コンパニオン診断とは?薬が効くか事前にわかるのか不安な人へ

手袋をした手が持つ組織標本のスライドと顕微鏡、遺伝子データを映すモニター

コンパニオン診断は、特定の薬を使う前に、その薬の効果が期待できる人かどうかを調べる検査です。薬とセットで承認されます。

がんの薬の中には、使う前に検査を受けることが条件になっているものがあります。その検査がコンパニオン診断です。国立がん研究センターのがん情報サービスは、薬とセットで使うため、英語で「対(つい)の一方」を意味するコンパニオン診断薬と呼ばれると説明しています(がん情報サービス「がんゲノム医療 もっと詳しく」2022年11月24日更新)。

コンパニオン診断とは、何ですか?

特定の薬の効果や安全性を高めるために、その薬を使う対象の人かどうかを、使う前に調べる検査です。

コンパニオン診断から薬を選ぶまでの流れの図。薬と検査が組になって承認され、がんの組織や一部は血漿で調べる。対象になればその薬が候補になるが陽性でも効かない人はいて、対象にならなければほかの治療を考えるが、あとから使える薬が出ることもある

厚生労働省は2013年の通知で、コンパニオン診断薬等を「特定の医薬品の有効性又は安全性の向上等の目的で使用する」もので、「当該医薬品の使用に不可欠な」体外診断用医薬品または医療機器と定めています(厚生労働省 薬食審査発0701第10号 2013年7月1日)。

同じ通知は、目的を次の3つに分けています。

  • その薬の効果がより期待される人を見つける
  • その薬で特定の副作用が出るおそれの高い人を見つける
  • その薬の量や使い方を最適にする、または使うのをやめる判断をする

通知は、コンパニオン診断薬等が必要な薬の承認を申請するときは、同じ時期にその検査の承認も申請するべきだとしています。薬と検査が組になって承認されるのは、このためです。

一方、単に病気の診断などを目的とする検査は、この定義から除かれています(同)。がんがあるかどうかや経過を見るために血液で測る腫瘍マーカーは、薬を選ぶための検査とは役割が違います。

バイオマーカーとは、何ですか?

がんについての情報を与えてくれる、遺伝子やタンパクなどの目印のことです。

米国国立がん研究所(NCI)は、がんについての情報を与える遺伝子、タンパク、そのほかの物質をバイオマーカーと呼び、治療を選ぶための検査の多くは遺伝子の目印を調べるとしています(NCI「Biomarker Testing for Cancer Treatment」2021年12月14日更新)。コンパニオン診断は、バイオマーカーを調べて薬を選ぶ検査の一つです。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の一覧で、コンパニオン診断薬等が調べる項目を見ると、大きく3つに分かれます(PMDA「医薬品の適応判定を目的として承認されたコンパニオン診断薬等」2026年9月11日版)。

  • タンパクの量:HER2タンパク、ALK融合タンパク、PD-L1タンパクなど
  • 遺伝子の量や組み合わせの異常:HER2遺伝子の増幅、ALK融合遺伝子など
  • 遺伝子の変異:EGFR遺伝子変異、BRAF遺伝子変異、RAS遺伝子変異など

同じHER2でも、タンパクを調べる検査と、遺伝子の増幅を調べる検査は別の製品です。どちらも一覧に載っています(同)。

どんながんで、何を調べるのですか?

