小児がんに漢方薬や生薬は?

小児がんなんですね。治療は進歩しました。

小児がんは15歳未満で発症するがんで、白血病、脳腫瘍、リンパ腫、神経芽腫、胚細胞腫瘍などが発生します。本邦では年間約100万人ががんと診断されますが、小児がんの患者さんはその中の約2000人です。小児がんは患者数が少ないので、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を基に築かれるエビデンスに基づいたガイドライン(Evidence based Guideline)は存在せず、経験を有する専門家の意見を集約したガイドライン(Consensus Guideline)に頼ることになります。しかし、最近の小児がん全体での10年生存率は約80%で、時代とともに改善されています。

小児では抗がん剤が効きやすく、また放射線療法に感受性が高いがんが多いからです。しかし、オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤が有効なものは大人ほど多くはありません。

米国のテネシー州メンフィスにはセントジュード小児研究病院(St.Jude Children’s Research Hospital)があります。1962年の設立から今日に至るまで世界中から「人種や信条を理由に拒むことなく」患者を受け入れています。治療費や食費は無料です。さらに患者さんには渡航費や滞在施設まで与えられます。この病院はレバノン系アメリカ人のコメディアンであるダニー・トーマス(Danny Thomas)の努力によって設立されました。売れないコメディアンであった頃にもしも成功したら恩返しをすると誓ったそうです。そして彼は大成功しこの病院を作りました。トーマスはアメリカ中を回り、ビジネスで成功した人、芸能人、善意ある人々に彼の夢を熱く語って援助をお願いしました。いろいろな人に寄付をお願いし、そして1962年にこの病院がスタートしました。125人で始まったこの病院は、今や数千人の職員が働き、年間の運営費は数百億円です。そしてこの病院の研究施設を含めた世界中の研究成果のお陰で、急性リンパ性白血病の生存率はこの病院の設立当時には数%だったものが90%以上に、小児の脳腫瘍のひとつである髄芽腫の生存率は約10%だったのが80%以上になっています。

日本も小児の医療費は患者負担がゼロの自治体が増えています。頑張って治療に励んでください。

抗がん剤は第二次世界大戦後に使用した毒ガスから開発されました。それまでは、がんに薬剤が有効とは思われていませんでした。そして前立腺がんの進行防止に睾丸の摘出が有効であることがわかり、がんの薬物治療の可能性が提示されました。そして20世紀後半には殺細胞性抗がん剤が登場し、その使用量、使用方法、組合せなどが工夫され、がんの予後改善に貢献してきました。21世紀になり分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が臨床応用されています。

放射線治療も器械が進歩し正常組織に被爆を極力少なくできる強度変調放射線治療(IMRT)などが導入されています。

また陽子線や重粒子線も使用可能になりました。粒子線治療は脳腫瘍(神経膠腫、胚細胞腫瘍、髄芽腫)、横紋筋肉腫、神経芽腫、悪性リンパ腫などに使用されています。陽子線治療は20歳以下で血液がん以外のがんに保険適用になりました(小児固形がんの発症が20歳以下なら保険適用になります)。重粒子線は小児固形癌全般には保険適用が認められていません。疾患別で保険適用となる可能性があります。今後順次いろいろな疾患に保険適用されると思われます。そして、粒子線治療では二次発がんの可能性がX線治療に比べると1/10以下になります。

約80%の小児がんが治る時代になりました。すると生活の質も大切になります。二次性発がんへの対応も大切です。抗がん剤や放射線は発がん剤なのです。

この数十年で、小児がんの10年生存率は劇的に改善し、小児がんの本当に多くの患者さんが長生きできる可能性がある時代なりました。

白血病

小児がんでもっとも多いものが白血病で約半数弱です。その内訳は約3/4は急性リンパ性白血病(ALL)で、約1/4が急性骨髄性白血病(AML)で、残りの数%が他の種類の白血病です。急性リンパ性白血病に対する治療はもっとも成功したがん治療のひとつです。

脳腫瘍

脳腫瘍は小児がんで2番目に多く、小児がん全体の約1/4です。原発性悪性脳腫瘍は頭蓋骨の中にできる悪性腫瘍で、神経膠腫、悪性リンパ腫、胚細胞性腫瘍などがありますが、それぞれの疾患の患者数は少なく、すべてが希少がん(10万人当たり6人未満)になります。

悪性リンパ腫

小児がんの約10%が悪性リンパ腫です。悪性リンパ腫はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分類されますが、小児ではほとんどが非ホジキンリンパ腫です。リンパ腫の病期は、I期は1箇所のリンパ節のみにリンパ腫がある場合、II期は複数のリンパ節にリンパ腫があるが横隔膜の上か下、III期は横隔膜の上下にリンパ腫が存在する時、そしてIV期はリンパ節以外にがん細胞が脳や骨髄、皮膚などに認められるときです。

