妊娠中にがんが見つかっても、妊娠の時期に合わせて治療を選べば、妊娠を続けながら治療を受けられる場合があります。
妊娠中、または出産後まもなく見つかるがんを、妊娠関連がんと呼びます。がんの治療と妊娠の経過の両方を見ながら、何をいつ行うかを決めていくことになります。
この記事では、日本と海外の調査でわかっている頻度、妊娠中に受けられる検査、妊娠の時期で変わる手術・抗がん剤・放射線の考え方、出産後に回す薬、抗がん剤を受けた母親の子どもを追った研究、出産と授乳、相談先を、国際的な指針と論文の数字で整理します。妊娠を続けるかどうかを含めて、決めるのは本人と医療者です。
この記事の内容
妊娠中にがんが見つかるのは、どのくらいの頻度ですか?
日本の2014年の調査では、分娩の0.09%で妊娠関連がんが報告されています。
日本の411施設が答えた調査では、2014年の215,372件の分娩に対して、妊娠関連がんは189件(0.09%)でした。この調査は、妊娠中から出産後1年までに診断または治療されたがんを数え、上皮内がんは除いています。多かったのは子宮頸がん36%、乳がん24%、卵巣がん15%でした(Kobayashi Y, et al. A Japanese survey of malignant disease in pregnancy. Int J Clin Oncol 2019)。
海外では、国際産婦人科連合(FIGO)の2025年の指針が、妊娠関連がんを妊娠1,000件に1件と紹介しています(Nanda S, et al. Cancer in pregnancy: FIGO Best practice advice and narrative review. Int J Gynecol Obstet 2025)。欧州を中心とする16か国37施設が、1996〜2016年に妊娠中にがんと診断された1,170人を集めた研究では、がんの種類は次のとおりでした(de Haan J, et al. Lancet Oncol 2018)。
| がんの種類 | 人数 | 割合 |
| 乳がん | 462人 | 39% |
| 子宮頸がん | 147人 | 13% |
| 悪性リンパ腫 | 113人 | 10% |
| 卵巣がん | 88人 | 7% |
| 白血病 | 68人 | 6% |
| 消化管のがん | 49人 | 4% |
| 悪性黒色腫 | 46人 | 4% |
| 甲状腺がん | 37人 | 3% |
妊娠中に診断された1,170人の内訳(脳腫瘍21人・その他139人は省略)。出典:de Haan J, et al. Lancet Oncol 2018(16か国37施設、1996〜2016年)
悪性リンパ腫と白血病を合わせた血液のがんは181人で、乳がんに次ぎます。日本の調査では子宮頸がん、国際研究では乳がんが最も多くなっていますが、対象の期間・施設・数え方が違うため、そのまま比べることはできません。
0.09%と「1,000件に1件」の距離
日本の0.09%は、出産後1年までのがんも含めて、分娩を扱う施設に尋ねた数字です。回答した施設は510施設中411施設(81%)で、すべての分娩を数えたものではありません(Kobayashi 2019)。同じ日本でも、2008年の調査では子宮頸がんが71.4%を占めており、調査の年・対象・数え方によって割合は大きく変わります(Sekine M, et al. BMC Pregnancy Childbirth 2018)。どの数字も、ある1人のがんのなりやすさを示すものではありません。
妊娠中のがんは、どのように見つかりますか?
日本では、妊婦健診の子宮頸部の細胞診で見つかる子宮頸がんが多く、乳がんは自分でしこりに気づいて見つかることが多いと報告されています。
2008年に日本で妊娠関連がんと報告された227人を調べた研究では、子宮頸がん162人のうち149人(92.0%)が、妊娠初期の子宮頸部の細胞診で見つかっていました。卵巣がん16人のうち10人(62.5%)は、赤ちゃんの様子を見る超音波検査でたまたま見つかっています。乳がんは14人のうち1人(7.1%)だけが検診で見つかり、残りは本人がしこりに気づいていました(Sekine M, et al. Malignancy during pregnancy in Japan: an exceptional opportunity for early diagnosis. BMC Pregnancy Childbirth 2018)。
妊娠中でも、がんの検査は受けられますか?
