ひとり娘が4月に突然に巣立って、なんだか娘ロスです。夕方からなんとなく疲れと、だるさと、眠気が襲います。いわゆるちょっとした「倦怠感」です。「倦怠感」という言葉は主観的なもので、人それぞれで感じ方・使い方が異なります。いろいろな「倦怠感」があるということで、「倦怠感」と言っても実は各人が想像・連想している内容が異なるのです。
最近、この「倦怠感」を訴えて新見正則医院に相談に来られる方が増えています。遠隔診療での相談も増えています。人それぞれで感じ方が異なる倦怠感ですから、しっかりとお話を伺う必要があります。オートマチックに「倦怠感」ならこの薬というものはありません。
人の体は、神経とホルモンと免疫で維持されています。この3つがそれぞれ正常な状態で、かつそれぞれの相互関係も正常でないと不調を来します。そんな不調の現れが「倦怠感」を生じることがあるのです。つまり、いろいろな疾患や体の変調で「倦怠感」を生じます。
ストレス、睡眠不足、栄養不足、運動不足、喫煙、アルコール摂取、更年期障害、生理不順などから、感染症、悪性腫瘍、膠原病、精神疾患、神経疾患、代謝疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患、耳鼻科疾患、眼科疾患、歯科口腔外科疾患など、様々な原因が考えられます。
ではしっかりと検査をした方がよい「倦怠感」とはなんでしょう。それは次の日まで「倦怠感」が続き、何日も回復しない場合です。特にどんどんと悪化すると自分で感じる「倦怠感」は医療機関の受診がお勧めです。
次の日に回復する「倦怠感」はあまり心配なく、日常生活で改善できることを可能な範囲で行いましょう。ストレスを減らす、しっかりと寝る、バランス良く食べる、適度の運動を行うなどです。
問題は、医療機関では特段の異常はないと言われ、日頃の努力はしているが、一向に改善しない「倦怠感」です。こんな「倦怠感」を訴えて新見正則医院を受診される方が増えているのです。
西洋医学的検査で異常がない「倦怠感」には、自律神経失調症、更年期障害、心の病、ストレスによる障害、慢性疲労症候群などが考えられますが、最近では新型コロナウイルス感染後遺症の方が増加しています。新型コロナウイルス感染後遺症は保険適用の検査では異常が出ません。
西洋医学的検査では異常がない「倦怠感」があるときは、「倦怠感」が主観的な概念のため、専門家が十分に話を聴いてくれる医療機関で診察を受けることをお勧めします。
現在、外科医x免疫学者x漢方医というレアな存在として活動している僕です。そして漢方の書籍は40冊以上になります。その中の「フローチャート漢方薬シリーズ」のひとつとして、最新刊「フローチャートコロナ後遺症漢方薬」(新興医学出版社)が決定しました。2022年10月13日発売。現在予約受付中です。