膀胱を残せるかは、がんが筋層に達しているかでまず分かれ、達していても残す治療を選べる場合があります。
膀胱がんは、2023年に23,970例が新たに診断され、2024年に9,725人が亡くなっています(国立がん研究センター がん統計「膀胱」2026年7月22日確認)。治療の基本は、がんの深さで大きく2つに分かれます。この記事では、それぞれの治療と、膀胱温存療法の条件、膀胱全摘と比べた研究の読み方を、がん情報サービスと臨床試験の論文をもとに説明します。
この記事の内容
膀胱を残せるかどうかは、何で決まりますか?
がんが膀胱の壁の筋層に達しているかどうかで、治療の基本が分かれます。

膀胱の壁は、内側から粘膜上皮、上皮下結合組織、筋層からなり、筋層の周りには脂肪組織があります(国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん」2024年6月28日更新)。膀胱がんの90%以上は、膀胱の内側をおおう尿路上皮にできる尿路上皮がんです。
がんが筋層に達していないものを筋層非浸潤性膀胱がん、達しているものを筋層浸潤性膀胱がんと呼びます。
| 区分 | 深さ(T分類) | 治療の基本 |
| 筋層非浸潤性膀胱がん | Ta、Tis(上皮内がん)、T1 | TURBTで切除し、膀胱を残す。再発や進行を防ぐために、膀胱の中に薬を入れる治療を加えることがある |
| 筋層浸潤性膀胱がん(転移なし) | T2〜T4 | 標準治療は膀胱全摘除術。手術が難しい場合や本人が希望する場合に、膀胱温存療法を行うこともある |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん」(2024年6月28日更新、膀胱癌診療ガイドライン2019年版[増補版]、腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 第2版に基づく)
深さは、内視鏡で切除した組織を顕微鏡で調べる病理検査で正確に決まります。画像検査では、MRIが、がんが膀胱の壁のどのくらい深くまで及んでいるかを調べるのに有効とされています。
深さの違いは、生存率の違いにも表れます。院内がん登録で2014〜2015年に診断された膀胱がん14,708人の5年生存率(ネット・サバイバル)は、Ⅰ期82.0%、Ⅱ期53.9%、Ⅲ期40.2%、Ⅳ期18.3%でした(国立がん研究センター 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム)。Ⅰ期は筋層に達していないT1、Ⅱ期は筋層に達したT2で、どちらもリンパ節や離れた臓器への転移がないものです。この集計に0期の数字は示されていません。ネット・サバイバルがどういう数字かは、部位別・ステージ別のがんの生存率の記事にまとめています。
筋層非浸潤性膀胱がんでは、膀胱を残せますか?
残せます。内視鏡でがんを切除するTURBTが治療の中心で、再発の危険に応じて、膀胱の中に薬を入れる治療を加えます。
TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)は、尿道から膀胱の中に内視鏡を入れ、がんを電気メスで切除する治療です。全身麻酔か腰椎麻酔で行い、診断のための検査も兼ねます(がん情報サービス「膀胱がん 治療」2024年6月28日更新)。TURBTのあと、多くの人は1〜2週間で普段の生活に戻ります。
T1で高異型度の場合や、Taで高異型度かつ初回のTURBTで筋層が採れなかった場合には、もう一度TURBTを行うことが推奨されています。
切除のあとは、再発や進行の危険によって4つのグループに分け、次の治療を決めます。
| リスク | 条件 | 主な治療 |
| 低リスク | 単発・初発・3cm未満・Ta・低異型度・上皮内がん(CIS)の併発なし、のすべてを満たす | 抗がん剤の膀胱内注入療法 |
| 中リスク | 低リスクにも高リスクにも当てはまらない | 一部は抗がん剤の膀胱内注入療法、一部はBCG膀胱内注入療法 |
| 高リスク | T1、高異型度、CIS(併発を含む)のいずれかを含む | BCG膀胱内注入療法 |
| 超高リスク | 高リスクのうち、T1・高異型度で、膀胱か前立腺部尿道の上皮内がんの併発、多発・再発・3cm以上、通常の尿路上皮がんと異なる組織型やリンパ管・静脈への浸潤、のいずれかがあるもの。BCGでも消えない高異型度のがんや、BCG治療後12か月以内の再発も含む | 一部はBCG膀胱内注入療法。膀胱全摘除術を行うこともある |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん 治療」(2024年6月28日更新)
BCG膀胱内注入療法は、標準的には、TURBTのあとに6〜8回注入する導入療法と、その後1〜3年間続ける維持療法からなります。抗がん剤の注入より効果が高い一方で、副作用も多い治療です。頻尿、排尿時の痛み、血尿、発熱のほか、膀胱が縮む、間質性肺炎、BCGによる感染が起こることがあります。39℃以上の発熱や、38℃以上の発熱が2日以上続くときは、病院に連絡するよう案内されています。BCGは弱毒化したウシ型結核菌で、ほかのワクチン療法との違いはがんワクチンとはの記事で整理しています。
筋層非浸潤性膀胱がんは、どのくらい再発しますか?
