ゴールデンサークルと漢方薬〜多成分系の魅力でがん・難症に挑戦〜

goldencircle

「多成分系の薬剤に我々は魅力を感じています。多成分系の薬剤は、単一成分の薬剤である西洋薬では成し遂げられない可能性を秘めています。だからこそ、これからの時代に役に立つのです。是非、われわれが提案する多成分系の薬剤を試しませんか? そのひとつが漢方薬です。」

上記は、僕が漢方の普及啓発のために主宰している漢方JPの年頭所感「2024年 多成分系の薬剤の探究を!」 からの引用です。

これはサイモン・シネックがTEDで語ったゴールデンサークルの「Whyから始まるストーリーが人の心をうつ」ということから導かれています。

サイモン・シネックが語ったゴールデンサークル理論は、人は何を(What)ではなく、なぜ(Why)で心を動かされるということです。

ゴールデンサークルはTEDでサイモン・シネックが語った理論です。
人は、何を(What)ではなく、なぜ(Why)で心を動かされるということです。
サイモン・シネックは3つの例を挙げます。アップル、キング牧師、そしてライト兄弟です。

円を書きます。それは3重の円で、内側からWhy, How, What となります。
普通の人は何かがあるからあることを始めようと思います。
しかし、心を動かされる動機は、なぜという大義から始まると言います。

彼はコンピューターメーカーのアップルを例に例えます。

普通のメーカーは以下のように販売促進活動をします。
一.われわれは素晴らしいコンピュータを作りました。(What)
一.そして、美しいデザインで簡単に使え、親しみやすい製品です。(How)
一.ひとついかがですか?(Why)
これでは買わないと言うのです。

一方でアップルは
一.われわれのすることはすべて、世界を変えるという信念で行っています。異なる考え方に価値があると信じています。(Why)
一.私たちが世界を変える手段は、美しくデザインされた、簡単に使え、親しみやすい製品です。(How)
一.こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。ひとついかがですか? (What)
これならひとは買うと言うのです。

ライト兄弟が初飛行に成功したのも、キング牧師が公民権運動で成功したのも、すべてWhyから始まっていると強調します。

ここで日本の医療制度に目を向けると、国民皆保険というWhatから、僕の思考は常に
始まっていました。そしてそれを使いこなして(How)、その結果として医療で社会貢献をしようと思っていました。

ところが、このゴールデンサークルを見て気がつきました。
まず、Whyを決めようと。もちろん各自が決めればいいですが、僕のWhyは、ひとそれぞれが精一杯生き抜く応援をすることだと解りました。
いろいろな価値観の人生があっていいのです。
その価値観をもって、生涯を生き抜ければ、その人の人生は大成功です。
長寿が勝者ではありません。短命が敗者ではありません。
自分の人生を生き抜いた人が勝者と思っています。それが僕のHowです。
そしてそのためにあるのが医療資源(What)で、その医療資源を使って、ひとそれぞれを勝者に導けばいいのです。
そうであれば、Whatは保険診療に限らず自費診療でもよし、また日常生活の管理(養生)なども、Whatになります。

どうも、最近の現代医療の不調はWhatから始まっているように感じます。
良い降圧剤(What)ができたから、それを使って血圧をできるかぎり下げると(How)、
その結果、長寿で幸せ(Why)になるからといった理屈です。

僕にはサイモン・シネックからのメッセージは「大義をまず決める」というように映るのです。
僕の医療者としての大義は、どんな医療を提供しても人は必ず死にます。
人生の長短ではなく、それぞれの人が、自分の価値観で存分に生き抜いて、そして死を迎える応援をしたいのです。

●内部リンク

難症とは? 〜がんや難病も難症です〜
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●外部リンク

サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか

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