エビデンスとは科学的根拠です。米国臨床腫瘍学会のエビデンスピラミッドは5段階です。
もっともエビデンスがあると言われるのは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験、上から2番目が中規模のランダム化臨床試験、3番目はランダム化されてない臨床試験、4番目は複数例の症例報告、5番目、つまりもっともエビデンスが薄いものは、1症例報告やマウスなどの動物実験、そして培養がん細胞などのシャーレの実験です。
効果があるとはがんで言えば患者さんが長生きできることです。どんなエビデンスがあっても長生きに通じる根拠の裏打ちにならなければ意味がありません。マウスに効いても、培養したがん細胞に効いても、ヒトに効くとは限りません。ましてはヒトがその治療で長生きするとはまったく言い切れません。1例報告や数例報告で、多くの人の代表だと言い切るのは無理があります。また、ランダム化しないと患者さんや医療サイドは自分達が選んだものが効いているはずだと思い込みたいので、本当に長生きする治療かは不明なのです。
ですから、1000例を超える規模で、ランダム化されて、そして生存率を目標に、治療群が非治療群に勝たなければ、効いているとは言えないのです。ある一部の素晴らしいエビデンスのみが「その治療が実際に長生きに効果がある」と言えるのです。
そんな1000例規模のランダム化された、そして生存率をエンドポイントにした大規模臨床試験を勝ち抜いた生薬がフアイアなのです。フアイアの素晴らしさが解ると思います。
しかし、ランダム化試験を行うと言うことは、患者さんや医療サイドの思い込みを排除するために、つまりプラセボ効果を除外するために必要なのです。ところが、治療薬がもの凄く効けばそんなランダム化試験は実は不要です。ある治療ですべてのがんが消失すればランダム化試験はいりません。治療群と非治療群の差がハッキリしないので、ランダム化試験が要求されるのです。
最初の抗生物質であるペニシリンは大規模臨床試験をやっていません。敗血症でいままでは当然に亡くなった人々がどんどんと生還したので、大規模臨床試験などが不要なほど著効したのです。そんなミラクルのような結果を伴う薬剤の登場を僕は願っています。
そんな超ミラクルのような薬剤が登場するまでは、生存率で明らかなエビデンスがある治療を併用することが大切です。そのひとつの強力な候補が生薬フアイアです。副作用が下痢しかなく、他の治療の邪魔をしません。ですから、標準治療を行うことができないという機会損失のリスクはゼロです。
科学的エビデンスがあっても長生きには効果がないものもあります。また今エビデンスがなくても、実は長生きに効果がある治療もあるのです。生薬フアイアに明らかな抗がんエビデンスがあるとの論文は2018年に登場しました。それ以前はフアイアには米国臨床腫瘍学会のエビデンスピラミッドの最上位のエビデンスは存在しませんでした。でも実臨床の体験としてフアイアは効いていました。
つまりエビデンスと長生きの効果は実は比例しません。そんな正しい解釈をゆっくりと説明してくれる医師が必要です。新見正則医院ではゆっくりと時間をかけて、しっかりとご説明しています。どんな治療を組み合わせれば、本当に長生きできるかという問いに関する答えです。
●内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)
まずフアイアを試したいときには
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執筆者略歴 新見正則
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主催者。
新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
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