当院では8割以上の患者さんが当院基準の成功例に入ります。
●当院の「成功例」の定義は以下です。
〇がんとの併存では、主治医が告げた予後の3倍以上生存する。
〇がんの再発防止では、再発しない。
〇難症では、1年後に通院不要になる。
●上記以外を「不成功例」とします。
〇余命予測 6ヶ月
〇経過 嚥下障害にて内視鏡検査を施行し、食道がんが発見される(ステージ2)。年齢的に手術は希望せず、化学放射線療法を選択した。5FU+シスプラチンの投与と、それに並行して強度変調放射線治療(IMRT)にて放射線治療を施行した。経過は良好で食道がんは消失した。その1年後の経過観察で肝臓の多発転移が発見された。また腹水も認めた。主治医の予後予測は6ヶ月。その時からフアイア顆粒を内服開始。幸い2年後も健在。
〇結果 2年後の現在も元気。
〇投薬 フアイア顆粒1包+α x2/日
〇副作用 なし
〇薬代 6万6000円/月
〇診察料 初診、再診を含めて電話診療(10分以内)にて無料
〇コメント
私が外科医になった頃は外科治療のみががん治療の王道でした。外科医のほぼすべてが抗がん剤治療や放射線治療が効くとは思っていませんでした。ところが、抗がん剤の使用方法と組合せの進歩、そして放射線治療機器の改善で、抗がん剤と放射線治療を並行して行う化学放射線療法が根治的食道全摘術とほぼ同じというランダム化試験の結果がでました。高齢の患者さんには特に朗報です。手術では、手術中や手術後に病理診断を利用して、がんの深達度(粘膜からの深さ)や周囲への浸潤度、またリンパ節転移の有無が、確実に診断できます。一方で放射線治療では、検体が取れないので、病理学的な正確な情報に欠けるのです。
この患者さんでは残念ながら再発しました。食道がんは再発後の予後は芳しくなく、主治医は6ヶ月と言ったのだと思います。幸い、その後フアイアを内服して、健在です。
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