肺がんのEGFRやALK、乳がんや胃がんのHER2、大腸がんのRASなどを調べます。

PMDAは、薬の適応を判定する目的で承認されたコンパニオン診断薬等の一覧を公開しています(PMDA「コンパニオン診断薬等の情報」)。主なものを抜き出しました。

調べるもの 主ながんの種類 対象の薬の例 一覧に載っている検査の例
EGFR遺伝子変異 非小細胞肺がん ゲフィチニブ、オシメルチニブなど コバス EGFR 変異検出キット v2.0(組織・血漿)、オンコマイン Dx Target Test マルチ CDx システム
ALK融合遺伝子・ALK融合タンパク 非小細胞肺がん アレクチニブなど ベンタナ OptiView ALK (D5F3)(タンパク)、Vysis ALK Break Apart FISHプローブキット(遺伝子)
HER2タンパク・HER2遺伝子増幅 乳がん、胃がんなど トラスツズマブなど ベンタナ ultraView パスウェー HER2(4B5)(タンパク)、ヒストラ HER2 FISH キット(遺伝子)
RAS遺伝子変異(KRAS・NRAS) 大腸がん セツキシマブなど(変異がない場合に使う) MEBGEN RASKET-B キット、OncoBEAM RAS CRCキット
BRAF遺伝子変異 悪性黒色腫、大腸がん ダブラフェニブとトラメチニブ、エンコラフェニブなど コバス BRAF V600 変異検出キット、MEBGEN BRAF キット
BRCA1/2遺伝子変異 乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵がん オラパリブなど BRACAnalysis診断システム、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル
NTRK融合遺伝子 臓器を問わない固形がん ラロトレクチニブ、エヌトレクチニブ FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル
MSI-High・dMMR 固形がん、大腸がん ペムブロリズマブなど MSI検査キット(FALCO)、ミスマッチ修復タンパクの免疫染色
PD-L1タンパク 非小細胞肺がんなど ペムブロリズマブ、アテゾリズマブなど PD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」(ペムブロリズマブ)、ベンタナ OptiView PD-L1(SP142)(アテゾリズマブ)

出典:医薬品医療機器総合機構「医薬品の適応判定を目的として承認されたコンパニオン診断薬等」(2026年9月11日版)をもとに作成。セツキシマブの条件はアービタックス添付文書(2025年12月改訂 第6版)

表のうちRASは、変異がないことを確かめてから使う薬の例です。セツキシマブの効能又は効果は「RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」とされています(アービタックス 添付文書 2025年12月改訂 第6版)。野生型とは、変異がないことを指します。陽性が条件の検査だけでなく、陰性が条件の検査もあります。

PD-L1では、ペムブロリズマブには22C3、アテゾリズマブにはSP142やSP263という別々の検査が対応しています(PMDA 一覧 2026年)。同じPD-L1という名前でも、薬ごとに決められた検査が違います。

BRCA1/2は、生まれつきの変化として遺伝性のがんに関わる遺伝子でもあります。血縁者への影響を含めた意味は、がんは遺伝するのか(HBOC・リンチ症候群)の記事で説明しています。

非小細胞肺がんについて、がん情報サービスは、EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、RET、NTRK、KRAS、HER2の変化の有無を調べ、変化があれば対応する薬物療法を検討するとしています。医師が必要と判断した場合は保険診療で行われます(がん情報サービス「非小細胞肺がん 治療」2026年8月26日更新)。

1つずつ調べる検査とパネル検査は、どう違うのですか?

調べる遺伝子の数と、受ける時期が違います。同じ製品が、使い方によって別の扱いになることもあります。

がん情報サービスは、1回の検査で1つまたはいくつかの遺伝子を調べる検査を「がん遺伝子検査」と呼んでいます。一部のがんでは、すでに標準治療としてこの検査を行い、遺伝子の変化に対応した薬が使われています(がん情報サービス 2022年)。

検査の種類 調べる範囲 受ける時期 例
1つずつ調べるコンパニオン診断 1つの遺伝子やタンパク 薬を選ぶ前(肺がんなどでは薬物療法を始める前) コバス EGFR 変異検出キット v2.0、ベンタナ OptiView ALK (D5F3)
複数の遺伝子をまとめて調べるコンパニオン診断 肺がんのEGFR、ALK、ROS1、BRAF、METなど複数 同上 オンコマイン Dx Target Test マルチ CDx システム、AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル、肺がんコンパクトパネルDx
がん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査) 100以上の遺伝子 標準治療がない、または終了した(終了見込みを含む)固形がんで、次の薬物療法を考えるとき FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルなど

出典:国立がん研究センター がん情報サービス「がんゲノム医療 もっと詳しく」(2022年)、医薬品医療機器総合機構「コンパニオン診断薬等の情報」(2026年)、同「医薬品横断的なコンパニオン診断薬等への該当性に係る評価報告書」(2025年)をもとに作成

