症例(経過観察中):神経内分泌腫瘍/甲状腺髄様がん(MEN2)/60代/男性

当院では8割以上の患者さんが当院基準の成功例に入ります。
●当院の「成功例」の定義は以下です。
〇がんとの併存では、主治医が告げた予後の3倍以上生存する。
〇がんの再発防止では、再発しない。
〇難症では、1年後に通院不要になる。
●上記以外を「不成功例」とします。

〇余命予測 なし
〇経過  人間ドックにて甲状腺に腫瘤を発見される。甲状腺の専門病院で針生検を施行。甲状腺髄様がんと診断される。遠隔転移なし。副甲状腺腫や褐色細胞腫はなし。家族歴もなし。がんの大きさは2cm弱にて、甲状腺部分切除術施行。微少な範囲のがんで低リスクと考えられたので経過観察となる。甲状腺がんの再発や転移が心配なためフアイアを開始する

〇結果  2年後の現在も元気
〇投薬  フアイア顆粒1包+α x1/日
〇副作用 なし
〇薬代  3万3000円/月
〇診察料 すべて電話診療(10分以内)にて無料
〇コメント
甲状腺がんの95%は乳頭がんで極めて予後が良好です。通常は経過観察(アクティブサーベイランス)が選択されます。甲状腺髄様がんはまれですが、遺伝性が約1/3で褐色細胞腫や副甲状腺腫を合併します。この患者さんでは遺伝性とは考えられず、また褐色細胞腫や副甲状腺腫も認められませんでした。2cm以下で病理学的にも低リスクであっため経過観察になりました。

甲状腺のがん検診は過剰診断・過剰治療が最近はホットな話題です。甲状腺がんで経過が極めて悪い未分化がんの頻度は稀ですから、甲状腺のがん検診が不要という意見が世界的に強いのです。甲状腺がんで進行した場合は、甲状腺を全摘して、放射性ヨード内服療法が行われます。また、甲状腺がんに適用となる分子標的薬(ネクサバール、レンビマ、カプレルサ)も登場しています。

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