がんの例え話「雑草と土壌」2

この20年間にがん治療は進歩しました。以前は外科手術だけががん治療の王道だった時代から、抗がん剤が進歩し、放射線治療も改良され進化しています。

がんが雑草と喩えると、生えていた雑草を無事に摘むことができました。そして手術後の抗がん剤や放射線照射が終了すると、無罪放免になるのです。ところが、患者さんには、「今後は何もしなくてもいいのですか?」という当然の疑問が沸いていきます。つまり、がんという雑草は退治したけれども、土壌の改良をしていないので、また雑草が生え始めるのではないかとの心配があるのです。

現在の再発の考え方は、治療時終了時にがんの種が残っているから再発するというストーリーです。だからこそ、手術で肉眼的、病理的にがんを完全切除しても、もしかしたら残っているがんの種を退治するために、術後の抗がん剤や放射線照射を行っています。その術後の抗がん剤や放射線照射が終わった後に患者さんは突然心配になるのです。

日本人の2人に1人が生きている間にがんと診断され、3人に1人ががんで命を落とすと言われている世の中です。今あるがんを無事に退治できたからといって、今後またがんという雑草が生える心配は他の人よりも高そうです。がんという雑草が発生しやすい土壌を改良する必要があるのです。そんな土壌の改良まで気を配って指導してくれる医師は希です。ある意味ガイドラインに載っていないので、たくさん勉強をした医師でなければ、たくさん実臨床を経験した医師でなければご指導できない領域なのです。

がんが発生する土壌を改良する明らかなエビデンスがある方法は希です。適度な散歩は良さそうです。ビタミンDが少ないとがんに罹患しやすいという意見は最近増えています。僕も適度な日光浴は勧めています。バランスの良い食事は当然ながら異論はないでしょう。ただ、なにを持ってバランスがよいとするのかが個人差もあり大問題です。適度な睡眠も必要でしょう。そして希望をもって、ストレスを減らして生きることも大切です。

僕が医師になってもうすぐ40年です。がん治療の進歩に外科医として、また免役学者として貢献してきました。最近は漢方医としてもできることを探しています。そして10年以上前に辿り着いた生薬がフアイアで、そのフアイアは2018年に明らかな抗がんエビデンスを獲得しました。

がんができやすいという土壌の改良には金銭的な負担が少ないことの足し算を行って下さい。散歩、日光浴、バランスの良い食事、適度な睡眠、そして希望を持つことです。どれも経済毒性(金銭的な負担)は軽度です。そして経済毒性があるものを加えるときには、明らかな抗がんエビデンスがあるかを確認してください。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜くことです。

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まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主催者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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