食道がんに漢方薬や生薬は?

食道がんなんですね。治療は進歩しました。

私が医師になった当時、約40年前は、食道がんは不治の病でした。当時の抗がん剤はほぼ無効で、手術治療のみが一縷の望みを繋ぐ手段でした。そして拡大手術が行われ、手術のみで5年生存する患者さんがボツボツと登場する時代でした。食道がん治療の幕開けの時代だったのです。

そして手術死亡は麻酔の進歩や手術手技の改良で激減しました。食道がんの手術も安全に行われるようになったのです。21世紀になり抗がん剤が進歩し、放射線治療の器械も改良され精度を増しました。拡大手術で予後の改善を期待するよりも、手術は患者さんの耐術能を十分に考慮し必要で安全な方法で行い、放射線治療や手術後または手術前の抗がん剤投与で予後が改善することが解ってきました。手術と放射線治療、抗がん剤は食道がん治療の三本柱になりました。

そして、放射線治療と抗がん剤の併用が根治的化学放射線療法として地位が確立される時代になりました。食道がん診療ガイドラインは5年毎に改訂され、2022年のものでは内容が大きく代わりました。食道がんの手術と放射線治療がほぼ同程度の有効性と記載されたのです。

外科医を志した私は、何でもできる外科医になりたく慶應義塾大学の外科学教室で食道班を希望しました。ところが定員枠3人のところに4人が希望し、クジ引きとなり私が外れクジを引いて、第2希望の血管外科が所属班になりました。食道外科を希望した理由は、食道の手術では腹部の手術以外に胸部の手術も習得できるからでした。

第2希望の血管外科でしたが拡大手術しか根治を望める方法がない時代でしたから、いろいろな手術に呼ばれて動脈や静脈の処理を行いました。膵臓がんの門脈再建や肝臓がんの血管の処置、腎臓がんの心房腫瘍塞栓の対処、骨軟部腫瘍の血行再建などなどです。

しかし、食道がんを含めて拡大手術では予後の延長はあまり期待できないことが自ずと判明してきました。そして抗がん剤治療と放射線治療の進歩により、外科手術単独の時代は終了し、いろいろな治療を組み合わせる集学的治療の時代になりました。

そして、2022年の食道がん診療ガイドラインでは手術と放射線治療がほぼ同程度の有効性と記載されています。時代の変化を感じざるを得ません。食道がんの手術は胸の奥にある食道をほぼ全摘(亜全摘)し、そして胃や小腸を食道の代わりのルートとして使用します。そのルートも胸骨の前、胸骨の後ろ、従来の食道があった後縦隔などが選択可能でした。手術死亡を減らす努力が、そして術後のQOLを保つ努力が地道に行われていたのです。

放射線治療が手術とほぼ同等の有効性となると(実は手術が少々勝ります)、放射線治療を希望する患者さんが増えると思われます。喉頭全摘などが必要となると発声ができなくなりますが、放射線治療では食道も喉頭も温存されます。手術で再建された代用食道は自分の食道とはやはり異なります。少々の差異であれば、放射線治療を選ぶことが多くなると思います。外科医からするとちょっと寂しいようにも思われますが、時代の変遷を感じます。それが食道がん診療ガイドラインに載ったことは外科医にとっても患者さんにとっても本当にパラダイムシフトなのです。

食道がんは不治の病から、長生きできる可能性があるがんになりました。

食道がんは今でも難治

しかし、他のがん治療も食道がんと同じように進歩していますから、乳がん、胃がん、大腸がん、前立腺がんなどと比較すると、食道がんは予後の悪いがんと今でも認識されています。そんな食道がんを根治するには、また共存して長く生き抜くには、免疫力をアップすることを可能な限り並行して行うことが大切です。

いろいろな治療を組み合わせましょう

以前は、食道がんには抗がん剤は無効と思われていました。最近はある程度の進行食道がんでは手術前の抗がん剤治療(ネオアジュバンドと称します)が行われています。そして腫瘍が縮小してから手術や放射線治療が選択されます。手術をせず抗がん剤治療と放射線治療(根治的化学放射線療法)が行われることもあります。

内視鏡治療も進歩しましたから、早期の食道がんは内視鏡治療のみで切除もできます。しかし、内視鏡治療ではリンパ節の切除はできませんから、リンパ節転移が疑われる時には内視鏡治療は選択されません。またロボット支援手術も普及しています。胸部の狭い視野で行う従来型手術よりも、自由自在に動くロボットアームと拡大された三次元の画面はより安全な手術が可能とロボット支援手術の専門家は語っています。

抗がん剤は5-FUとシスプラチンが使用され、そこに必要に応じて免疫チェックポイント阻害剤のキイトルーダやオプジーボが追加されます。食道がんにも免疫力をアップさせる(免疫のブレーキを外す)抗体薬である免疫チェックポイント阻害剤が保険適用で使用可能になりました。免疫チェックポイント阻害剤であるオプジーボの保険適用は「食道癌における術後の補助療法」と「根治切除不能な進行・再発食道癌」です。

免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。

そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。

なんと生薬フアイアは明らかな抗がんエビデンスがあります。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。

肝臓がんの結果ですが、食道がんと同じように難治のがんに分類される肝臓がんで有効な生薬フアイアは食道がんにも有効だと推論が可能です。そして実際に新見正則医院では多くの食道がんの患者さんが生薬フアイアを治療に加えて、主治医が予想した予後よりも相当長生きしています。

どんな治療にも併用可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。

新見正則医院にご連絡ください。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。

フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)


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がんの例え話「雑草と土壌」2
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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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