難症とは? 〜がんや難病も難症です〜

難症の定義は

西洋医学的治療で治らない症状
漢方医学的治療で治らない症状
保険診療で治らない症状

です。がんや難病も実は難症に含まれます。

がん治療はこの数十年で進歩しました。そして21世紀になってその進歩の速度は益々早くなりました。たくさんのランダム化された大規模臨床試験が登場し、明らかな抗がんエビデンスを有する治療が続々と登場しています。

しかし、明らかな抗がんエビデンスとは治療群と非治療群に統計的有意差があることが明らかと言っているのであって、実はその治療群と非治療群の差の程度については二の次なのです。その差が1年、2年、3年、5年後の生存率で数%のものもあります。残念ながら治療された人全員が長期間に亘って長生きする治療法はほとんど開発されていません。明らかな抗がんエビデンスを獲得した治療を組み合わせることで数十年前と比べると治療集団として格段の進歩を遂げているのです。

ですから、がんは西洋医学的治療で治らない部分もあるので現状では難症に分類されます。そして、集団としては有益ですが、個人個人では御利益がほとんどない治療法もあるのです。すべてのがんが西洋医学的治療で完全に治れば、がんは難症から外れます。

西洋医学的な治療が進歩しても治せない病気があります。厚生労働省は指定難病として三百数十種類の疾患を定めています。

指定難病一覧

西洋医学が進歩しても治せない、治しにくい、随伴する症状を楽にできない難病やいろいろな訴えがたくさん存在するのです。そんな症状や病態には、本邦では漢方薬を保険診療で使用できます。漢方薬は生薬の足し算です。生薬は自然界に存在して薬効を有するものです。ですからまだまだ未解明ないろいろな成分が含まれています。多成分系なのです。漢方薬は良い意味で昔からの経験知で、ある症状に対して、それを楽にする漢方薬が創意工夫されてきました。

ですから西洋医学的治療で治らない症状や訴えには、実は漢方薬は有効なことがあるのです。そこで、僕は十数年前から西洋医が西洋医学的治療で治らない患者さんに対して保険適用漢方エキス製剤で対応する方法をモダン・カンポウと称して啓発普及してきました。その結果、多くの西洋医が漢方薬という新しい治療の切り口を手に入れることができました。そしてその恩恵をたくさんの患者さんが享受しています。

ところが、21世紀に格段に進歩した西洋医学でも、昔からの経験知である漢方医学でも、そして僕たちが啓発普及に努めているモダン・カンポウ的立ち位置でも対応できない症状や病態が存在するのです。それを難症と僕は称しています。

そんな難症には当院では、免疫力を中庸に保つことができる生薬フアイアをベースにした漢方治療を行っています。フアイアは免疫力が低下していればアップを、亢進しすぎていればダウンさせることが期待できます。それは多成分系の薬剤だからできる魔法です。そしてそのアップとダウンはタンパク質それぞれに対して働きます。がんを患っている患者さんがフアイアで免疫力がアップして想像以上に長生きし、かつ免疫力が亢進して生じるアトピーや喘息が同時に楽になるという芸当が起こるのです。

難症の方にはフアイアを1年間内服していただきます。そして、症状が楽になれば、その難症は免疫の異常が関与していると推論できるのです。つまり、難病の原因に幾ばくかでも免疫が関与していればフアイアが有効な可能性があるのです。逆にフアイアを1年内服しても症状が軽快しないときは、難症の原因に免疫の関与はほとんどないと推論できるのです。

そんな魔法のような生薬フアイアと漢方薬を用いて新見正則医院では難病の方に対応しています。神経難病で多いものはパーキンソン病と筋萎縮性側索硬化症です。

他には、悪性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、強直性脊椎炎、クローン病、血小板減少性紫斑病、原発性硬化性胆管炎、再生不良性貧血、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、重症筋無力症、脊髄小脳変性症、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性硬化症、天疱瘡、ベーチェット病、類天疱瘡などの患者さんも私の治療で症状の進行が収まっています。

内部リンク

神経疾患の難病・難症に使える漢方<
世界初の抗がんエビデンスを取得したフアイアは漢方薬なのか

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
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