超音波とMRIは妊娠中にも使える検査とされ、CTやPETは赤ちゃんの被ばく量を見積もったうえで必要なときに使います。
FIGOの指針は、妊娠中の画像検査は超音波とMRIを優先するとしています。MRIの造影剤(ガドリニウム)は、できるだけ避けるとされています(FIGO 2025)。婦人科がんの国際合意も、超音波とMRIは妊娠のどの時期でも、腫瘍の大きさや広がり、リンパ節を調べるのに使えるとし、ガドリニウムを使うことは勧めていません(Amant F, et al. Gynecologic cancers in pregnancy: guidelines based on a third international consensus meeting. Ann Oncol 2019)。
放射線を使う検査では、赤ちゃんが受ける量(胎児線量)で考えます。環境省の資料は、胎児への影響は一度に100ミリシーベルト(X線で0.1グレイ)以上被ばくした場合に起こると考えられているとしています(環境省「胎児への影響」放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料 令和7年度版)。FIGOの指針によると、おなかのCTで赤ちゃんが受ける量はおよそ1〜10ミリグレイです。1ミリグレイ以下の被ばくで子どものがんが増える危険は1万人に1人未満で、もともとの危険(約500人に1人)と比べて小さいとしています(FIGO 2025)。
| 検査 | 妊娠中の扱い(国際的な指針) |
| 超音波検査 | 優先して使う検査。どの時期でも使える |
| MRI | 優先して使う検査。造影剤(ガドリニウム)はできるだけ避ける |
| CT | 必要なときに、赤ちゃんの被ばく量を考えて使う。おなかのCTで約1〜10ミリグレイ |
| PET | 必要なときに、放射線科医と相談して低線量の方法を検討する |
出典:Nanda S, et al. FIGO Best practice advice(Int J Gynecol Obstet 2025)、Amant F, et al. Ann Oncol 2019をもとに作成
どの検査を受けるかは、妊娠週数と、検査で何を確かめたいかで医師が決めます。
CTとMRIの仕組みの違い、被ばくや造影剤そのものの説明は、CTとMRIの違いの記事で整理しています。
妊娠中に、がんの手術はできますか?
手術は妊娠のどの時期でも必要なら行えるとされ、流産を避けるためには妊娠中期の早い時期が望ましいとされています。
FIGOの指針は、手術は妊娠週数にかかわらず、必要で実施できるときに行えるとしています。そのうえで、流産の危険を減らすため、妊娠中期の早い時期が好ましいとしています(FIGO 2025)。婦人科がんの国際合意も、手術は妊娠中に安全に行えるとし、腹腔鏡手術では手術時間を90〜120分以内にとどめ、おなかに入れる気体の圧を抑えることなどを条件に挙げています(Amant 2019)。
子宮頸がんでは、手術の方法そのものが妊娠の継続と関わります。婦人科がんの国際合意は、リンパ節の切除は妊娠22週を過ぎてからは勧めないとし、リンパ節に転移のある子宮頸がんでは妊娠の中断を勧めています(Amant 2019)。
妊娠中に抗がん剤を使うと、赤ちゃんに影響しますか?
妊娠初期(おおむね12〜14週まで)は避け、それ以降は多くの抗がん剤を、妊娠していない人とほぼ同じ方法で使えるとされています。
妊娠初期は、赤ちゃんの臓器がつくられる時期です。婦人科がんの国際合意は、妊娠初期の抗がん剤を禁忌とし、この時期に使った場合の大きな奇形の危険を10〜20%としています(Amant 2019)。FIGOの指針も、妊娠初期(通常は最初の12週)の抗がん剤は避けなければならないとしています(FIGO 2025)。
妊娠初期を過ぎると、扱いが変わります。FIGOの指針は、多くの場合、妊娠していない人と同じ治療の組み合わせで抗がん剤を使えるとしています。婦人科がんの国際合意は、14週以降に使える薬として、タキサン系、白金製剤、アントラサイクリン系、エトポシド、ブレオマイシンを挙げています。薬の量は、妊娠中の実際の体重で決めます(Amant 2019)。
| 妊娠の時期 | 手術 | 抗がん剤 | 放射線治療 |
| 初期(おおむね12〜14週まで) | 必要なら行える。急がない場合は中期の早い時期が好ましい | 避ける | できるだけ避ける |
| 中期 | 行いやすい時期 | 多くの薬を使える | できるだけ避ける。とくに骨盤 |
| 後期 | 必要なら行える | 34〜35週ごろまで。出産の約3週間前には止める | できるだけ避ける。出産後に回すことが多い |
出典:Nanda S, et al. FIGO Best practice advice(Int J Gynecol Obstet 2025)、Amant F, et al. Ann Oncol 2019をもとに作成。「12〜14週」は、FIGOが12週、婦人科がんの国際合意が14週を目安にしているため
欧州を中心とする国際研究では、妊娠中に抗がん剤を受けた人は1,170人中429人(37%)で、5年ごとに受ける人の割合が増えていました(相対リスク1.31、95%信頼区間1.20〜1.43)(de Haan 2018)。
妊娠中に使えない薬や治療はありますか?
