がん患者さんが求めていること (ドリルではなくて穴)

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僕がとても気に入っている有名なフレーズは、「4分の1インチのドリルを買う顧客が本当に欲しいものは、4分の1インチの穴である」ということです。
現代医療は4分の1インチのドリルを懸命に探しているように思えます。

医療は健康を維持するために、健康を改善するために、病気を治すために存在します。
しかし、所詮、少々長生きしても、人は必ず死にます。死ぬときに自分の生涯を顧みて、「幸せであった」と言える人生を生き抜いた人が勝者です。
人生の勝者になることが本当の目的ではありませんか。4分の1インチの穴が本当の目的です。4分の1インチのドリルが目的ではありません。

そこを現代の医療サービスは見間違えています。僕は、しっかりと患者さんと一緒に、患者さんの4分の1インチの穴を一緒に探したいのです。
4分の1インチのドリルを探しまくる現代医療にはちょっと異を唱えたくなるのです。
もちろん、素晴らしい4分の1インチのドリルは適宜使用することも大切です。
そんな4分の1インチの穴を見据えて、4分の1インチのドリルも使う、他の方法も併用する治療を行いたいのです。

抗がん剤に必要なエビデンスは腫瘍を小さくすることではありません。腫瘍マーカーを正常値に戻すことでもありません。患者さんが求めることは長生きなのです。そして長らえた時間の充実さです。

腫瘍を小さくすることや腫瘍マーカーを正常に戻すことに役立つ抗がん剤は4分の1インチのドリルです。患者さんが欲しいものは生活の質(QOL)が担保された長生きです。それが4分の1インチの穴に相当します。

抗がん剤には、特に殺細胞性の抗がん剤は相当の副作用があります。命に関わる副作用もあります。抗ホルモン剤には命に関わる副作用は稀ですが、重篤な更年期障害様症状に悩まされる人もいます。免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は免疫のブレーキを外すので副作用が少ない抗がん剤と思われていましたが、免疫亢進に伴う自己免疫疾患などで致命的になることもあります。抗がん剤治療で絶命しては話になりません。また、命長らえても副作用で苦しめられれば本末転倒です。経験を積んだ腫瘍内科医の管理のもとで治療が行われる必要があります。

そして副作用がないドリルが理想的です。そんな魅力的な抗がん剤のひとつがフアイアです。フアイアは中国では1992年から抗がん新薬として認められていますが、本邦ではなんと「専ら医薬品」には該当しない「専ら食品」に分類される健康食品として輸入されています。

以前から僕はフアイアの有効性に着目していました。2010年頃から使い始め、その不思議な魅力を体感していました。フアイアはエンジュの老木に生える数百種類あるキノコのなかのひとつです。自然界に存在する生薬で、多成分から構成されています。多成分系薬剤の代表である漢方薬では不思議なことが起こります。五苓散は体に水が溢れているときには利尿作用があり、脱水状態のときには水の保持作用があります。半夏白朮天麻湯は高血圧の時には血圧を下げ、低血圧の時には昇圧効果を示します。多成分系だからこそ双方向に働くのです。なんとフアイアはがんや感染症に対しては免疫力をアップさせ、免疫が亢進して生じる病態である喘息やアトピー、乾癬などでは免疫力をダウンさせる研究結果が出ています。

免疫力をアップさせる報告は2018年の超一流英文誌「GUT」に掲載されました。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と非内服群に分けるランダム化された大規模臨床試験を、生存率で勝ち抜きました。腫瘍のボリュームが減少するとか、腫瘍マーカーが正常化するとかではなく、生存率で勝ち抜いたのです。これこそが患者さんが求める4分の1インチの穴です。そして副作用は軽い下痢のみと言う魔法のような抗がん剤です。

生薬フアイアは西洋医学的治療の邪魔もしませんし、西洋医学的治療によって邪魔もされません。明らかな抗がんエビデンスがある西洋医学的治療との併用がもっとも望ましいですが、患者さんが希望されればフアイアによる単独治療も行います。また西洋医学的治療では為す術がないときにはフアイアが候補になります。

フアイアの詳しい説明は当サイト内に多数載っています。また、僕に相談したい方の電話やメール、LINEなどは大歓迎です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)

まずフアイアを試したいときには
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執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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