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神経内分泌腫瘍なんですね。治療は進歩しました。
神経内分泌腫瘍は、私が医学生であった40年近く前にはカルチノイドと呼ばれていました。「消化管や肺、膵臓などに発生し、ホルモン様物質を出すこともあり、悪性化するものもある」といった内容であったと記憶しています。カルチノイドとはカルチが「がん」の意味合いですから、「がんもどき」といった意味です。
そのカルチノイドを今は神経内分泌腫瘍と称します。神経内分泌腫瘍は10万人当たり毎年約3.5人が罹患しています。ですから希少がん(毎年の罹患数が10万人当たり6人未満)になります。内分泌細胞は全身に分布するので、実は全身の臓器に発生します。膵臓に発生し、インスリンというホルモンを出す腫瘍はインスリノーマ、ガストリンを出す腫瘍はガストリノーマと呼ばれます。
消化管では粘膜の深層から発生するので、粘膜を一枚被った様な腫瘤になります。良性から悪性まで悪性度の幅が広いので、カメレオンのようだと例えることもあります。
転移があっても外科的に切除して長生きすることもあります。膵臓のステージ4の神経内分泌腫瘍の5年生存率は50%です。ザックリと盲腸や小腸ではそれよりも予後は良好で、結腸や胃、肺、直腸はそれよりも予後は不良です。
以前は神経内分泌腫瘍に対する薬物はありませんでしたが、2011年にエベロリムスが保険適用され、その後スニチニブ、ストレプトゾシン、ランレチド、エベロリムスなどが保険適用されています。
多くの神経内分泌腫瘍の細胞表面にソマトスタチン受容体があります。そこでソマトスタチン受容体に結合するソマトスタチンアナログにγ線を放出する物質を重合させたものを利用すると神経内分泌腫瘍の画像診断が可能になり、また細胞障害を起こすβ線を放出する物質を重合させると治療薬になります。これをベプチド受容体放射線核種療法(PRRT)と称します。欧州では20年前から標準治療で、6ヶ月の間に、4回の注射を行う治療です。
私はAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズと同じ誕生日(2月24日)です。私が惹かれるZero to Oneの見本としています。彼が2005年にスタンフォード大学での卒業式で行ったスピーチは大好きです。その中で、彼は3つを語ります。点と点を繋げる、愛と敗北、そして死です。点と点を繋げるは「Connecting the Dots」で、この別のブログでも語っています。
「死」について彼が語っている内容の一部を日本語訳すると、
1年前、私はがんと診断されました。朝7時半に診断装置にかけられ、膵臓に明白な腫瘍が見つかったのです。私は膵臓が何なのかさえ知らなかった。医者はほとんど治癒の見込みがないがんで、もっても半年だろうと告げたのです。医者からは自宅に戻り身辺整理をするように言われました。つまり、死に備えろという意味です。これは子どもたちに今後10年かけて伝えようとしていたことを、たった数カ月で語らなければならないということです。家族が安心して暮らせるように、すべてのことをきちんと片付けなければならない。別れを告げなさい、と言われたのです。
一日中診断結果のことを考えました。その日の午後に生検を受けました。のどから入れられた内視鏡が、胃を通って腸に達しました。膵臓に針を刺し、腫瘍細胞を採取しました。鎮痛剤を飲んでいたので分からなかったのですが、細胞を顕微鏡で調べた医師たちが騒ぎ出したと妻がいうのです。手術で治療可能なきわめてまれな膵臓がんだと分かったからでした。(日本経済新聞)
スティーブ・ジョブズの膵臓の腫瘍は比較的良性の神経内分泌腫瘍でした。しかし、その後悪性の神経内分泌腫瘍(神経内分泌がん)となり、肝臓に転移し、肝臓移植も行われましたが、2011年10月5日に亡くなりました。神経内分泌腫瘍の薬剤が日本に導入された年です。
その後、種々の薬剤の導入で、治療方法の選択肢が増え、また保険適用されて、神経内分泌腫瘍はますます長生きできる可能性があるがんになりました。
進行した神経内分泌腫瘍は今でも難治
神経内分泌腫瘍にはいろいろな悪性度があります。良性のものでは経過観察(アクティブサーベイランス)になりますが、進行した神経内分泌腫瘍(神経内分泌がん)は今でも難治です。遺伝子検査や病理検査から悪性度の推定も可能ですが、スティーブ・ジョブズの神経内分泌腫瘍のように、良性と思われたものが悪性になることもあります。しっかりと免疫力を高めましょう。
いろいろな治療を組み合わせましょう
手術を慌てて決める必要はありません。十分に熟慮して決めて下さい。そして、免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。発がん頻度や発がん時期に幅があるのは、免疫力が発がんを抑えている証拠です。免疫力を上げると発がん時期を後ろに移動させることができます。天命を全うするまで延ばせれば、そんな選択肢もOKです。
明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。
明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。
そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。
なんと生薬フアイアは明らかな抗がんエビデンスがあります。
生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。
肝臓がんの結果ですが、神経内分泌腫瘍(神経内分泌がん)にも有効だと推論が可能です。そして実際に新見正則医院でも何人かの神経内分泌腫瘍患者さんが生薬フアイアを治療に加えて健在です。
どんな治療にも併用可能です。
フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。
新見正則医院にご連絡ください。
フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以外の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。
フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。
●内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)
がんの例え話「雑草と土壌」
がんの例え話「雑草と土壌」2
がんの例え話「雑草と土壌」3
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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには
執筆者略歴 新見正則
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。
新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
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