アバスチンとは?副作用が不安な点滴を、どのがんにいつまで使う?

窓辺の明るい処置室に立つ点滴スタンドと点滴バッグ

アバスチンは、がんが血管を増やすのを抑える点滴の薬で、7種類のがんに使われ、多くは抗がん薬と組み合わせます。

アバスチン(一般名ベバシズマブ)を勧められたとき、どんな薬なのか、自分のがんでどのくらい効くのか、いつまで続けるのかがわからず、不安になる人は少なくありません。この記事では、電子添文(2026年6月改訂)と医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査報告書、臨床試験の報告をもとに、薬の仕組みとバイオシミラー、使われるがんと試験の結果、血管に関わる副作用と手術の間隔、がんが進んだあとも続ける使い方、効かなくなったあとの道を順に整理します。

アバスチンとは、どんな薬ですか?

がん細胞ではなく、がんに栄養を運ぶ血管を標的にする分子標的薬です。VEGFという物質に結びつき、新しい血管ができるのを抑えます。

がんが大きくなるには、周りから新しい血管を引き込む必要があります。その合図の1つが、血管内皮増殖因子(VEGF)という物質です。PMDAの審査報告書は、ベバシズマブを「ヒトVEGFに対する」ヒト化モノクローナル抗体とし、VEGFが受容体に結びつくのを妨げることで、血管新生(新しい血管ができること)を抑えると説明しています(PMDA アバスチン 審査報告書 2026年)。

がん細胞そのものを攻撃する抗がん薬とは働く場所が違うため、多くの使い方で抗がん薬と組み合わせます。分子標的薬という分類全体と、抗がん薬との違いは分子標的薬とはの記事で説明しています。日本では2007年4月に大腸がんで承認され、その後、使えるがんが増えてきました。

量は体重1kgあたりで決まり、点滴の時間は初回が90分です。問題がなければ2回目は60分、3回目以降は30分まで短くできます(アバスチン 電子添文 2026年6月改訂)。

バイオシミラー(ベバシズマブBS)とは何ですか?

アバスチンと同じ成分の薬を、別の会社が品質と効果の同等性を確かめてつくったものです。日本では4製品があり、薬価はアバスチンより低く設定されています。

アバスチンのような、生き物の細胞を使ってつくる薬(バイオ医薬品)を、特許が切れたあとに別の会社がつくったものをバイオシミラー(バイオ後続品)といいます。国立医薬品食品衛生研究所の2026年1月30日の資料では、ベバシズマブのバイオシミラーは次の4製品です(国立医薬品食品衛生研究所「バイオシミラー最新情報集 ベバシズマブ」2026年)。

  • ベバシズマブBS点滴静注「ファイザー」
  • ベバシズマブBS点滴静注「アムジェン」(旧「第一三共」)
  • ベバシズマブBS点滴静注「日医工」
  • ベバシズマブBS点滴静注「CTNK」(日本化薬)

同等かどうかは、すべてのがんで試験をして確かめるわけではありません。たとえば「ファイザー」の製品は、扁平上皮がんを除く非小細胞肺がんの人でアバスチンと比べる試験を行い、がんが一定以上縮んだ人の割合は45.3%と44.6%で、あらかじめ決めた同等の範囲に入りました。大腸がんの試験は行われていませんが、この結果と作用の仕組みが同じことなどから、大腸がんへの使用が認められています(PMDA ベバシズマブBS「ファイザー」審査報告書 2019年)。

そのため、バイオシミラーで認められている使い方は、製品ごとに異なり、アバスチンと全部同じとは限りません。2026年6月にアバスチンに加わった神経線維腫症2型も、アバスチンだけの効能です。バイオシミラーに切り替えられるかは、そのがんの効能がその製品にあるかで決まります。

400mg1瓶の薬価は、アバスチン56,525円、ベバシズマブBS「ファイザー」22,130円で、バイオシミラーはおよそ4割です(厚生労働省「薬価基準収載品目リスト」)。薬の種類ごとの薬代と自己負担の目安は、抗がん剤の費用の記事にまとめています。

アバスチンは、どのがんに使われますか?