乳がんの抗HER2薬やホルモン療法、一部の分子標的薬は、原則として出産後に回します。放射線治療も、できるだけ避けるとされています。
トラスツズマブ(ハーセプチン)の電子添文には、妊娠中に使った人に羊水過少が起き、赤ちゃんの腎不全や肺の発育不全などで死亡に至った例が報告されていると書かれています。妊娠中は、治療上の利益が危険を上回ると判断される場合にのみ使うとされています(ハーセプチン注射用 電子添文 2025年6月改訂 第7版)。FIGOの指針は、抗HER2薬は出産後まで遅らせるのが望ましいとしています(FIGO 2025)。
ホルモン療法のタモキシフェンは、電子添文で妊婦または妊娠している可能性のある女性には禁忌とされています(タモキシフェン錠「MYL」電子添文 2026年7月改訂 第5版)。
| 薬・治療 | 妊娠中の扱い | 根拠 |
| 抗HER2薬(トラスツズマブなど) | 出産後に回すのが望ましい。羊水過少の報告がある | 電子添文、FIGO 2025 |
| タモキシフェン | 禁忌 | 電子添文 |
| アロマターゼ阻害薬 | 出産後まで遅らせる | FIGO 2025 |
| ベバシズマブ(血管新生阻害薬) | 妊娠中は禁忌 | FIGO 2025、Amant 2019 |
| そのほかの分子標的薬 | データが少なく、一人ひとり検討する | FIGO 2025 |
| 免疫チェックポイント阻害薬 | 安全性のデータが限られる | FIGO 2025 |
| メトトレキサート | 避ける | FIGO 2025 |
| 放射線治療 | できるだけ避ける。とくに骨盤 | FIGO 2025、Amant 2019 |
出典:ハーセプチン注射用 電子添文(2025年6月改訂)、タモキシフェン錠「MYL」電子添文(2026年7月改訂)、Nanda S, et al. Int J Gynecol Obstet 2025、Amant F, et al. Ann Oncol 2019
骨盤への放射線について、婦人科がんの国際合意は、治療に使う量では最初の照射から赤ちゃんが亡くなることになるとし、妊娠中の骨盤のがんへの放射線治療は、赤ちゃんの死が避けられない場合を除いて行わないとしています(Amant 2019)。
分子標的薬がどのような薬で、従来の抗がん剤とどこが違うかは、分子標的薬とはの記事で説明しています。
妊娠を続けると、がんの経過は悪くなりますか?
乳がんでは、妊娠中に診断された人と妊娠していない人の全生存期間に、はっきりした差は見られていません。
ドイツとベルギーを中心とする登録研究では、妊娠中に乳がんと診断された311人と、妊娠していない45歳以下の865人を、病状と治療の違いを調整して比べました。全生存期間のハザード比は1.19(95%信頼区間0.73〜1.93)、無病生存期間のハザード比は1.34(同0.93〜1.91)でした(Amant F, et al. Prognosis of women with primary breast cancer diagnosed during pregnancy. J Clin Oncol 2013)。
信頼区間の幅は、妊娠中に診断された人のほうが死亡の危険が27%低い側から、1.93倍高い側までにわたっています。差がないと証明されたのではなく、この人数では差を見いだせなかったという結果です。
FIGOの指針は、現時点の根拠では、妊娠を中断することで母親の生存が良くなるとは示されていないとしています。一方で、妊娠初期に見つかった進行の速いがんや進行したがんでは、妊娠の中断を検討することがあり、本人の意思を中心に、複数の診療科のチームで決めるとしています(FIGO 2025)。
日本で2012〜2017年に妊娠中に子宮頸がんと診断された203人を調べた研究では、22週未満で診断された人の多くが妊娠を続け、一部は中断を選んでいました。論文は、日本では妊娠22週以降は法律上中絶ができないとし、22週以降に診断された40人は全員が妊娠を続けていました(Enomoto S, et al. Trends in Pregnancy-Associated Cervical Cancer in Japan between 2012 and 2017. Cancers 2022)。妊娠週数によって選べることが変わるため、診断のときの週数を早めに医療者と確かめておくことが判断の土台になります。
抗がん剤を受けた母親から生まれた子どもは、どう育っていますか?
