頭頸部がん(口腔がん/咽頭がん/喉頭がん/鼻・副鼻腔がん/唾液腺がん/甲状腺がんなど)に漢方薬や生薬は?

頭頸部がんなんですね。治療は進歩しました。

私が医師になった当時、約40年前は、頭頸部がんの多くは不治の病でした。当時の抗がん剤はほぼ無効で、手術治療のみが一縷の望みを繋ぐ手段でした。しかし、頭頸部は食事や呼吸の通路で手術が困難になり、また手術後には美容的な問題が生じます。形成外科も発展途上でした。喉頭全摘をすれば発声ができなくなります。

手術死亡は麻酔の進歩や手術手技の改良で激減しました。その後21世紀になり抗がん剤が進歩しました。また放射線治療も進歩し、病巣部分のみに上手に放射線を集中することが可能になりました。拡大手術で予後の改善を期待するよりも、手術は適切な範囲のみを行い、手術後または手術前の放射線治療や抗がん剤投与で予後が改善することが解ってきました。

ロボット支援手術も導入され、術野が小さくても大きな視野で、そして狭い空間でも自在に動くロボットアームのお陰でいままででは不可能であった手術も可能になりました。

そして頭頸部がんは不治の病から、長生きできる可能性があるがんになりました。

頭頸部がんの中で、甲状腺がんは症例数も多く、予後もほとんどの甲状腺がんでは悪くありません。甲状腺の乳頭がんでは、敢えてがんと解っていても無治療で経過を観ること(アクティブサーベイランス)もすくなくありません。しかし、がんと知って無治療で過ごすことに抵抗がある方は手術を選択しましょう。甲状腺がんの手術は、以前は首に手術創ができて患者さんはマフラーやスカーフで創を隠していました。内視鏡手術が進歩し、甲状腺がんも脇の下から内視鏡で摘出可能になりました。つまり首に創は一切なく、脇の下にのみ小さな創が残るだけで手術が可能になったのです。なんと、この世界初の症例報告は同僚の池田佳史先生と私が2001年に行いました(J Surg Endosc 2001)。

頭頸部がんは今でも難治なものも

頭頸部がんには、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、鼻・副鼻腔がん、唾液腺がん、甲状腺がんなどがあります。がんは発生場所により、また組織型により、そして浸潤の程度、転移の有無などで治療方法が異なります。そして発生頻度が低いがんが多く、頭頸部がんの多くは希少がん(10万人当たりの罹患率が6人未満)に属します。

希少がんでは患者数が少ないために大規模臨床試験はおろか、症例数が少ない臨床試験でさえ行うことができず、治療方法はコンセンサスガイドライン(経験がある専門家の意見の集約)に依らざるを得ません。

そんな頭頸部がんを根治するには、また共存して長く生き抜くには、免疫力をアップすることを可能な限り並行して行うことが大切です。

いろいろな治療を組み合わせましょう

手術が可能でも手術を行わずに、放射線治療や抗がん剤による治療を行うこともあります。それは失うものと御利益のバランスで決めましょう。発声の維持や美容的な状態は相当大切な価値観です。ですから、治療方針の選択はご本人の人生観に依ることが多いと思います。

強度変調放射線治療(IMRT)の登場で、放射線を様々な方向からいろいろな強度で当てることが可能になり、正常組織の障害をできる限り少なくして病巣に放射線を当てることが可能になりました。頭頸部には脳、視神経、眼球など放射線照射を避けたい臓器や組織がありますから、障害範囲を最小限に抑えることが大切なのです。

また、重粒子腺や陽子線治療も一部の頭頸部がんでは保険適用されています。重粒子線や陽子線にはブラッグピークというものがあり、ある深さの部位のみに線量が集中されます。そしてそれより奥には重粒子線や陽子線は届かないのです。従来の放射線がライトや鉄砲のイメージで、重粒子線や陽子線はボールや手榴弾のイメージです。ライトは直線的に照射され、その照射部位に治療効果も障害も生じます。手榴弾は着地点周囲のみに治療効果や障害を及ぼします。

最近は、ホウ素中性子捕捉療法 (BNCT, Boron Neutron Capture Therapy)も導入されています。ホウ素薬剤が腫瘍に集積し、そして生体内の元素の数千倍の核反応を中性子と起こすことを利用した治療です。ホウ素が集積した腫瘍に中性子を照射して病巣内に限局的な核反応を起こします。従来の放射線治療と比べて、はるかに大きな線量を腫瘍細胞のみに与えることができるので、これまで治療不可能であった病巣にも使用可能です。「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に保険適用が認められています。

また光免疫療法(アルミノックス治療)も頭頸部がんには認められています。「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」が保険適用病名です。がん細胞の表面に発現している分子(EGFR)に結合する抗体(セツキシマブ)に色素を結合させたものです。色素 (IR700) は波長690ナノメートルのレーザーを当てることで形を変える(活性化する)ものです。この薬剤を注射した後にレーザー光照射を行うことでレーザー光が届く部位にのみ抗腫瘍効果が出現します。

そしてどの治療を選ぶにしても、免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。

そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。

なんと生薬フアイアは明らかな抗がんエビデンスがあります。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。

肝臓がんの結果ですが、肝臓がんで有効な生薬フアイアは頭頸部がんにも有効だと推論が可能です。そして実際に新見正則医院では多くの頭頸部がんの患者さんが生薬フアイアを治療に加えて、主治医が予想した予後よりも相当長生きしています。

どんな治療にも併用可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。

新見正則医院にご連絡ください。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以外の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。

フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)


がんの例え話「雑草と土壌」
がんの例え話「雑草と土壌」2
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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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