表の3つ目のFoundationOne CDxは、多くの遺伝子を調べるパネル検査ですが、PMDAの一覧ではEGFR阻害薬などのコンパニオン診断としても承認されています(PMDA 評価報告書 2025年8月29日)。パネル検査を保険で受けられる人や時期、費用は、がんゲノム医療の遺伝子パネル検査の記事で説明しています。

日本で実際に、どれだけの人が検査を受けているかを調べた研究があります。29施設で2020年7月から2021年6月に診断された、進行・再発の非小細胞肺がんの1,479人を集計したものです。何らかのバイオマーカー検査を受けたことが確認できたのは86.1%、複数の遺伝子をまとめて調べる検査を受けたのは47.7%でした(Sakamoto T, et al. JAMA Netw Open 2023)。

腺がんの人で見つかった変化は、EGFRが34.0%、ALKが3.2%、ROS1が2.1%、BRAFが1.2%、METが1.6%でした。全身状態がよくないことや扁平上皮がんであることは、複数の遺伝子を調べる検査を受けなかったことと関連していました(同)。

24.3か月と11.0か月の差は、観察した結果

同じ調査で、全生存期間の中央値は、遺伝子の変化が見つかり分子標的薬を受けた人で24.3か月、変化が見つかったが分子標的薬を受けなかった人で15.2か月、変化が見つからなかった人で11.0か月でした。ただしこれは観察した結果で、検査や薬を受けるかどうかをくじ引きで分けた比較ではありません。全身状態などの違いが差に影響している可能性があります。また、対象は2020年7月〜2021年6月に診断された人で、今の検査の実施状況とは違う可能性があります。

どの検査で調べたかで、使える薬が変わるのですか?

変わることがあります。コンパニオン診断は薬ごとに対応する検査が決められているためです。

日本肺癌学会は、肺がんのEGFR遺伝子変異の検査について、どの薬のために承認された検査かにかかわらず使えるようにしてほしいと提案しました。PMDAはこれを評価した報告書で、使った検査が薬に対応していない場合、保険診療上その薬を使えず、患者が適切な治療を受けられないことが懸念されると記しています(PMDA「医薬品横断的なコンパニオン診断薬等への該当性に係る評価報告書」2025年8月29日)。

報告書に示された、評価の時点で各製品がどの薬に承認されていたかは次のとおりです。

検査の製品 ゲフィチニブ エルロチニブ アファチニブ オシメルチニブ ダコミチニブ
コバス EGFR 変異検出キット v2.0 ○ ○ ○ ○ ○
オンコマイン Dx Target Test マルチ CDx システム ○ ○ ○ ○ ○
therascreen EGFR 変異検出キット RGQ「キアゲン」 ○ ○ ○ × ○
FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル ○ ○ ○ ○ ○
EGFR リキッド遺伝子解析ソフトウェア ○ ○ ○ × ×
AmoyDx 肺癌マルチ遺伝子 PCR パネル ○ ○ ○ ○ ×
肺がんコンパクトパネル Dx マルチコンパニオン診断システム ○ ○ ○ ○ ×

出典:医薬品医療機器総合機構「医薬品横断的なコンパニオン診断薬等への該当性に係る評価報告書」(2025年8月29日)表1。○は承認あり、×は承認なし(報告書の本文から読み取った意味)

PMDAは7製品すべてを、薬をまたいで使える「医薬品横断的コンパニオン診断薬等」に当たると判断しました。対象は組織で調べる検査に限られ、血漿(血液)で調べる検査は、組織との結果の比べ方が難しく、検出できる限界も違うとして除かれています。エクソン20挿入変異も対象外です(同)。

また、therascreenとオンコマインについては、オシメルチニブの臨床試験で使われた検査よりT790M変異の検出感度が低く、偽陰性になる可能性に注意するよう求めています(同)。

