症例(経過観察中):耳下腺がん/希少がん/60代/女性

当院では8割以上の患者さんが当院基準の成功例に入ります。
●当院の「成功例」の定義は以下です。
〇がんとの併存では、主治医が告げた予後の3倍以上生存する。
〇がんの再発防止では、再発しない。
〇難症では、1年後に通院不要になる。
●上記以外を「不成功例」とします。

〇余命予測 なし
〇経過  右の耳の下の腫れ物に気がつく。耳鼻咽喉科を受診しCT検査にて、耳下腺腫瘤と診断される。針生検が施行され、悪性度が高い耳下腺がんと診断される。耳下腺がんには抗がん剤の効果はすくないので、外科的に摘出術が施行された。顔面神経を温存するように手術が行われたが、顔面神経麻痺が術後に生じた。手術後からフアイア顆粒を内服開始。その後1年で、顔面神経麻痺は徐々に軽快した。現在も健在。

〇結果  2年後の現在も元気。
〇投薬  フアイア顆粒1包+α x1/日
〇副作用 なし
〇薬代  3万3000円/月
〇診察料 初診、再診を含めて電話診療(10分以内)にて無料
〇コメント
耳下腺がんは頭頸部癌のひとつで希少がん(10万人当たり年間の罹患数が6人未満)です。頭頸部がんは、2018年から「頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く)」として、重粒子線治療や陽子線治療も保険適用になりました。
また、光免疫療法も頭頸部がんには保険適用されています。光免疫療法(アルミノックス治療)はがん細胞の表面に発現している分子(EGFR)に結合する抗体(セツキシマブ)に色素を結合させたものです。この薬剤を注射した後にレーザー光照射を行うことでレーザー光が届く部位にのみ抗腫瘍効果が出現します。
またホウ素中性子捕捉療法も頭頸部がんには使用できます。腫瘍に特異的に取り込まれるホウ素を静脈内に投与し数時間後に腫瘍部位に中性子を当てる治療です。ホウ素は中性子に補足されるとα線と7Li粒子(リチウム核)が生じ、これらに殺細胞作用があります。無麻酔で1回の治療で終了します。保険適用病名は「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」のみです。

頭頸部がんはいろいろな希少がんの集まりです。治療法も様々ですから、しっかり情報収集をして加療してください。

●内部リンク(当ブログで参考になる他の記事)

頭頸部がんに漢方薬や生薬は?

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