芳香族アミンなどの化学工場で長期間働いた労働者にも発生します。体を巡った発がん物質が尿と一緒に排出されて膀胱に蓄積され発がんするものと思われています。

膀胱の筋層手前までに限局している時は、5年生存率は約90%です。遠隔転移時は、5年生存率は約10%になります。

尿の細胞診でがんとわかることもありますが、膀胱鏡を尿道から挿入し、直視下に観察してがんと診断されることが一般的です。経尿道的膀胱腫瘍切除(TURBT)が診断と治療を兼ねて行われるのです。切除標本から病理検査も行われます。

膀胱がんは膀胱内側の粘膜にまず発生します。そして表面から奥深くに浸潤していきます。浸潤の度合いによって大きな手術や抗がん剤の併用などが考慮されます。

粘膜だけにがんがある場合(筋層非浸潤性膀胱がん)には、経尿道的腫瘍切除に続いて、膀胱内注入療法が行われます。注入されるものはBCG(ウシ型弱毒結核菌)や抗がん剤で毎週1回の注入が1回から6回施行されます。

筋層にまでがんが至っている場合(筋層浸潤性膀胱がん)には、膀胱全摘、尿路変更、そして放射線治療や抗がん剤が使用されます。膀胱がんは発がん物質に膀胱粘膜が長期間暴露されて発生しているので、どの尿路上皮粘膜からもがんが発生しやすくなっています。ですから、全摘が好まれるのです。

転移している膀胱がんでは、手術は基本的に行われず、殺細胞性抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤が使用されます。

「膀胱癌」の陽子線や重粒子線治療は保険適用とはなっていませんが、陽子線と重粒子線の先進医療(自費だが保険診療と併用可能)として認められています。

腎盂・尿管がん(尿路上皮がん)

腎盂と尿管は、腎臓で作られた尿を膀胱に送る通路です。腎盂・尿管がんの発生頻度は膀胱がんの約1/20です。尿の通路ですので、がんの発生原因は膀胱がんと同じで、タバコと芳香族アミンなどの発がん成分に粘膜が長期暴露されることと推測されています。治療は腎尿管全摘除術+膀胱部分切除などが行われます。抗がん剤と放射線治療は膀胱がんに準じて応用されます。

前立腺がん

前立腺がんはこちらのブログをご覧ください。
前立腺がんに漢方薬や生薬は?

精巣腫瘍

陰嚢内にある精巣や精巣上体などから発生するがんです。精巣腫瘍のほとんどは悪性です。20代から30代に多く、他の泌尿器がんが高齢者に多いこととは異なります。手術後には悪性度に応じて抗がん剤治療が追加されます。AYA (Adolescent and Young Adult) 世代のがんになりますので、精子の凍結保存なども考慮します。

尿膜管がん

尿膜管とは膀胱と臍を繋げている管です。胎児の膀胱と胎盤を繋いでいました。そこにできる悪性腫瘍で、きわめてまれです。

泌尿器がんは今でも難治のものがある

泌尿器がんにはいろいろな種類があります。今でも悪性で難治のものもあります。

どの手術を選ぶかは主治医とじっくりと相談してください。そして自分の人生観を大切にして治療方法を選択してください。

いろいろな治療を組み合わせましょう

自分の人生観で手術が受け入れられるなら、手術でがんを取り除く努力をしましょう。

手術を慌てて決める必要はありません。十分に熟慮して決めて下さい。そして、免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。発がん頻度や発がん時期に幅があるのは、免疫力が発がんを抑えている証拠です。免疫力を上げると発がん時期を後ろに移動させることができます。天命を全うするまで延ばせれば、そんな選択肢もOKです。

明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。

そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。

なんと生薬フアイアは明らかな抗がんエビデンスがあります。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。

肝臓がんの結果ですが、泌尿器がんにも有効だと推論が可能です。そして実際に新見正則医院でも多くの泌尿器がん患者さんが生薬フアイアを治療に加えて健在です。

どんな治療にも併用可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。

新見正則医院にご連絡ください。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以外の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。

フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)


がんの例え話「雑草と土壌」
がんの例え話「雑草と土壌」2
がんの例え話「雑草と土壌」3
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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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