2026年8月24日版の一覧で、医薬品横断的コンパニオン診断薬等として載っているのは、肺がんコンパクトパネルDxとAmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネルの2製品です(PMDA 2026年8月24日版)。評価報告書で該当すると判断された7製品のうち、この版の一覧に載っているのは2製品で、報告書の判断と一覧への掲載は同じではありません。2026年1月には、日本臨床腫瘍学会と大腸癌研究会から、ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)の検査についても同じ趣旨の提案書が出されています(PMDA コンパニオン診断薬WG)。

HER2低発現は、4B5の検査でしか判定できません

日本病理学会は2025年9月12日の文書で、乳がんのHER2低発現・超低発現の判定に使えるコンパニオン診断薬は、ベンタナ ultraView パスウェー HER2(4B5)だけで、ほかの製品は従来の陽性・陰性の判定にしか使えないとしています。同学会の調査では、院内でHER2の診断をしている医療機関の2割強が4B5の染色装置を持たず、ほかの抗体で判定していました(日本病理学会「乳癌患者における HER2 超低発現の保険収載に関しての運用とお願い」2025年9月12日)。過去の標本の扱いは、使った検査と標本を作った日で分かれます。4B5以外で染めた標本は、4B5で新たに染める必要があります。4B5で染めた標本でも、低発現の判定では2023年3月26日以前に作った標本は作り直しが必要です。超低発現は、2025年8月24日以前に作った4B5の標本では判定できず、新たに染めるか、検体を採り直す必要が出ることがあります(同)。

検査はどう進み、検体が足りないとどうなりますか?

生検や手術で採ったがんの組織を使うのが基本で、組織の量や状態が検査の結果を左右します。

肺がんの遺伝子検査には、生検で採った組織や胸水などに含まれるがん細胞を使います(がん情報サービス「非小細胞肺がん 治療」2026年)。組織を採ってから病理診断の結果が出るまでの流れは、病理検査の結果は何日で出るかの記事で説明しています。

日本病理学会の規程は、遺伝子を調べる検査に使う組織の扱いについて、次のような推奨を示しています。多くは「〜が望ましい」という推奨の形です(日本病理学会「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」初版(暫定版)2017年7月31日)。

  • 手術で切除した組織は、1時間以内、遅くとも3時間以内にホルマリンで固定するのが望ましい
  • 10%の中性緩衝ホルマリンで6〜48時間固定するのが望ましい。7日以上固定した検体では、パネル検査の準備が難しくなる
  • パラフィンに埋めた組織(ブロック)は、作ってから3年以内のものを使うのが望ましい
  • がん細胞の割合は、遺伝子の変異を調べるときは30%以上、遺伝子の量の変化も調べるときは50%以上を含むようにする
  • 骨を含む組織では、酸で溶かす処理(酸脱灰)を避け、EDTAによる脱灰を行う

がん細胞の割合が足りないときは、顕微鏡で見ながら、がんでない部分を取り除いて調べる方法があります(同)。組織の採り方や保管のされ方で、同じ人でも検査に使えるかどうかが変わります。

血漿で調べる検査もあり、PMDAの一覧にはEGFRなどで「組織、血漿」と書かれた製品があります(PMDA 一覧 2026年)。ただし、先に見たとおり、血漿の検査は組織の検査と検出できる限界が違います。

コンパニオン診断は、保険で受けられますか?

医師が必要と判断した場合は、保険診療で行われます。

がん情報サービスは、肺がんの遺伝子検査について、医師が必要と判断した場合は保険診療で行われるとしています(2026年)。自己負担の割合は、加入している医療保険によって決まります。

先に見たPMDAの評価報告書のとおり、保険診療では、使う薬に対応した検査で調べたかどうかも問われます。

検査と治療を合わせた医療費は、高額療養費制度の対象です。月ごとの上限額の決まり方は、がんの治療費と高額療養費の記事で説明しています。

陽性なら必ず効き、陰性なら効かないのですか?

