婦人科がん(子宮頚がん/子宮体がん/卵巣がん/卵管がん/腹膜がん/膣がん/外陰がんなど)に漢方薬や生薬は?

婦人科がんなんですね。治療は進歩しました。

私が医師になった当時、約40年前は、婦人科がんを含めて固形がんも血液がんも不治の病でした。当時の抗がん剤はほぼ無効で、手術治療のみが一縷の望みを繋ぐ手段でした。

婦人科の手術には再建が不要なために、比較的大きな手術も消化器がんの手術に比べると安全に行われていました。再建とは解剖学的ルートに手術的処置を加えると生命維持に不可避な損傷が生じる時に代替ルートを作ることです。胃や腸を切除すれば、食物が通るルートを作り直さないと生きていけません。膵頭部の手術などは複雑な再建が必要です。それに比べると婦人科がんの手術は切除のみで終わることが多いということです。婦人科がんの手術は基本的に再建がないので、比較的大きな手術も安全に施行されていました。そして婦人科がんの手術後には大血管周囲のリンパ節を摘出するため下肢のリンパ浮腫が高頻度に生じました。

消化器外科の専門医で、かつ血管外科の専門医でもあった私は動脈や静脈侵襲がある進行がんで拡大手術が必要なときはしばしば手術に呼ばれて、動脈や静脈の処置を行いました。しかし、次第に拡大手術だけでは生存率の向上には限界があると専門家の中では思われてきました。

また、外陰がん、膣がん、腹膜がんなどは希少がんになります。希少がんとは10万人当たりの罹患率が6人未満のがんです。希少がんでは子宮頚がん、子宮体がん、卵巣がんのように患者数が多くありません。ですから大規模臨床試験の施行は難しく、エビデンスに基づいた治療選択には限界があります。そんな時は治療経験の豊富な専門家の意見を集約したコンセンサスガイドラインが治療指針のひとつになります。問題は、その専門家の経験が本当に正しいかの確認はすぐには難しく、後日、治療成績が報告されて、その治療の妥当性が証明されます。実際の結果に基づいて行われる研究はリアルワールドスタディーと呼ばれます。

いろいろな治療方法が開発され、そして保険適用されて、婦人科がんは不治の病から、長生きできる可能性があるがんになりました。

進行婦人科がんは今でも難治

他のがん治療も婦人科がんと同じように進歩しています。乳がん、胃がん、大腸がん、前立腺がんなどと比較すると、ザックリとした印象で同程度と思われている婦人科がんですが、進行した婦人科がんの予後は悪いと認識されています。婦人科がんに限らず早期に見つかるがんは治療後の予後が良いことが知られています。

婦人科がんの抗がん剤治療のスタンダードはTC療法です。TC療法とはパクリタキセルとカルボプラチンです。ともに殺細胞性抗がん剤ですが、最近では分子標的薬であるベバシズマブ(アバスチン)が頻用されています。ベバシズマブは血管新生阻害作用がある分子標的薬剤です。ホルモン療法も子宮体がんでは保険適用になっています。また放射線治療は子宮体がんや卵巣がんにはあまり有効ではありません。

免疫チェックポイント阻害剤もようやく婦人科がんの一部(子宮体がん)で保険適用となりました。

腹膜がんは「ステージ4の末期のがん」と認識されることがありますが、実はそれほど予後不良ではなく、手術と抗がん剤の併用での長期生存例は多数あります。腹膜がんの多くは卵巣がんの延長で、卵巣の腫瘍が腹膜にこぼれ出ているイメージなのです。ですから、一般的ながんの腹膜播種(腹膜転移)とは異なり、実は予後がそれほど悪くないのです。

化学療法は減量や延期をなるべく行わないことが治療成績を上げるためには必要と言われますが、ガイドラインに沿った治療だけを行う医師は「ヤブ」だと私は思っています。諸般の事情を考慮して、臨機応変に患者さんの人生観の変化にも対応できる主治医が最高です。

そんな婦人科がんを根治するには、また共存して長く生き抜くには、免疫力をアップすることを可能な限り並行して行うことが大切です。

婦人科がんで遺伝するものは?