生まれてから3歳ごろまでの発達には、がんのない母親の子どもと比べて差がなく、6歳では言語性IQがやや低いという結果も出ています。
国際ネットワーク(INCIP)の研究では、母親が妊娠中にがんと診断された子ども129人と、がんのない母親の子ども129人を比べました。96人(74.4%)は抗がん剤にさらされていました。生後12〜42か月(中央値22か月)に測った知能の発達に、統計的な差はありませんでした(P=0.08)。抗がん剤の回数と発達にも関係は見られず、36か月で心臓を調べた47人はすべて正常でした(Amant F, et al. Pediatric Outcome after Maternal Cancer Diagnosed during Pregnancy. N Engl J Med 2015)。
一方で、この研究の子どもの61.2%は早産で生まれていました。参加国の一般の早産の割合は6.8〜8.0%です。どちらの群でも、生まれたときの妊娠週数が短いほど知能の発達の値は低く、著者らは、がんの治療とは別に、早産が発達の低さと関係していたとしています。
同じネットワークが6歳の132人を、がんのない母親の子ども132人と比べた研究では、言語性IQが98.1と104.4で、妊娠中にがんと治療にさらされた子どものほうが低くなっていました。全体のIQ、注意力、行動には統計的な差はありませんでした。抗がん剤にさらされた子どもでは、拡張期血圧が61.1と56.0で高くなっていました(Vandenbroucke T, et al. Child development at 6 years after maternal cancer diagnosis and treatment during pregnancy. Eur J Cancer 2020)。
6歳の言語性IQ、98.1と104.4
言語性IQの98.1は、平均とされる範囲の中にあります。著者らは、子どもは言語性IQが低くなる危険があり、ほかの認知機能と心臓は6歳の時点で正常だったと結論しています(Vandenbroucke 2020)。研究は観察研究で、比べた相手は合併症のない妊娠で生まれた子どもです。母親のがんそのもの、治療、早産、家庭の状況のどれがこの差に関わったかは、この研究だけでは分けられません。6歳より先の育ちは、まだ十分に調べられていません。
FIGOの指針は、おなかの中でアントラサイクリン系の抗がん剤にさらされた子どもは、1歳までに心臓の超音波検査を受け、その後も成人まで3年ごとに調べること、白金製剤にさらされた子どもは5歳まで聴力の検査を受けることを挙げています(FIGO 2025)。
出産の時期は、どのように決まりますか?
国際的な指針は、できるだけ37週以降の出産を計画し、がんの治療のために早めに産むことは必要な場合に限るとしています。
FIGOの指針は、出産は37週以降に計画するとしています。抗がん剤は34〜35週ごろまで続け、出産の前に約3週間あけるのが理想とされます。早めの出産は、がんの勢いを抑えられない場合などに、複数の診療科で相談して検討するとしています(FIGO 2025)。
国際研究の1,170人では、出産のデータがある887人のうち430人(48%)が早産でした。新生児集中治療室に入った赤ちゃんは41%、妊娠週数に比べて小さく生まれた赤ちゃんは21%、生まれつきの異常は4%(721人中32人)でした(de Haan 2018)。
88%
妊娠中にがんと診断された人の早産のうち、自然に始まったのではなく、医療者の判断で早めに出産した割合です(425人中373人)。
早産の割合は、5年ごとに少しずつ下がっていました(相対リスク0.93、95%信頼区間0.86〜0.99)。
出典:de Haan J, et al. Lancet Oncol 2018(16か国37施設、1996〜2016年に診断された1,170人)
出産の方法は、多くの場合は経腟分娩が勧められますが、子宮頸がんなどでは帝王切開になります(FIGO 2025)。出産後の胎盤は、顕微鏡でがんの転移がないかを調べることが勧められています(FIGO 2025)。
出産後に、授乳はできますか?
抗がん剤の治療を続けている間の授乳は勧められず、最後の投与から少なくとも3週間あけることが目安とされています。
FIGOの指針は、抗がん剤の治療中の授乳は勧めないとしています。白金製剤以外の薬では、少なくとも3週間あけてから授乳するとしています(FIGO 2025)。婦人科がんの国際合意も、抗がん剤や分子標的薬の治療が続いておらず、最後の投与から3週間以上たっている場合に授乳を認めています(Amant 2019)。
出産後に治療を再開するのか、出産後に回していた治療をいつ始めるのかによって、授乳できる期間は変わります。出産前に、授乳の希望を主治医と産科の医師の両方に伝えておくと、治療の予定に組み込みやすくなります。
妊娠中のがんは、どこに相談できますか?