胚細胞腫瘍

胚細胞腫瘍は小児がんの10%弱を占めます。胎児の時に原始生殖細胞(将来的に卵子や精子になる未熟な細胞)から発生する腫瘍の総称です。何故か体の中央部分に生じます。陰嚢、卵巣、仙尾部(仙骨の先)、前縦隔(胸骨の裏)、下垂体、松果体などです。悪性の胚細胞腫瘍では術前化学療法(ネオアジュバンド)や術後の化学療法(アジュバンド)を行いますが、悪性度の少ない奇形腫では手術のみで経過観察 (アクティブサーベイランス)になります。ジャーミノーマ/成熟奇形種は予後良好、未熟奇形種は中等度の悪性度、卵黄嚢腫瘍/絨毛癌/胎児性癌は悪性度が高いがんです。

神経芽腫

神経芽腫は小児がんの5%超を占めるがんです。神経芽腫は体幹にある交感神経節や副腎髄質などから発生します。低リスクでは経過観察(アクティブサーベイランス)や手術が行われます。中間のリスクでは抗がん剤治療と手術が施行され、高リスクでは放射線療法や造血幹細胞移植も考慮されます。

骨腫瘍・軟部腫瘍

骨腫瘍と軟部腫瘍はそれぞれ小児がんの約5%を占めるがんです。骨軟部腫瘍の特徴は、①まれながんであること(希少がん)、②多数の組織型があること、③全身の様々な部位に発生すること、の3点です。骨の悪性腫瘍は骨肉腫とユーイング肉腫で、ともに中高生にピークがあり、その後低下し高齢化するに従って再び増加します。

以前は四肢の悪性骨軟部腫瘍の患者さんの多くには四肢の切断術で対応していましたが、化学療法が進歩し、また放射線治療も併用され、現在は多くの患者さんが切断することなく治療を行っています。

高精度放射線治療や重粒子線・陽子線治療も併用されます。重粒子線や陽子線治療の保険適用は、①組織学的に肉腫と診断されている、②根治的切除非適応である、③局所療法が予後に寄与すると判断されるといったことが条件です。

液体窒素処理自家骨や人工関節を使用して肢の切断をできる限り回避できるようになりました。欠損部位は形成外科的治療で修復可能になりました。

網膜芽腫

網膜芽腫は小児がんの数%を占めるがんです。両側性と片側性があり、1/3が両側性で遺伝性です。可能な限り腫瘍を切除します。術後には抗がん剤や放射線治療が併用されます。最近は可能な限り眼球摘出を行わない治療が好まれています。

妊孕性(妊娠出産できること)の温存を

小児がんの治療を行うと抗がん剤や放射線治療で生殖細胞に影響を及ぼします。

小児がんになった場合は、妊孕性に留意することが大切です。卵巣は卵子の貯蔵庫で、子宮は受精卵が育って胎児を育む場所です。まず、妊孕性の維持のためには受精卵の凍結を行いましょう。以前は精子と受精する前の未受精卵の凍結は受精卵凍結に比べて解凍後の成績が悪かったのですが、いろいろな技術が進歩しほぼ遜色ないほど改善しました。精子の凍結ももちろん可能です。卵巣自体を凍結保存することもできます。

小児がんは今でも難治のものがある

小児がんにはいろいろな種類があります。治療が進歩し、急性リンパ性白血病や髄芽腫のようにほぼ長期予後を期待できなかったものが、ほとんどの症例で長期予後を期待できるようになりました。一方で、未だに難治の小児がんもあります。

いろいろな治療を組み合わせましょう

小児がんは専門の病院で、そして専門の医療チームの治療を受けて下さい。

そして、免疫力を上げる努力を積み重ねましょう。発がん頻度や発がん時期に幅があるのは、免疫力が発がんを抑えている証拠です。免疫力を上げると発がん時期を後ろに移動させることができます。天命を全うするまで延ばせれば、そんな選択肢もOKです。

明らかな抗がんエビデンスがないことでも良さそうで、経済毒性(過度な費用負担)がないことは積み上げましょう。①散歩(適度な運動)、②日光浴、③バランスのよい食事(タンパク質を多く)、④適度な睡眠、⑤安心と希望(ストレスを減らす)などなどです。明らかな抗がんエビデンスとは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験です。ランダム化とはクジ引きのことで、1000例規模の大規模臨床試験を勝ち抜くと明らかな抗がんエビデンスがあるとされ、通常は保険収載されます。明らかな抗がんエビデンスがなくても経済毒性を含めた副作用がないものは加えましょう。

そして多成分系の薬剤である漢方薬や生薬が嫌いでなければ、生薬フアイアを是非とも治療に加えてください。

なんと生薬フアイアは明らかな抗がんエビデンスがあります。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。

肝臓がんの結果ですが、小児がんにも有効だと推論が可能です。フアイアは免疫力をアップさせる働きがあると考えられています。ですから、オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤が有効ながんにはフアイアも有効と推論可能ですが、オプジーボが無効ながんに対してフアイアが有効かは今後の検討が必要です。

どんな治療にも併用可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、オプジーボなどとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用を生じません。その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、有効性を体感できることが多いという事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ明らかな抗がんエビデンスがあるフアイアを是非とも治療の選択肢に加えてください。

新見正則医院にご連絡ください。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以外の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。

フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。電話対応の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)


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生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。

新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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