大腸がん、扁平上皮がんを除く非小細胞肺がん、乳がん、悪性神経膠腫、卵巣がん、子宮頸がん、肝細胞がんの7つです。2026年6月には、がんではない神経線維腫症2型が加わりました。

電子添文に載っている効能と、組み合わせる薬、量と間隔を並べます。量はすべて体重1kgあたりです。

対象 承認の時期 使い方(電子添文)
大腸(結腸・直腸)がん 2007年4月 治癒切除できない進行・再発のがん。抗がん薬と併用し、5mgか10mgを2週間以上、または7.5mgを3週間以上の間隔で
非小細胞肺がん 2009年11月 扁平上皮がんを除く、切除できない進行・再発のがん。抗がん薬と併用し、15mgを3週間以上の間隔で
乳がん 2011年9月 手術できない、または再発したがん。パクリタキセルと併用し、10mgを2週間以上の間隔で
悪性神経膠腫 2013年6月 10mgを2週間間隔、または15mgを3週間間隔で
卵巣がん 2013年11月 FIGO分類のⅢ期以上。抗がん薬と併用し、10mgを2週間間隔、または15mgを3週間間隔で
子宮頸がん 2016年5月 進行または再発のがん。抗がん薬と併用し、15mgを3週間以上の間隔で
肝細胞がん 2020年9月 切除できないがん。アテゾリズマブと併用し、15mgを3週間以上の間隔で
神経線維腫症2型 2026年6月 5mgを2週間間隔で

出典:アバスチン電子添文(2026年6月改訂)、PMDA 審査報告書(2026年)をもとに作成

電子添文は、大腸がんと非小細胞肺がんでは手術のあとの術後補助療法で、乳がんでは手術のあとの薬物療法で、有効性と安全性は確認されていないとしています。使われるのは、進行・再発したがんが中心です。卵巣がんでは、カルボプラチンとパクリタキセルとの併用を終えたあとも、アバスチンだけを続けるよう定められています。

神経線維腫症2型は、内耳の神経にできる良性の腫瘍(前庭神経鞘腫)が対象です。国内の62人を対象にした試験では、主要評価項目の聞き取りの改善に統計的な差は出ませんでしたが、PMDAは腫瘍の縮小などの結果を合わせて有効性は示されたと判断しました(PMDA 審査報告書 2026年)。

アバスチンを加えると、どのくらい効きますか?

全生存期間が延びたのは大腸がん、非小細胞肺がん、子宮頸がん、肝細胞がんなどの試験です。乳がん、卵巣がん、膠芽腫では、がんが進むまでの期間は延びても、全生存期間の差は確かめられませんでした。

臨床試験の効果は、主に2つの物差しで測ります。がんが大きくならずに過ごせた期間を表す無増悪生存期間と、治療を始めてから亡くなるまでの期間を表す全生存期間です。アバスチンでは、この2つの結果がそろわない試験が目立ちます。電子添文に載っている主な比較試験を並べます。

がん(試験) 比べたもの 無増悪生存期間 全生存期間
大腸がん・最初の治療(AVF2107g) IFL療法にアバスチンを加えるか(813人) 10.58か月と6.28か月 20.37か月と15.80か月(ハザード比0.714)
大腸がん・最初の治療(NO16966) オキサリプラチンを含む抗がん薬に加えるか(1,400人) 9.36か月と8.02か月 21.22か月と19.91か月(統計的な差なし)
大腸がん・2番目の治療(E3200) FOLFOX4療法に加えるか(585人) 7.5か月と4.5か月 13.0か月と10.8か月(ハザード比0.751)
非小細胞肺がん(E4599) カルボプラチン+パクリタキセルに加えるか(850人) 6.2か月と4.5か月 12.3か月と10.3か月(ハザード比0.79)
乳がん(E2100) パクリタキセルに加えるか(722人) 11.3か月と5.8か月 26.5か月と24.8か月(統計的な差なし)
卵巣がん・最初の治療(GOG-0218) カルボプラチン+パクリタキセルに加え、その後も続けるか 14.1か月と10.4か月 43.8か月と40.6か月(統計的な差なし)
子宮頸がん(GOG-0240) 抗がん薬に加えるか(452人) 電子添文に記載なし 16.8か月と12.9か月(ハザード比0.74)
膠芽腫・診断されたばかり(BO21990) 放射線とテモゾロミドに加えるか 10.6か月と6.2か月 16.8か月と16.7か月(統計的な差なし)
肝細胞がん(IMbrave150) アテゾリズマブと併用する治療と、ソラフェニブ(501人) 6.8か月と4.3か月 併用の群は中央値に届かず、ソラフェニブの群13.2か月(ハザード比0.58)

