対象療法と根本治療、特にがん治療では

花粉症や鼻アレルギーで困っている時に出される薬は西洋薬では抗ヒスタミン薬、そして漢方薬では生薬の麻黄を含む小青竜湯⑲などです。そして鼻閉や鼻水は止まりますが、内服を止めるとまた花粉症に苦しめられます。花粉症は季節性のこともあり、辛い季節を抗ヒスタミン薬や小青竜湯⑲で乗り切っても、また次の年に同じことを繰り返します。つまり症状を抑えているだけなのです。こんな治療を西洋医学では対症療法、漢方では標治と呼びます。

一方で舌下免疫療法は、アレルギーの原因(アレルゲン)がスギとかダニとか判明しているときに、そのアレルゲンを少量の内服から始めて、数年かけて徐々にアレルゲンの量を増やしていくと、なんとアレルギー症状がほとんどなくなります。これは経口免疫寛容という体内のシステムを利用した治療です。そして漢方薬でも荊芥連翹湯㊿などを長期内服するとアレルギーから解放されることがあります。こんな治療を西洋医学では原因療法、漢方では本治と呼びます。

つまり体質を変える治療が原因療法で本治なのです。体質を変えなければ同じ症状を繰り返します。医療の多くは実は対症療法で、希に原因療法が存在します。

例えば、がんの3大治療は手術、放射線治療、抗がん剤ですが、どれもがん細胞に対しての治療で、がん細胞を発生させた体質を改善するものではありません。手術でがんを取りさっても、他の部分に同種のがんが生じる可能性はそのまま残ります。他の種類のがんが体に発生する頻度もかわりません。抗がん剤は標的のがん細胞以外に全身に回りますが、この抗がん剤ががんになりにくい体質を創り上げることはありません。

がんはある程度の年齢になると毎日5000個以上のがん細胞が発生し、それを体に備わった免役システムが退治していると思われています。この体にとっても異物を退治する力を免疫力と称しますが、以前は免疫力と言う文言は怪しい言葉でした。ところが2018年に本庶佑先生が免疫チェックポイント阻害剤でノーベル医学生理学賞を受賞して、メディアの対応もかわりました。NHKが免疫力という言葉を正式に使用するようになったのです。免疫チェックポイント阻害剤は、免役システムのブレーキを外します。ですから、体全体の免疫力がアップするのです。免疫チェックポイント阻害剤の副作用は免疫力の過剰な亢進による自己免疫疾患様症状で、希に死亡することもあります。安全に免疫力を向上させることができればがん治療の原因療法になるのです。

僕がお勧めしている免疫力向上の日常生活の知恵は以下です。

  1. 適度の散歩
  2. 適度の日光浴
  3. バランスの良い食事(炭水化物を少なく、タンパク質を多く)
  4. 十分で質の高い睡眠
  5. ストレスを減らす(or ストレスに強くなる)

そして健康にある程度のお金を惜しまない方には世界初の免疫力アップが明らかに確認された生薬フアイアの内服をお勧めしています。生薬フアイアは肝臓がん手術後の約1000人の患者さんをくじ引きで2群に分けて、なんと生存率で投与群が非投与群を明らかに上まわりました。現在、多数のがんに対して大規模臨床試験が進行中です。そして多成分系の生薬らしいことは免疫の過剰亢進によるIgA腎症、乾癬、喘息、アトピーなどにも有効性が示されています。つまり落ちている免疫力はアップさせ、過剰となっている免疫力はダウンさせるのです。免疫力を適度な状態(中庸)に保つ理想的な生薬です。そして副作用は希に起こる軽い下痢のみです。

超高額で希にでも死亡する副作用を持つ免疫チェックポイント阻害剤を永遠に飲むことは不可能なのです。ところが、生薬フアイアは安全です。すでに免疫力が落ちていてがんや難病・難症に難渋している方、また50歳以上の方で、徐々に年齢とともに低下する免疫力をアップさせたい方には、上記お勧めの5項目とフアイアの内服をお勧めしています。

また、5項目を体感したい方のために、森林浴&薪ストーブプロジェクト@那須を週末に行っています。フアイアを内服している方は無料で参加できます。安心と希望を持って、生ある限り一緒に愉しく生き抜きましょう。

●内部リンク

癒やしの森林浴&薪ストーブ@那須プロジェクト by 新見正則医院
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