不成功症例1:膵臓がん/手術不可/抗がん剤拒否/80代/男性

※当院の「成功例」の定義は以下です。
〇がんとの併存では、主治医が告げた予後の3倍以上生存する。
〇がんの再発防止では、再発しない。
〇難症では、1年後に通院不要になる。

上記以外を「不成功例」とします。

今回のケースです。

〇余命予測 短ければ1ヶ月、長くてもおおよそ6ヶ月、最長でも1年。

〇経過 2020年に文藝春秋に載った私と塩野七生さんとの対談を見て、当院に連絡がありました。

軽い背部痛があり近くの病院でCT検査を行ったところ、膵臓体部のがんと診断されました。早速、開腹手術を施行しましたが、腹膜転移があり、上腸間膜動脈に浸潤しているので切除手術は不可能との判断で手術は終了しました。そして抗がん剤を勧められました。ジェムザールという膵がんでは第一選択になる抗がん剤ですが、ご本人は直感でやりたくなかったそうです。その病院では、「抗がん剤治療をしないのであれば、余命は短ければ1ヶ月、長くても半年、最長でも1年!」と言われました。

退院し、一人暮らしの自宅に戻りました。遠方の方でしたので電話診療でした。食欲はそこそこあり、散歩もできます。私もジェムザールは膵臓がんの第一選択であることを丁寧に説明しましたが、ご本人は「この歳まで生きたから、最期まで自由に暮らしたい!」とのコメントでした。

そこで、毎日フアイア顆粒1包x2を基本として漢方薬を加えたり、単独で使用したりを、2週間毎の電話診療で調整しながら経過観察となりました。その後、その病院には数ヶ月に一度は通院していました。主治医の予想に反して3ヶ月が過ぎ、そして半年、1年と元気でした。一人暮らしでしたので食事は宅配業者に頼んでいました。

初診から2年8ヶ月で最期を迎えましたが、フアイアは亡くなる1ヶ月前までは1日2回内服可能で、亡くなる前の1ヶ月は飲める量を内服していました。お湯に溶かして、僅かでもフアイアを内服していたそうです。そして大往生を迎えました。

〇結果  2年8ヶ月後に死去(3年以内に亡くなられたので当院基準で不成功例とします)

〇投薬  フアイア顆粒+α x2/日

〇副作用 なし

〇薬代  6万6000円/月 x31ヶ月

〇診察料 初診から再診まで電話診療(10分以内)にて無料

〇コメント
実は実際にはお会いしたことがない患者様でした。遠隔診療で、ズームではなく電話診療だったので、お顔を知りません。声は鮮明に覚えています。開院当初の患者さんでいろいろなことをこちらも勉強させていただきました。フアイアの送付の方法、料金の頂き方、電話相談の対応などなどです。ご本人も以前は小さな会社を経営されていたそうで、経営のヒントもたくさん電話で教えて頂きました。懐かしいです。私が天国に逝った時には再会できると勝手に思っています。

●内部リンク(当ブログで参考になる他の記事)

膵臓がんに漢方薬や生薬は?

PAGE TOP