がん治療の効果をはかる指標「奏効率」とは?

抗がん剤の効果を計るために奏功率という言葉を耳にします。これは意味があるのでしょうか? 奏功率には完全奏功率と部分奏功率があります。完全奏功率とは腫瘍が検査できる範囲でなくなるということです。部分奏功率とは腫瘍の大きさが30%以上減少することと定義されています。ですから完全奏功は画像検査上がんが発見できなくなったということです。画像検査では見つけられない大きさのがんの残存については論じていません。

部分奏功とは大きさで30%小さくなることですが、大きさは三次元の数値ですから、腫瘍の長さがそれぞれの方向(縦横高さ)で10%減少すると、体積は0.90.90.90.72927.1%減少)となり、20%減少すると、体積は0.8×0.8×0.8=0.51248.8%減少)になります。部分奏功に該当する大きさが30%小さくなることは実は大したことではないと理解できます。

奏功率は治療サイドには大切な指標です。将来、より有効な薬剤を作るヒントになるからです。しかし、患者さんにとっては実は大した意味はありません。大切なことは長生きできるかです。

抗がん剤を使用して完全奏功しても、実は画像診断では映っていないがんが抗がん剤終了と同時に息を吹き返して、もっと悪さをするかもしれません。部分奏功では腫瘍の減少量はたいしたことではないので、また再度大きくなることも危惧されます。

ですから、大切なことは1000例規模の生存率をエンドポイントにした、そしてランダム化された大規模臨床試験で勝ち抜くことなのです。生存率が伸びれば、実はがんの大きさが小さくなる必要はありません。がんと共存して長生きする人を実臨床医は多数経験しているからです。

奏功率は医療サイドが安直に抗がん剤の目先の効果を知るための指標です。患者さんが望むのは生存率の向上です。そこを履き違えないようにしないと正しい目標を外すことになります。

新見正則医院で扱っているフアイアは、世界初の明らかな抗がんエビデンスを獲得した生薬です。そのエビデンスは米国臨床腫瘍学会のエビデンスピラミッドの頂点に立つものです。1000例の肝臓がん手術後の患者さんをくじ引きでフアイアの内服群と非内服群に分けて、生存率で内服群が非内服群を凌駕しました。そんな生薬フアイアに漢方薬を調合して、新見正則医院ではがん、難病・難症に対応しています。

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