どちらも違います。陽性でも効かない人がいて、陰性とされていた人に効く薬が後から出てくることもあります。

EGFR遺伝子変異のある肺腺がんでも、ゲフィチニブでがんが縮んだのは71.2%でした(Mok TS, et al. N Engl J Med 2009)。標的がない人では効果が期待しにくいことは、分子標的薬とは何かの記事で、同じ試験の数字を使って説明しています。

免疫チェックポイント阻害薬のPD-L1検査も効きやすさの目安で、PD-L1が多い人でも効かない人がいます(Garon EB, et al. N Engl J Med 2015)。

陰性の側でも、意味が変わった例があります。HER2の増幅や過剰発現がない乳がんの一部はHER2を少しだけ持っていて(HER2低発現)、HER2陰性として扱われてきました。トラスツズマブ デルクステカンと医師が選んだ抗がん剤を比べた試験(DESTINY-Breast04、557人)では、全生存期間の中央値が23.4か月と16.8か月でした(Modi S, et al. N Engl J Med 2022)。

この試験でHER2低発現とされたのは、免疫染色で1+、または2+で遺伝子の増幅がない場合です(同)。同じHER2検査の結果でも、どの薬を使うかで、陽性・陰性の線の引き方が違います。一方で、この薬では、薬が原因の間質性肺疾患・肺炎が12.1%に起きています(同)。

主治医には、何を確かめればよいですか?

何を調べたか、どの検査で調べたか、結果がどうだったかです。

コンパニオン診断は、薬と検査が組になっています。結果を聞くときに、次のことを確かめておくと、次の治療を考えるときの手がかりになります。

  • 自分のがんで、どのバイオマーカー(遺伝子やタンパク)を調べたか
  • 1つずつ調べたのか、複数をまとめて調べたのか。まだ調べていないものはあるか
  • 使った検査は、勧められている薬に対応したものか
  • 組織で調べたのか、血液(血漿)で調べたのか
  • 検体が足りない、または状態がよくないために、結果が出なかった項目はないか
  • 陰性だった場合、その結果は今の薬の基準での陰性か

検査の結果は、今の薬を決めるためのものです。病気が進んだときや新しい薬が承認されたときには、同じ組織でも、別の検査で調べ直すことになる場合があります。

47.7%

進行・再発の非小細胞肺がんで、複数の遺伝子をまとめて調べる検査を受けた人の割合です。
何らかのバイオマーカー検査を受けた人は86.1%で、すべての目印を調べ終えてから薬を選べた人ばかりではありません。

出典:Sakamoto T, et al. JAMA Netw Open 2023(日本の29施設、2020年7月〜2021年6月に診断された1,479人)

新見正則医院院長 新見正則

監修

新見正則(にいみ まさのり)

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年、英国オックスフォード大学にて移植免疫学の医学博士(Doctor of Philosophy)取得。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。外科医、免疫学者、漢方医として臨床と研究の両方に携わる。

日本外科学会 外科専門医・指導医/日本消化器外科学会 消化器外科指導医/日本東洋医学会 漢方専門医/アメリカ外科学会フェロー(FACS)

詳しいプロフィール

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薬を選ぶ前の検査で対応する変化が見つからなかったとき、標準治療が終わったあとにもう一度、多くの遺伝子を調べる道があります。

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がんの遺伝子を100以上まとめて調べる保険診療の検査について、受けられる人と時期、病院、費用、結果が出るまでの期間を整理した記事です。2026年に発表された全国の解析(Saito Y, et al. Nat Med 2026、C-CATに登録された54,185人)では、検査に導かれて薬を受けた人は推定8.0%でした。

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よくある質問

Qコンパニオン診断とは、簡単に言うと何ですか?

特定の薬を使う前に、その薬の効果が期待できる人か、副作用が出るおそれが高くないかなどを調べる検査です。厚生労働省の通知で、その薬の使用に不可欠な体外診断用医薬品または医療機器と定められ、薬と同じ時期に承認を申請します。

Qコンパニオン診断は保険適用ですか?

医師が必要と判断した場合は、保険診療で行われます。自己負担の割合は加入している医療保険によって決まり、高額療養費制度の対象です。保険診療では、使う薬に対応した検査で調べたかどうかも問われます。

Qコンパニオン診断と遺伝子パネル検査の違いは何ですか?

