血液がん(白血病/悪性リンパ腫/多発性骨髄腫など)に漢方薬や生薬は?

血液がんなんですね。治療は進歩しました。

私が医師になった当時、約40年前は、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液がんは不治の病でした。その後、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、無菌室、免疫抑制剤、コロニー刺激因子などの導入・開発で、血液がんに対する骨髄移植の成績が向上しました。その後、血液がんに有効な殺細胞性抗がん剤の使用方法も進歩しました。そして最近の10数年で分子標的薬や抗体薬などの新しい薬剤が次々と導入されました。

慢性骨髄性白血病の患者さんの95%以上にフィラデルフィア染色体が見つかります。これは9番と22番の染色体の組み替え異常(相互転座)です。それぞれの染色体にあるBCL遺伝子とABL遺伝子が融合したBCL-ABL融合遺伝子によって作られれチロシンキナーゼが増殖シグナルを出しています。これを抑制する分子標的薬(グリベックなど)が開発され、慢性骨髄性白血病の予後は劇的に改善しました。

骨髄移植として始まった造血幹細胞移植も進化しています。造血幹細胞の供給源は骨髄、末梢血、そして臍帯血が使用可能になりました。ドナーも血縁者と非血縁者が選べます。臍帯血は赤ちゃんと母胎を繋いでいる胎盤から得られるものですから非血縁者になります。ボランティアの非血縁者のドナーを集めたものが骨髄バンクです。

造血幹細胞移植のドナー候補が広がり採取方法が進歩し、拒絶反応が生じ難い(成功率の高い)ドナーの選択が可能になりました。造血幹細胞移植は組織適合性抗原(HLA)が一致しているほど成功率が高いのです。HLAの完全一致で行われても、HLA以外の抗原が異なるので拒絶反応が生じますが、HLA不一致よりも拒絶反応が遙かに少ないのです。

最近は組織適合性抗原が一部不一致、または半数が不一致の造血幹細胞移植の成功率も高まっています。組織適合性抗原は遺伝子の一部ですから親子であれば半数は一致するのです。

血液がんでは殺細胞性抗がん剤によって血液がんの量は相当抑え込むことが可能になりましたが、抗がん剤治療から生き残ったほんの僅かに残存しているがん細胞への対処によって、再発するか、緩解状態を維持できるかが決まります。従来は地固め療法と称して、そんな僅かに残存していると思われる血液がん細胞に対応していました。

また、別の方法は自分の免疫細胞やドナーから移植された免疫細胞によってがん細胞を退治することです。造血幹細胞移植では移植されたリンパ球が残っているがん細胞を退治することが期待されています。それは移植片(グラフト)である免疫細胞が宿主(ホスト)のがん細胞を退治するのでGVH反応 (Graft versus Host 反応)と言われます。

また、リンパ球ががん細胞を退治しやすくするようにリンパ球をアフェレーシスにて体から取り出し、米国に送って人為的にリンパ球に遺伝子工学的な細工をして、再び患者さんに戻す治療(CAR-T療法)も一部の疾患では保険適用になっています。数千万円が必要な治療ですが、保険適用されていれば、そして高額療養費制度を利用すれば、極めて僅かな負担で済みます。再発・難治性の急性リンパ性白血病、大細胞型リンパ腫および一部の濾胞性リンパ腫、多発性骨髄腫などが保険適用になっています。

また、リンパ球とがん細胞の両方を認識する二重特異性抗体も作製され、一部保険適用されています。抗体に抗がん剤を繋げた抗体薬剤複合体の開発も進んでいます。リンパ球による抗がん作用の免疫力の増強を期待する作戦です。

外科医x免疫学者x漢方医というレアな存在で実臨床を行い、このブログを書いています。多くのがんは私の外科医の経験をもとに書かれていますが、血液がんは私の免疫学者としての経験が生かされています。1993年から5年間、英国オックスフォード大学大学院で移植免疫学を学びました。その後も、大学の博士課程で外科学、移植免疫学、東洋医学の3講座の指導教授を長くやりました。移植免疫学ではマウスの心臓移植というモデルを用いていましたが、いつも造血幹細胞移植移植の論文や実臨床は大切なターゲットでした。

そんな移植免疫学者の目からみても、この10年の血液がん治療の進歩は素晴らしいのです。血液がんは不治の病から、長生きできる可能性があるがんになりました。

血液がんは今でも難治

しかし、他のがん治療も血液がんと同じように進歩しています。乳がん、胃がん、大腸がん、前立腺がんなどと比較すると、血液がんは予後の悪いがんと今でも認識されています。消化器がんの手術を多数行った私の目線から、血液がんは、膵臓がん、肝臓がん、肺がんと同じく、ちょっと手強いがんです。造血幹細胞移植による死亡率は、ザックリと以前は30%前後でしたが、最近は10%近くになっています。しかし、100%安全な治療ではありません。死亡するリスクを織り込んで長生きできる可能性に賭けるのか、リスクのある治療を避けて確かな延命を期待するのかは本人の人生観にかかっています。

そんな血液がんの根治や緩解維持、または共存して長く生き抜くには、免疫力をアップすることを可能な限り並行して行うことが大切です。

いろいろな治療を組み合わせましょう

造血幹細胞移植が可能なら選択肢に加えましょう。しかし、ガイドラインには一応年齢制限が記載されています。65歳未満が適応です。しかし、この暦年齢はひとつの目安で、80歳代でも造血幹細胞移植を行って、緩解に至った症例は報告されています。65歳を越えると造血幹細胞移植を行ったことで死亡する可能性が年齢とともに高まるのです。

ですから、慢性リンパ性白血病では敢えて治療を行わずに経過を診るアクティブサーベイランス(積極的経過観察)も選択されることがすくなくありません。また急性骨髄性白血病でも進行が遅い症例では造血幹細胞移植や抗がん剤治療は行わずに、アクティブサーベイランスが選択されることもあります。リンパ腫や多発骨髄腫でも敢えて治療を行わずに経過を観ることが得策と考えられることもあります。

年齢や合併疾患を考慮して、イチかバチの造血幹細胞移植を行うよりも、免疫力を温存して経過を観るという選択肢も存在するのです。どれを選ぶかは、最終的には患者さんの人生観によります。

どんな治療を選択するにしても、免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。

そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。

なんと生薬フアイアは明らかな抗がんエビデンスがあります。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。

肝臓がんの結果ですが、血液がんと同じように難治のがんに分類される肝臓がんで有効な生薬フアイアは血液がんにも有効だと推論が可能です。そして実際に新見正則医院では多くの血液がんの患者さんが生薬フアイアを治療に加えて、主治医が予想した予後よりも相当長生きしています。

どんな治療にも併用可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。

新見正則医院にご連絡ください。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以外の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。

フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)


がんの例え話「雑草と土壌」
がんの例え話「雑草と土壌」2
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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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