再発は多く、5年間で31〜78%と報告されています。筋層浸潤がんへ進む割合は、1%未満から45%まで開きがあります。
欧州がん研究治療機構(EORTC)の7つの臨床試験に参加した、TaとT1の膀胱がん2,596人をまとめた解析があります。再発する確率は1年で15〜61%、5年で31〜78%でした。進行する確率は1年で1%未満〜17%、5年で1%未満〜45%でした(Sylvester RJ, et al. Predicting recurrence and progression in individual patients with stage Ta T1 bladder cancer using EORTC risk tables. Eur Urol 2006)。
幅が大きいのは、がんの条件の組み合わせごとに確率を出しているためです。同じ筋層非浸潤がんでも、再発や進行の危険には大きな差があります。
このため治療後は、膀胱鏡検査と尿細胞診で、再発がないかを定期的に確かめます。検査の内容や間隔は、病理検査の結果や膀胱内注入療法の有無などから、リスクごとに決まります(がん情報サービス「膀胱がん」療養の項 2025年3月21日確認)。再発したときは、もう一度TURBTを行い、病理検査の結果によってBCGや膀胱全摘除術を検討します。
筋層浸潤性膀胱がんの標準治療は何ですか?
転移のない筋層浸潤性膀胱がんでは、膀胱全摘除術が標準治療と位置づけられています。手術の前後に抗がん剤を組み合わせることもあります。
がん情報サービスは「転移がない筋層浸潤性膀胱がんの標準治療は膀胱全摘除術です」としています(がん情報サービス「膀胱がん 治療」2024年)。取り除く範囲は、膀胱だけではありません。
- 男性:膀胱、前立腺、精のう、尿管の一部と、骨盤内のリンパ節
- 女性:膀胱、子宮、腟の一部、尿管の一部、尿道と、骨盤内のリンパ節
男性では、膀胱全摘除術のあと射精ができなくなります。前立腺の横を通る勃起神経を切除することが多く、その場合は勃起の機能も失われます。手術のあとは2〜3か月から半年ほどかけて、元の生活に戻っていきます。手術一般で得られるものと引き受けるものは、がんの手術のメリットとデメリットの記事で整理しています。
手術の効果を高める目的で、膀胱全摘除術の前や後に、細胞障害性抗がん薬による治療を行うこともあります。手術の前に行う術前化学療法については、11のランダム化比較試験の3,005人を個別にまとめた解析があります。プラチナ系の抗がん薬を組み合わせた術前化学療法で、全生存のハザード比は0.86(95%信頼区間0.77〜0.95)でした。5年生存率は45%から50%へ、5ポイント(95%信頼区間1〜7ポイント)上がっています(Advanced Bladder Cancer Meta-analysis Collaboration. Cochrane Database Syst Rev 2004)。
手術のあとの病理検査の結果によっては、免疫チェックポイント阻害薬で術後の薬物療法を行うこともあります(がん情報サービス 2024年)。薬のしくみは免疫チェックポイント阻害薬とはの記事で説明しています。
膀胱を取ったあと、尿はどうやって出すのですか?