出典:アバスチン電子添文(2026年6月改訂)の臨床成績をもとに作成。数字は中央値で、アバスチンを使った群が先。ハザード比は1より小さいほど、アバスチンを使った群で死亡のリスクが低いことを示す

差が出るかどうかは、がんの種類だけでなく、組み合わせた抗がん薬によっても変わります。大腸がんの最初の治療では、IFL療法に加えた試験で全生存期間が延びた一方、オキサリプラチンを含む抗がん薬に加えたNO16966試験では、無増悪生存期間は延びたものの、全生存期間の差は統計的に確かめられませんでした。

乳がんについて、日本の電子添文は「延命効果は示されていない」と明記し、HER2とホルモン受容体の状況を踏まえて使うかどうかを考えるよう求めています。米国では、食品医薬品局(FDA)が2011年11月18日に、乳がんへの承認を取り消しました(Sasich LD, et al. Saudi Pharm J 2012)。日本では、承認は続いています。

肝細胞がんでは、免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブ(テセントリク)と組み合わせ、ソラフェニブと比べた試験で全生存期間が延びました(ハザード比0.58、95%信頼区間0.42〜0.79)。この仕組みの薬については、免疫チェックポイント阻害薬とはの記事で説明しています。

全生存期間に差がなくても、無増悪生存期間が延びれば、がんが大きくならない期間は延びています。ただ、その期間も点滴と副作用は続きます。どちらの物差しで効果が確かめられた使い方なのかは、使う前に主治医に確かめられることの1つです。

アバスチンに特有の副作用は、何ですか?

血管に働く薬のため、高血圧、尿たんぱく、出血、消化管に穴があく消化管穿孔、傷の治りの遅れ、血栓などが起こることがあります。

アバスチンは多くの場合、抗がん薬と一緒に使うため、吐き気や脱毛、白血球の減少などは、組み合わせる抗がん薬の副作用としても現れます。アバスチンで特に注意されているのは、血管に関わる副作用です。電子添文の記載を並べます。

副作用 電子添文の頻度 電子添文の注意
高血圧 18.2% 投与期間中は血圧を定期的に測る。高血圧性脳症・高血圧性クリーゼの報告もある(頻度不明)
尿たんぱく 10.5%(ネフローゼ症候群は0.1%未満) 投与期間中は尿たんぱくを調べることが望ましい
出血 19.3%(鼻出血15.0%、消化管出血1.9%、肺出血1.2%、脳出血0.1%) 肺出血(喀血)が出たら中止し、再び使わない
消化管穿孔 0.9% 死亡例の報告がある。診断されたら中止し、再び使わない
傷の治りの遅れ(創傷治癒遅延) 傷が開く0.5%、手術のあとの出血0.4% 手術との間隔をあける(次の節)
血栓塞栓症 脳梗塞0.2%、深部静脈血栓症0.2%、肺塞栓症0.1%など 動脈と静脈の両方に起こる
ショック・アナフィラキシー 1.9% 点滴中や点滴のあとに起こることがある

出典:アバスチン電子添文(2026年6月改訂)の警告、重要な基本的注意、副作用の記載をもとに作成

頻度は低くても、消化管穿孔は命に関わることがあり、急な激しい腹痛はすぐに病院へ連絡する症状です。血栓は、片方の足のむくみや痛み、急な息切れや胸の痛み、ろれつが回らない、手足に力が入らないといった症状で気づくことがあります。血圧は、自宅で測る数値も診察で役に立ちます。

アバスチンを使っている間に手術をするときは、どのくらい間をあけますか?

電子添文は日数を決めておらず、最後の投与から手術まで「十分な期間」をおくよう求めています。手術のあとに始める場合は、大きな手術から28日以内に使った経験はないとされています。

アバスチンを使っていると、傷が治りにくくなり、傷が開くなどの合併症が起こることがあります。電子添文は、投与を終えてから手術をする場合は十分な期間をおくこととし、最後の投与から手術までの適切な間隔は明らかになっていないので、薬の半減期を考えて決めるよう求めています(アバスチン 電子添文 2026年6月改訂)。大腸がんの人で測った消失半減期は、量によって約12〜13日でした。

手術のあとに使い始める場合については、臨床試験では大きな手術から28日たっていない人には使われておらず、大きな手術の傷が治っていない人には、利益が危険を上回る場合を除いて使わないとされています。「28日」は試験に入れる条件で、手術の前に何日あけるかの決まりではありません。

実際に何日あけるかは、手術の大きさと最後に使った日をもとに、主治医と手術をする医師が決めます。歯を抜くなど出血を伴う処置の前にも、アバスチンを使っていることを伝える必要があります。手術の前の準備全般は、がんの手術前に準備することの記事にまとめています。

アバスチンは、いつまで続けますか?

