症例(経過観察中):多発性骨髄腫/経過観察(アクティブサーベイランス)/70代/女性

当院では8割以上の患者さんが当院基準の成功例に入ります。
●当院の「成功例」の定義は以下です。
〇がんとの併存では、主治医が告げた予後の3倍以上生存する。
〇がんの再発防止では、再発しない。
〇難症では、1年後に通院不要になる。
●上記以外を「不成功例」とします。

〇余命予測 不明
〇経過  外来の血液検査でタンパク質が増えて、アルブミンが減少していました。これはグロブリンの増加を示唆する所見で、血液内科に紹介されました。特別な自覚症状はありません。くすぶり型多発性骨髄腫でした。そこで症状が発現するまで経過観察(アクティブサーベイランス)となりました。なにも治療せずに経過をみることに抵抗を感じ、患者さんの希望でフアイアが開始されました。

〇結果  4年後の現在も元気。
〇投薬  フアイア顆粒1包+α x1/日
〇副作用 なし
〇薬代  3万3000円/月
〇診察料 初診、再診を含めて電話診療(10分以内)にて無料
〇コメント
無症候性の多発性骨髄腫は経過観察(アクティブサーベイランス)にあります。早期に治療介入しても副作用などを考慮すると御利益がないからです。多発性骨髄腫には最近流行のCAR-T療法も保険適用されています。CAR-T療法とは、患者さんからTリンパ球を取り出し、それをアメリカに送り、遺伝子操作を加えて、多発性骨髄腫細胞に直接接触するようにT細胞にリセプターが導入されています。これを利用すると生存率が向上することがランダム化試験で確認されたからです。

費用は数千万円かかりますが、保険適用のため、3割負担で、かつ高額療養費制度が利用できますから、暦月の最大の支払は18万円前後になります。多発性骨髄腫に対して造血幹細胞移植も選択肢になりますが、65歳以上には通常は行われません。

●内部リンク(当ブログで参考になる他の記事)

血液がんに漢方薬や生薬は?

がんの経過観察

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