尿の通り道をつくり直す尿路変向術を、膀胱全摘除術と同時に行います。方法は主に3つです。
| 方法 | しくみ | 特徴 |
| 尿管皮膚ろう造設術 | 尿管を直接おなかの壁に固定して、尿の出口にする | 手術の時間が短く、体への負担が少ない。高齢の人や体の状態がよくない人で選ばれることが多い |
| 回腸導管造設術 | 小腸(回腸)の一部を尿の通り道にして、おなかに出口(ストーマ)をつくる | 国内で最も多く行われている。ストーマに尿をためる袋を付ける |
| 自排尿型新膀胱造設術 | 腸で新しい膀胱をつくり、尿道につなぐ | 尿道から尿を出せる。手術の時間が長く、排尿の練習が必要。尿道にがんがある、尿道に再発する危険が高い、腎機能が低下しているなどの場合は選べない |
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん 治療」(2024年6月28日更新)
ストーマをつくった場合、手術のあとに尿の出口が狭くなることがあります(がん情報サービス 2024年)。どの方法が合うかは、がんの広がりや年齢、腎臓の働き、暮らし方によって変わります。手術の前に、選べる方法とそれぞれの暮らしの変化を主治医に確かめておくと、比べやすくなります。
膀胱温存療法とは、どんな治療ですか?
TURBT、細胞障害性抗がん薬、放射線治療の3つを組み合わせて、膀胱を取らずに治すことを目指す治療です。三者併用療法とも呼ばれます。
がん情報サービスは、高齢である、肝・呼吸器・心不全などの基礎疾患があるなどの理由で手術が難しい場合や、本人が膀胱の温存を希望する場合に、この治療を行うことがあるとしています(がん情報サービス「膀胱がん 治療」2024年)。
放射線治療に抗がん剤を同時に組み合わせる考え方は放射線治療とは、手術・放射線・薬を組み合わせる治療全般は集学的治療とはの記事で説明しています。
日本泌尿器科学会の膀胱癌診療ガイドライン2019年版[増補版](2023年発行)は、筋層浸潤性膀胱がんに膀胱温存集学的治療を推奨するかを、臨床疑問(CQ18)の1つとして取り上げています(Minds ガイドラインライブラリ「膀胱癌診療ガイドライン2019年版[増補版]」)。
膀胱温存療法と膀胱全摘を比べた研究では、温存療法に向く人に対象を絞っています。次の節の比較研究で対象にした条件は、次のとおりです。
- がんが1つだけで、最も長い径が7cm未満
- 水腎症(尿が流れにくくなって腎臓が腫れる状態)がないか、片側だけ
- 広い範囲や複数の場所に上皮内がんがない
- 膀胱の機能が保たれている
放射線治療に抗がん剤を加えると、何が変わりますか?
膀胱とその周りでの再発が減りました。5年全生存率の差は、統計的にはっきりしませんでした。
BC2001試験は、筋層浸潤性膀胱がんの360人を、放射線治療だけの群と、放射線治療にフルオロウラシルとマイトマイシンCを同時に加える群に、くじ引きで分けて比べました(James ND, et al. Radiotherapy with or without chemotherapy in muscle-invasive bladder cancer. N Engl J Med 2012)。
| 項目 | 放射線治療+抗がん剤 | 放射線治療だけ |
| 2年の局所領域無病生存率 | 67% | 54% |
| 5年全生存率 | 48% | 35% |
| 治療中のグレード3〜4の有害事象 | 36.0% | 27.5% |
出典:James ND, et al. N Engl J Med 2012;366(16):1477-1488(BC2001試験、360人)
追跡期間の中央値69.9か月で、膀胱とその周りでの再発や悪化のハザード比は0.68(95%信頼区間0.48〜0.96)でした。治療中の重い有害事象は抗がん剤を加えた群でやや多かったものの、統計的な差はありませんでした(P=0.07)。
5年全生存率は13ポイント高かったものの、ハザード比は0.82(95%信頼区間0.63〜1.09、P=0.16)でした。この幅は、死亡を37%減らす側から、9%増やす側までを含みます。生存率に差があるとは言い切れない結果です。
BC2001試験の比較は、放射線治療の中での話
この試験が比べたのは、放射線治療に抗がん剤を加えるかどうかです。膀胱温存療法と膀胱全摘除術のどちらがよいかは比べていません。放射線治療を受ける人の中で、抗がん剤を加えると再発が減るかを確かめた試験です。
膀胱温存療法と膀胱全摘では、どちらの成績がよいのですか?