電子添文の用法には、投与期間の上限は書かれていません。進行・再発したがんでは効いている間は続けるのが基本で、大腸がんでは、がんが進んだあとも抗がん薬を替えてアバスチンを続ける使い方があります。

効いているかどうかは、CTなどの画像で定期的に確かめます。判定の流れは抗がん剤の効果判定の記事で扱っています。がんが大きくなったときは、組み合わせている薬ごと替えるのが一般的な考え方ですが、大腸がんでは別の使い方が試験で確かめられています。

最初の治療でアバスチンと抗がん薬を使い、アバスチンを終えてから3か月以内にがんが進んだ大腸がんの820人を、2番目の抗がん薬にアバスチンを加える群と、抗がん薬だけの群に分けたML18147試験では、全生存期間の中央値は11.2か月と9.8か月で、続けた群が上回りました(ハザード比0.81、95%信頼区間0.69〜0.94)。無増悪生存期間は5.7か月と4.1か月でした(Bennouna J, et al. Lancet Oncol 2013)。抗がん薬だけを替えて、血管を抑える働きは続けるという使い方です。

がんが進んだあとも続けて延びた幅

ML18147試験で延びた全生存期間の中央値は1.4か月です。続けた群では、重い(グレード3以上の)出血が2%と1%未満、消化管穿孔が2%と1%未満、静脈の血栓が5%と3%で、いずれもやや多くみられました。試験は、どちらの治療を受けているか本人も医師もわかる形で行われています(Bennouna J, et al. 2013)。

一方、卵巣がんの最初の治療を調べた試験では、アバスチンを使う期間があらかじめ決められていました。決められた期間で終えたあとの経過について、日本の研究グループが、公表された7つの比較試験のデータを解析した報告があります。

それによると、ICON7試験の745人の解析では、アバスチンを使っている間はがんの進行が抑えられていた一方、決められた期間で終えたあとは、使わなかった群より進行しやすい時期がありました。進行するまで続けた再発がんの試験では、こうした反動はみられませんでした(Takamatsu S, et al. JAMA Netw Open 2023)。

やめどきの研究が届いている段階

この研究は、公表された結果をあとから読み直した解析で、期間を決めて終える群と進行まで続ける群をくじで分けて比べたものではありません。終えたあとの反動は、漿液性という種類の卵巣がんでみられ、それ以外の種類ではみられませんでした。いつまで続けるかを決める根拠としては、まだ1つの報告です。

アバスチンが効かなくなったら、どうなりますか?

がんの種類ごとのガイドラインにそって次の治療に移るのが基本です。標準治療を終えた場合は、遺伝子パネル検査や治験という道もあります。

次に何を使うかは、がんの種類と、それまでに使った薬、がんの遺伝子の検査結果によって変わります。大腸がんで使われる薬と治療の流れは、大腸がんステージ4の記事で扱っています。

使える標準治療を使い切った固形がんの人には、がんの遺伝子をまとめて調べる検査が保険で認められる場合があります。その流れと、検査で薬が見つかる割合はがん遺伝子パネル検査とは、新しい薬を試験として受ける方法はがんの治験に参加するには、治療をやめる判断は抗がん剤のやめどきの記事で扱っています。

保険診療の外にある選択肢の1つとして、当院で実施するトラローム療法(高用量フアイア顆粒内服療法)で用いる生薬フアイアがあります。生薬フアイアは、1,000例規模のランダム化大規模臨床試験を生存率で勝ち抜き、米国臨床腫瘍学会が定めるエビデンスレベル最高位の抗がんエビデンスを獲得しました(Chen Q, et al. Gut 2018)。トラローム療法は、本邦では保険診療の対象外です。

1.7か月

乳がんのE2100試験で、アバスチンを加えた群と加えなかった群の全生存期間(中央値)の差です。
無増悪生存期間はほぼ2倍(5.8か月から11.3か月)に延びましたが、全生存期間の差は統計的に確かめられず、日本の電子添文は乳がんについて「延命効果は示されていない」と書いています。

