原発不明がんに、漢方薬や生薬は?

原発不明がんなんですね。治療は進歩しました。

原発不明がんと言われたのですね。まず原発不明がんとは字の如く、がんの原発巣がわかっていないがんです。がん(悪性腫瘍)が良性腫瘍とは異なる点は、①浸潤、②転移、③悪液質です。浸潤とは、濡れたスポンジにインクを落としてジワーッと広がるイメージです。転移とは、遠くの組織にがん細胞が飛び火するイメージです。悪液質は、がんから出される物質により栄養失調が生じる状態です。

原発不明がんとは「がんだと判明していて、その原発巣が不明なもの」です。原発不明がんにはいろいろなタイプがあります。まず、転移巣か原発巣かは病理診断(顕微鏡で調べる)で決めます。その臓器で通常見られる組織ががん化すれば原発巣と推測可能です。通常見られない組織ががんとして見られるときに転移が強く疑われるのです。遠隔転移を有するがんはすべてステージ4になります。

原発不明がんのタイプはザックリと以下があります。

  • がん転移巣の数が多すぎて、どこが原発かわからない。
  • 現在の診断技術では見つからないほどがんの原発巣が小さい。
  • 転移した後、原発巣が免疫力によって消滅した。
  • 臓器に迷入した他の組織ががん化した(これは実は原発巣です)

などです。

原発不明がんは実は少なくありません。7000人前後の方が毎年原発不明のがんで死亡しています。その中には、進行がんで原発巣の検査が間に合わず原発不明で亡くなった患者さんも含まれています。ですから、検査をし尽くして原発不明と診断される数は、7000人よりも少なくなります。原発不明がんを一括りにすると希少がん(10万人当たり6人未満)となる境界線前後です。がん全体の2から5%が原発不明がんと言われています。食道がんよりも多くなります。

また、最近は血液一滴や尿一滴でがんを診断できる技術が開発されています。それをリキッドバイオプシーと称します。リキッドバイオプシーで陽性と診断されて、全身のがんの精査を行っても見つからないときも、原発不明がんになります。敢えて言えばステージゼロの原発不明がんです。

がんの治療は私が医師になった約40年前は外科切除が王道でした。抗がん剤も放射線治療もたいして効かないと多くの外科医は思っていました。そして初発の原発巣をできる限り綺麗に取り除くかで予後が決まると思い込んでいたのです。ですから、遠隔転移があるがんは治療という意味ではお手上げでした。

その後抗がん剤や放射線治療が進歩し、外科治療にそれらが加えられていきました。その方法は臓器によって治療方法がトライ&エラーで選ばれ、そして進歩していきました。抗がん剤の進歩で遠隔転移があっても治療がある程度可能になりました。遠隔転移は原発巣と同じがんですから、同じ抗がん剤が有効と推論でき、そして実際に遠隔転移巣にも効果を発揮しました。

ですから、どこの臓器からの転移かを決めることが遠隔転移の治療に対しても大切なのです。原発不明がんでも病理組織から原発巣を予想して、その原発巣に対して有効な抗がん剤が選択されます。

ところが時代は進歩し21世紀になり分子標的薬が登場しました。分子標的薬は有効な遺伝子異常があれば原発臓器とは無関係に(臓器横断的に)有効なのです。これは原発巣が不明ながんにとっては朗報なのです。しかし、有効な分子標的薬が実際に使用できる割合は1割ぐらいと言われています。

そして免疫チェックポイント阻害剤のオプジーボの保険適用病名に「原発不明癌」が収載されました。55例の原発不明がんの患者さんに投与して腫瘍の明らかな縮小が多くの患者さんに見られたという臨床試験に基づいての承認です。

つまり、原発不明がんは免疫チェックポイント阻害剤で免疫力をアップさせることで対応可能なのです。原発不明がんは不治の病から、長生きできる可能性があるがんになりました。

原発不明がんは今でも難治

殺細胞性抗がん剤の使用方法や組合せが工夫され、また21世紀になり分子標的薬が導入され、そして免疫チェックポイント阻害剤も臨床使用されています。着々と医療は進歩しています。しかし、原発不明がんは今でも難治です。2010年に「原発不明がん診療ガイドライン」の初版が出ました。2018年には第2版が出版されています。

私が描く未来のがん治療

大きな腫瘍は、原発巣でも転移巣でも陽子線や重粒子線にてボリュームリダクション(腫瘍量の減少)を行う。陽子線や重粒子線で壊死させられた腫瘍から腫瘍抗原が血中に出て、樹状細胞によって抗原提示され、抗がん免疫力もアップできる。免疫チェックポイント阻害剤は併用され、かつ遺伝子異常に沿った分子標的薬も使用される。そして今あるような「冴えない抗がん剤」ではなく、転移巣にも、がんの浸潤部分でも根治可能な「冴えた抗がん剤」が導入される。そんな未来を描いています。その未来は直ぐそこです。ですから、がんと共存してともかく長生きしましょう。

いろいろな治療を組み合わせましょう

原発不明がんには免疫チェックポイント阻害剤が現状は唯一の保険承認薬です。免疫チェックポイント阻害剤は免疫システムのブレーキを外してがんに対する免疫力を含めて、免疫力を全体的にアップさせます。

免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。

そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。

なんと生薬フアイアはがんに効きます。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。

肝臓がんの結果ですが、原発不明がんと同じように難治のがんに分類される肝臓がんで有効な生薬フアイアは原発不明がんにも有効だと推論が可能です。そして実際に新見正則医院では何人かの原発不明がんの患者さんが生薬フアイアを治療に加えて、主治医が予想した予後よりも相当長生きしています。

どんな治療にも併用可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。

新見正則医院にご連絡ください。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。

フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)


がんの例え話「雑草と土壌」
がんの例え話「雑草と土壌」2
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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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