成功例:肺がん(ステージ4)/がんゲノム医療/70代/男性/

当院では8割以上の患者さんが当院基準の成功例に入ります。
●当院の「成功例」の定義は以下です。
〇がんとの併存では、主治医が告げた予後の3倍以上生存する。
〇がんの再発防止では、再発しない。
〇難症では、1年後に通院不要になる。
●上記以外を「不成功例」とします。

〇余命予測 4ヶ月
〇経過  タバコ毎日20本以上50年。血痰で病院を受診。CT検査と気管支鏡検査で肺の扁平上皮がんと診断される。腫瘍は4cm。対側の肺に転移があり、胸膜播種も疑われる。気管支鏡の組織を用いてのゲノム診断では該当する遺伝子異常が見つからない。またPD-L1の発現も少なかった。殺細胞性抗がん剤(カルボプラチン)が第一選択となり、治療を開始するも副作用にて継続不可。そこでフアイアを開始する。主治医からは無治療では予後は数ヶ月と言われた。

〇結果  2年後の現在も元気。
〇投薬  フアイア顆粒1包+α x2/日
〇副作用 なし
〇薬代  6万6000円/月
〇診察料 すべて電話診療(10分以内)にて無料
〇コメント
非小細胞肺がんで遺伝子異常が確認できるのは頻度順で、EGFR, ALK, MET, HER2, RET, ROS1, BRAF, KRAS, NTRKです。この中で HER2以外は保険適用の分子標的薬があります。HER2も分子標的薬がありますが保険適用されていません。また、PD-L1ががん細胞に多く発現していれば、免疫チェックポイント阻害剤が有効と推測できます(発現が少なくても効くこともある)。どれにも該当しないと殺細胞性抗がん剤になります。患者さんは副作用がありこれ以上の殺細胞性抗がん剤の使用を希望しませんでした。そこで、緩和医療を勧められましたが、まずフアイアの内服を開始し、なんとか生存しています。

従来型の殺細胞性抗がん剤は、奏功率は初回治療で約30%、2次治療以降では10から20%です。分子標的薬は、奏功率は60%以上ですが、完治することはありません。一方で、免疫チェックポイント阻害剤は従来型の殺細胞性抗がん剤よりは効果がある人、殺細胞性抗がん剤とほぼ同等の効果の人、そして殺細胞性抗がん剤よりは効果がない人が、それぞれ約1/3ずつです。そして最も大切なことは、10%程度の完治する患者さんが存在することです。完治とは生存率のカーブが最後に平行になることでテイルプラトーと呼ばれます。

●内部リンク(当ブログで参考になる他の記事)

がんゲノム医療

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