くじ引きで直接比べた試験の結果はありません。条件を満たす人を集めて比べた研究では、転移のない生存の割合に差は見られていません。
米国とカナダの3つの大学病院で2005〜2017年に治療を受けた、転移のない筋層浸潤性膀胱がん(T2〜T4)の722人を比べた研究があります。膀胱全摘を受けたのは440人、膀胱温存療法を受けたのは282人で、全員が前の節の条件を満たしていました(Zlotta AR, et al. Radical cystectomy versus trimodality therapy for muscle-invasive bladder cancer: a multi-institutional propensity score matched and weighted analysis. Lancet Oncol 2023)。
| 評価項目(5年) | 膀胱全摘 | 膀胱温存療法 |
| 無転移生存率(重み付けの解析) | 74% | 75% |
| 無転移生存率(マッチングの解析) | 74% | 74% |
| 全生存率(重み付けの解析) | 66% | 73% |
| 全生存率(マッチングの解析) | 72% | 77% |
出典:Zlotta AR, et al. Lancet Oncol 2023;24(6):669-681(主な評価項目は無転移生存率)
背景の違いを統計的にそろえる2つの方法で解析しています。主な評価項目の無転移生存率は、どちらの方法でも差がありませんでした。5年がん特異的生存率にも、統計的な差はありませんでした。全生存率は、温存療法の側が高い結果でした。温存療法を受けた282人のうち38人(13%)は、あとで救済膀胱全摘除術を受けています。
選ばれた人どうしの比較
この研究は、過去の記録を集めた観察研究です。どちらの治療を受けるかは、くじ引きではなく、複数の専門医との話し合いを経て本人が決めています。対象は、がんが1つで7cm未満など、温存療法に向く条件をそろえた人に限られていました。統計の方法でそろえられるのは、記録に残っている項目だけです。体の状態や本人の意向など、記録に残りにくい違いは残ります。筋層浸潤性膀胱がんのすべての人に当てはまる数字ではありません。
くじ引きで比べようとした試験もありました。膀胱全摘と、術前化学療法の効き目を見て膀胱を残すかを決める方法(選択的膀胱温存)とに分ける、多施設の試験(SPARE)です。30か月で集まったのは45人(全摘25人、温存20人)で、予定の人数に届きませんでした。全摘に割り付けられた25人のうち6人(24%)は、実際には放射線治療を受けています。研究者は、医師と患者の治療の好みが強く、英国の医療制度ではこの形でくじ引きを行うことはできないと結論しました(Huddart RA, et al. Clinical and patient-reported outcomes of SPARE. BJU Int 2017)。
膀胱温存療法のあとは、どうなりますか?
膀胱が残るため、膀胱の中のがんの再発を検査で確かめ続けます。再発したときは、膀胱全摘除術を行うことがあります。
膀胱温存療法のあとに再発したり、がんが残ったりしたときに行う膀胱全摘除術を、救済膀胱全摘除術と呼びます。上の比較研究では、温存療法を受けた人の13%がこの手術を受けていました。
どちらの治療を選ぶにしても、次のことを主治医に確かめておくと、比べやすくなります。
- がんは筋層に達しているか(T分類)、リンパ節や離れた臓器への転移はあるか
- 膀胱温存療法の条件(がんの数と大きさ、水腎症、上皮内がん)に当てはまるか
- 温存療法を選んだ場合、どの間隔で何の検査を受けるのか
- 全摘の場合、どの尿路変向術を選べるのか
泌尿器科と放射線治療科の両方の意見を聞きたいときは、セカンドオピニオンを利用できます。
45人
膀胱温存と膀胱全摘をくじ引きで比べようとした試験(SPARE)で、30か月かけて集まった人数です。
予定に届かず、この形の比較は続けられませんでした。温存療法と全摘の比較は、選ばれた人どうしの観察研究が中心です。
出典:Huddart RA, et al. BJU Int 2017(SPARE試験)
監修
新見正則(にいみ まさのり)
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年、英国オックスフォード大学にて移植免疫学の医学博士(Doctor of Philosophy)取得。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。外科医、免疫学者、漢方医として臨床と研究の両方に携わる。
日本外科学会 外科専門医・指導医/日本消化器外科学会 消化器外科指導医/日本東洋医学会 漢方専門医/アメリカ外科学会フェロー(FACS)
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膀胱温存療法は、手術・放射線治療・薬物療法を組み合わせる治療の一つです。組み合わせる順番には、それぞれ別のねらいがあります。
集学的治療とは?手術・放射線・薬の組み合わせ方がわからない人へ
手術・放射線治療・薬物療法を組み合わせる集学的治療の定義と、術前・術後・同時併用それぞれのねらい、治療方針の決まり方を整理した手引きです。同じ治療の順番を入れ替えた直腸がんの試験から、順番で何が変わり、何が変わらないかも確かめています。
よくある質問
Q膀胱がんでも膀胱を残せますか?
