夕方に起こる「倦怠感」予防と解消法は?抗がん剤治療中でも

夕方になると不調になることは多々あります。足がむくむこともそのひとつです。足のサイズにピッタリと合った革靴を購入するときは、朝に来店するとサイズが合わないことがあります。夕方には足がむくむからです。体の水分は重力に従って下に溜まる傾向があります。そんな足に溜まりやすい水分を上に戻す働きがふくらはぎの筋肉にあります。つまり歩行することが夕方の足の不調を回避するには最良の選択枝なのです。棒立ちが特に足のむくみには大敵で、歩行ができない環境では、すくなくともつま先立ちを繰り返すと夕方の足のむくみからは解放されます。

足のむくみを倦怠感として受け取る人もすくなくありません。倦怠感は日本語では「だるさ」とも表現されるので、足のむくみは、人によってはあしのだるさと同義語で、そうなると夕方の倦怠感として感じるという理屈です。そのほかのからだの部位では、頭の重さや頭痛、疲れ目、疲労感、気だるさ、やる気の喪失などがあります。

このように倦怠感は正確に定義することが難しく、人それぞれで倦怠感の受取方や表現方法が異なります。ですから対処方法も多岐にわたります。僕は把握が難しい不調に関しては、誰が行っても問題ないこと、誰にも勧めて喜ばれることを推奨しています。いわゆる免疫力(健康力)をアップする習慣で、①散歩、②日光欲、③バランスのよい食事(炭水化物を減らしてタンパク質を増やす)、④十分な睡眠、⑤ストレスを減らす(またはスルーする能力を鍛える)などです。

漢方薬でのイチオシは加味帰脾湯137です。漢方薬は薬局でも購入可能です。また、新型コロナ感染症のお陰で、遠隔診療が解禁されましたので、医療機関に出向くことなくオンラインの診察で完結し、保険適用医薬品も希望の場所に配達される時代になりました。遠隔診療は自宅からも会社からも、また通勤の途中でも受診可能ですから、もっともっと普及すればいいと思っています。

遠隔診療とリアル診療のどちらがいいのかとの質問をときどき受けますが、そのふたつはトレードオフ(どちらかひとつを選ぶ)という関係にはなく、まず遠隔診療を受診して、医師からリアル診療を勧められれば、ちょっと面倒で時間を要するリアル診療の医療機関を受診すればいいのです。

倦怠感はごく希に、大病の前兆のこともあります。心配な時には是非とも医療機関を受診してください。

また、抗がん剤治療中の患者さんも夕方に倦怠感を訴えることが少なからずあります。そんな時は明らかな抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアに加味帰脾湯を加えると加味帰脾湯の効果が増強します。そしてフアイアの抗がん作用のお陰で倦怠感を引き起こす抗がん剤を減量することも可能です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)

まずフアイアを試したいときには
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執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主催者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

 

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