婦人科がんで遺伝子が確認されているものは卵巣がん、卵管がん、腹膜がんの一部で、この3つはBRCAという遺伝子変異の検査が保険適用されています。遺伝子検査を受けるときは、もしも遺伝子検査が陽性の時のために、遺伝子カウンセリングの用意がある施設で受けることを強くお勧めします。PARP阻害剤は遺伝子の修復を妨げるもので細胞死を誘導できるためにある種のがんには有効です。そして婦人科がんの保険適用として「BRCA 遺伝子変異陽性の卵巣癌における初回化学療法後の維持療法」が保険収載されました。

BRCAを含む遺伝子異常を一括して調べる検査は遺伝子パネル検査と呼ばれます。この遺伝子パネル検査を行って有効な薬物を探す方法も模索されていますが、現状では婦人科がんの約10%の患者さんに有効な薬剤が見つかります。

AYA世代の婦人科がんには 〜妊孕性を大切に〜

AYA世代(Adolescent and Young Adult、思春期から30歳代まで)の人に起こる婦人科がんで多数を占めるものは子宮頸がんです。子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPVウイルス)感染で発症すると言われており、HPVワクチンが子宮頸がんの発症を抑えることが解っています。ワクチンに抵抗がない方にはHPVワクチンの接種は強くお勧めです。またオーストラリアやニュージーランドでは男子にもHPVワクチンを接種しており、子宮頸がんは激減し撲滅が可能と推測されています。

また、AYA世代に発症する卵巣胚細胞性腫瘍は手術と化学療法で根治が可能です。

そしてAYA世代の人が婦人科がんになった場合は、妊孕性に留意することが大切です。卵巣は卵子の貯蔵庫で、子宮は受精卵が育って胎児を育む場所です。婦人科がんでは子宮や卵巣が手術により摘出されたり、抗がん剤や放射線治療で障害を受けます。まず、妊孕性の維持のためには受精卵の凍結を行いましょう。パートナーが決まっていれば受精卵の凍結、パートナーが決まっていない時には未受精卵の凍結を行います。未受精卵の凍結は、以前は解凍後の成績が受精卵凍結に比べて悪かったのですが、いろいろな技術が進歩し、ほぼ遜色ないほど改善しました。子宮を摘出した場合には、第三者の子宮を借りて出産する方法も可能で、日本国外では行われていますが、現在本邦では施行されていません。

私が同級生の不妊治療のクリニックのお手伝いを数年間行った経験から、婦人科がんや不妊症の治療には相当詳しくなりました。

いろいろな治療を組み合わせましょう

手術が可能なら手術を行ってがんを肉眼的に取り切る努力をしましょう。しかし、手術できる範囲を越えてがんが広がっている場合や、すでに遠隔転移がある場合は、昔のように大きな手術をイチかバチか行うよりも、免疫力を温存して、抗がん剤を使用したり放射線治療を併用した方が長生きできるようになったのです。拡大手術は侵襲が高く、手術時間も長くなるので、免疫力が相当低下するのです。免疫力の低下はがんの進行を早めます。抗がん剤が進歩した今日、イチかバチかの手術は敬遠される傾向にあります。ですから、手術ができないと言われてもガッカリしないでください。進歩した抗がん剤治療に期待しましょう。

そして、免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。

そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。

なんと生薬フアイアは明らかな抗がんエビデンスがあります。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29802174/

肝臓がんの結果ですが、進行婦人科がんと同じように難治のがんに分類される肝臓がんで有効な生薬フアイアは婦人科がんにも有効だと推論が可能です。そして実際に新見正則医院では多くの婦人科がんの患者さんが生薬フアイアを治療に加えて、主治医が予想した予後よりも相当長生きしています。

どんな治療にも併用可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。

新見正則医院にご連絡ください。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。

フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)


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がんの例え話「雑草と土壌」2
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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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