筋層非浸潤性膀胱がんでは、内視鏡でがんを切除するTURBTと、膀胱の中に薬を入れる治療で膀胱を残すのが基本です。筋層浸潤性膀胱がんでは膀胱全摘除術が標準治療ですが、手術が難しい場合や本人が希望する場合に、TURBT・抗がん剤・放射線治療を組み合わせる膀胱温存療法を行うこともあります。
Q膀胱温存療法は誰でも受けられますか?
受けられる人は限られます。全摘と比べた研究では、がんが1つで7cm未満、水腎症がないか片側だけ、広い範囲や複数の場所に上皮内がんがない、膀胱の機能が保たれている、といった条件を満たす人を対象にしていました。当てはまるかどうかは、主治医に確かめる必要があります。
Q膀胱温存療法と膀胱全摘では、生存率はどちらが高いですか?
くじ引きで直接比べた試験の結果はありません。条件を満たす722人を比べた観察研究(2023年)では、5年無転移生存率は全摘74%、温存療法74〜75%で、差がありませんでした。ただし、温存療法に向く人を選んで比べた研究で、すべての人に当てはまる数字ではありません。
Q膀胱を全部取ると、生活はどう変わりますか?
尿の出口をつくり直す尿路変向術を同時に行います。国内で最も多い回腸導管では、おなかの出口(ストーマ)に尿をためる袋を付けます。腸で新しい膀胱をつくり、尿道から尿を出す方法もありますが、選べない場合があります。男性では射精ができなくなり、勃起の機能が失われることもあります。
Q筋層非浸潤性膀胱がんは再発しやすいですか?
再発は多いがんです。2,596人をまとめた解析では、5年で再発する確率は31〜78%でした。がんの条件によって危険度が大きく違うため、治療後は膀胱鏡検査と尿細胞診で、リスクに応じた間隔で再発がないかを確かめます。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん 治療」(2024年6月28日更新、膀胱癌診療ガイドライン2019年版[増補版]に基づく)
https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/treatment.html - 国立がん研究センター がん情報サービス「膀胱がん 全ページ」(2024年6月28日更新、療養の項は2025年3月21日確認)
https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/print.html - 国立がん研究センター がん統計「膀胱」(2026年7月22日確認)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/21_bladder.html - 国立がん研究センター 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム 膀胱がん 2014-2015年5年生存率
https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph?year=2014-2015&elapsed=5&type=c15 - Minds ガイドラインライブラリ「膀胱癌診療ガイドライン2019年版[増補版]」(日本泌尿器科学会編、医学図書出版、2023年)
https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00852/ - Sylvester RJ, van der Meijden AP, Oosterlinck W, et al. Predicting recurrence and progression in individual patients with stage Ta T1 bladder cancer using EORTC risk tables. Eur Urol. 2006;49(3):466-77. doi:10.1016/j.eururo.2005.12.031
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16442208/ - Advanced Bladder Cancer (ABC) Meta-analysis Collaboration. Neo-adjuvant chemotherapy for invasive bladder cancer. Cochrane Database Syst Rev. 2004;(1):CD005246. doi:10.1002/14651858.CD005246
https://doi.org/10.1002/14651858.CD005246 - James ND, Hussain SA, Hall E, et al. Radiotherapy with or without chemotherapy in muscle-invasive bladder cancer. N Engl J Med. 2012;366(16):1477-1488
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22512481/ - Zlotta AR, Ballas LK, Niemierko A, et al. Radical cystectomy versus trimodality therapy for muscle-invasive bladder cancer: a multi-institutional propensity score matched and weighted analysis. Lancet Oncol. 2023;24(6):669-681. doi:10.1016/S1470-2045(23)00170-5
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37187202/ - Huddart RA, Birtle A, Maynard L, et al. Clinical and patient-reported outcomes of SPARE: a randomised feasibility study of selective bladder preservation versus radical cystectomy. BJU Int. 2017. doi:10.1111/bju.13900
https://doi.org/10.1111/bju.13900