出典:アバスチン電子添文(2026年6月改訂)臨床成績

新見正則医院院長 新見正則

監修

新見正則(にいみ まさのり)

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年、英国オックスフォード大学にて移植免疫学の医学博士(Doctor of Philosophy)取得。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。外科医、免疫学者、漢方医として臨床と研究の両方に携わる。

日本外科学会 外科専門医・指導医/日本消化器外科学会 消化器外科指導医/日本東洋医学会 漢方専門医/アメリカ外科学会フェロー(FACS)

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血管を抑える薬も抗がん薬も使い終え、次の治療がないと告げられる場面があります。そのとき何が残っているのかを、新見正則がブログで書いています。

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「抗がん剤は終わった」「緩和医療に行け」と言われたあとに、患者さんと家族が考えられることを、院長の立場から述べたブログです。

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よくある質問

Qアバスチンは、どのがんに使われますか?

2026年11月時点で、治癒切除できない進行・再発の大腸がん、扁平上皮がんを除く進行・再発の非小細胞肺がん、手術できない・再発した乳がん、悪性神経膠腫、卵巣がん、進行・再発の子宮頸がん、切除できない肝細胞がんの7つです。2026年6月に、がんではない神経線維腫症2型が加わりました。

Qアバスチンとバイオシミラーは、何が違いますか?

同じ成分の薬を、別の会社が同等性を確かめてつくったのがバイオシミラー(ベバシズマブBS)で、日本では4製品があります。400mg1瓶の薬価はアバスチン56,525円に対し、ベバシズマブBS「ファイザー」は22,130円です。認められている効能は製品ごとに異なり、アバスチンと全部同じとは限りません。

Qアバスチンの副作用で、特に注意するものは何ですか?

血管に関わる副作用で、高血圧(18.2%)、尿たんぱく(10.5%)、鼻血などの出血、消化管穿孔(0.9%)、傷の治りの遅れ、血栓などです。消化管穿孔と診断された場合は中止し、再び使わないと電子添文に定められています。

Qアバスチンを使っていても、手術はできますか?

電子添文は日数を決めておらず、最後の投与から手術まで、薬の半減期を考えて十分な期間をおくよう求めています。手術のあとに使い始める場合、臨床試験では大きな手術から28日たっていない人には使われていません。

Qアバスチンは、がんが進んだあとも続けることがありますか?

大腸がんでは、最初の治療で使ったあとにがんが進んでも、抗がん薬を替えてアバスチンを続ける使い方があります。ML18147試験では、全生存期間の中央値が11.2か月と9.8か月で、続けた群が上回りました。

参考文献

  1. 中外製薬「アバスチン点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL 電子添文」(2026年6月改訂 第7版)
    https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/450045_4291413A1022_1_27
  2. 医薬品医療機器総合機構「アバスチン点滴静注用 審査報告書(神経線維腫症2型)」(2026年)
    https://www.pmda.go.jp/drugs/2026/P20260617001/450045000_21900AMX00910_A100_1.pdf
  3. 医薬品医療機器総合機構「ベバシズマブBS点滴静注「ファイザー」審査報告書」(2019年4月3日)
    https://www.pmda.go.jp/drugs/2019/P20190524001/671450000_30100AMX00023_A100_2.pdf
  4. 国立医薬品食品衛生研究所「バイオシミラー最新情報集 概要 ベバシズマブ」(2026年1月30日)
    https://www.nihs.go.jp/dbcb/purplebook/概要_ベバシズマブ.pdf
  5. 厚生労働省「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」(2026年度)
    https://www.mhlw.go.jp/topics/2026/04/tp20260401-01.html
  6. Bennouna J, Sastre J, Arnold D, et al. Continuation of bevacizumab after first progression in metastatic colorectal cancer (ML18147): a randomised phase 3 trial. Lancet Oncol. 2013;14(1):29-37.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23168366/
  7. Takamatsu S, Nakai H, Yamaguchi K, et al. Time-Dependent Changes in Risk of Progression During Use of Bevacizumab for Ovarian Cancer. JAMA Netw Open. 2023;6(8):e2326834. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.26834
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37531111/
  8. Sasich LD, Sukkari SR. The US FDAs withdrawal of the breast cancer indication for Avastin (bevacizumab). Saudi Pharm J. 2012;20(4):381-385.
    https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3744967/
  9. Chen Q, et al. Gut. 2018;67(11):2006-2016. doi:10.1136/gutjnl-2018-315983
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29802174/

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