コンパニオン診断は、特定の薬を使うかどうかを決めるために、対応する遺伝子やタンパクを調べる検査で、肺がんなどでは薬物療法を選ぶ前に行います。がん遺伝子パネル検査は100以上の遺伝子をまとめて調べる検査で、保険では標準治療がない、または終了した(終了見込みを含む)固形がんが対象です。

Qコンパニオン診断で陰性なら、その薬は効かないのですか?

陰性は、その薬を使う基準に当てはまらなかったという意味です。HER2陰性とされてきた乳がんの一部(HER2低発現)に効く薬が後から承認されたように、薬が変わると基準も変わります。陰性の結果がどの薬の基準によるものかを、主治医に確かめます。

Qコンパニオン診断の検査は、どの病院で受けても同じですか?

同じではないことがあります。コンパニオン診断は薬ごとに対応する検査が決められていて、使った検査が薬に対応していないと、保険診療でその薬を使えないことがあります。肺がんのEGFR遺伝子変異の検査では、薬をまたいで使える検査として、PMDAの一覧に一部の製品が載っています。

参考文献

  1. 厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項について」薬食審査発0701第10号(2013年7月1日)
    https://www.pmda.go.jp/files/000213148.pdf
  2. 医薬品医療機器総合機構「医薬品の適応判定を目的として承認されたコンパニオン診断薬等」(2026年9月11日版)
    https://www.pmda.go.jp/files/000281407.pdf
  3. 医薬品医療機器総合機構「医薬品横断的なコンパニオン診断薬等への該当性に係る評価報告書」(EGFR遺伝子変異、2025年8月29日)
    https://www.pmda.go.jp/files/000276953.pdf
  4. 医薬品医療機器総合機構「医薬品横断的コンパニオン診断薬等により適応判定が可能な医薬品」(2026年8月24日版)
    https://www.pmda.go.jp/files/000280489.pdf
  5. 医薬品医療機器総合機構「コンパニオン診断薬WG」
    https://www.pmda.go.jp/rs-std-jp/cross-sectional-project/0013.html
  6. 国立がん研究センター がん情報サービス「がんゲノム医療 もっと詳しく」(2022年11月24日更新)
    https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/genomic_medicine/genmed02.html
  7. 国立がん研究センター がん情報サービス「肺がん 非小細胞肺がん 治療」(2026年8月26日更新)
    https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_nsclc.html
  8. National Cancer Institute. Biomarker Testing for Cancer Treatment(2021年12月14日更新)
    https://www.cancer.gov/node/1097232/syndication
  9. 日本病理学会「ゲノム診療用病理組織検体取扱い規程」初版(暫定版、2017年7月31日)
    https://pathology.or.jp/news/pdf/genome_kitei_170915.pdf
  10. 日本病理学会「乳癌患者における HER2 超低発現の保険収載に関しての運用とお願い」(2025年9月12日)
    https://www.pathology.or.jp/news/statement.pdf
  11. アービタックス注射液100mg 添付文書(2025年12月改訂 第6版)
    https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/380079_4291415A1021_1_18
  12. Sakamoto T, Matsubara T, Takahama T, et al. Biomarker Testing in Patients With Unresectable Advanced or Recurrent Non-Small Cell Lung Cancer. JAMA Netw Open. 2023;6(12):e2347700. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.47700
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38100106/
  13. Mok TS, Wu YL, Thongprasert S, et al. Gefitinib or carboplatin-paclitaxel in pulmonary adenocarcinoma. N Engl J Med. 2009;361(10):947-957.
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19692680/
  14. Garon EB, et al. Pembrolizumab for the treatment of non-small-cell lung cancer. N Engl J Med. 2015;372(21):2018-2028. doi:10.1056/NEJMoa1501824
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25891174/
  15. Modi S, Jacot W, Yamashita T, et al. Trastuzumab Deruxtecan in Previously Treated HER2-Low Advanced Breast Cancer. N Engl J Med. 2022;387(1):9-20. doi:10.1056/NEJMoa2203690
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35665782/

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