治療を受ける病院のがんの医師と産科の医師に加えて、がん相談支援センターや、薬の影響を相談できる妊娠と薬情報センターがあります。
FIGOの指針は、妊娠中にがんと診断された人は、この分野の経験がある複数の診療科のチームで診ることとしています(FIGO 2025)。がんの医師、産科の医師、赤ちゃんを診る新生児科の医師が同じ病院にそろっているかは、治療を受ける病院を考えるときの手がかりになります。
- がん相談支援センター:全国のがん診療連携拠点病院などにある相談窓口
- 妊娠と薬情報センター:2005年に厚生労働省の事業として国立成育医療研究センターに置かれた相談窓口
- 治療を受ける病院の産科・新生児科:出産の時期や方法、赤ちゃんの検査を相談する
妊娠と薬情報センターは、服薬による赤ちゃんへの影響を心配する女性などへの相談支援を行い、センターと各地の拠点病院で「妊娠と薬外来」を開いています(神奈川県「妊娠と薬に関する相談支援」2025年3月31日)。国立成育医療研究センターの妊娠と薬外来は、Web問診のあと電話で予約する完全予約制で、相談料は自費です(国立成育医療研究センター「妊娠と薬外来」)。都道府県によっては相談料の一部を補助しています。
窓口の仕組みと相談できる内容は、がん相談支援センターとはの記事で説明しています。パートナーや家族の側からできることは、家族ががんと告知されたらの記事にまとめています。
監修
新見正則(にいみ まさのり)
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年、英国オックスフォード大学にて移植免疫学の医学博士(Doctor of Philosophy)取得。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。外科医、免疫学者、漢方医として臨床と研究の両方に携わる。
日本外科学会 外科専門医・指導医/日本消化器外科学会 消化器外科指導医/日本東洋医学会 漢方専門医/アメリカ外科学会フェロー(FACS)
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妊娠中のがんの治療を経験している施設は限られます。治療の方針を決める前に、別の施設の医師の意見を聞くことを考える人もいます。
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よくある質問
Q妊娠中にがんと診断されたら、中絶しなければいけませんか?
必ず中絶が必要になるわけではありません。国際産婦人科連合(FIGO)の2025年の指針は、妊娠を中断することで母親の生存が良くなるとは示されていないとしています。妊娠初期に見つかった進行の速いがんなどでは中断を検討することがあり、本人の意思を中心に医療者のチームと決めます。
Q妊娠中に抗がん剤を使っても、赤ちゃんは大丈夫ですか?
妊娠初期(おおむね12〜14週まで)は避け、それ以降は多くの抗がん剤が使えるとされています。抗がん剤にさらされた子どもを3歳ごろまで調べた研究では、知能の発達に差はありませんでした。6歳の研究では言語性IQがやや低い結果もあり、長い期間の育ちはまだ調べられている途中です。
Q妊娠中にCTやMRIを受けても大丈夫ですか?
国際的な指針は、超音波とMRIを優先して使う検査としています。MRIの造影剤のガドリニウムはできるだけ避けます。CTは赤ちゃんの被ばく量を見積もり、必要なときに使います。
Q妊娠中の乳がんで、使えない薬はありますか?
タモキシフェンは電子添文で妊婦には禁忌です。トラスツズマブなどの抗HER2薬は羊水過少の報告があり、国際的な指針は出産後まで遅らせるのが望ましいとしています。アロマターゼ阻害薬も出産後に回します。
Q抗がん剤の治療中に、授乳はできますか?
治療を続けている間の授乳は勧められていません。国際的な指針では、白金製剤以外の薬は最後の投与から少なくとも3週間あけることが目安とされています。
参考文献
- Kobayashi Y, Tabata T, Omori M, et al. A Japanese survey of malignant disease in pregnancy. Int J Clin Oncol. 2019;24(3):328-333. doi:10.1007/s10147-018-1352-x
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https://doi.org/10.1186/s12884-018-1678-4 - Enomoto S, Yoshihara K, Kondo E, et al. Trends in Pregnancy-Associated Cervical Cancer in Japan between 2012 and 2017: A Multicenter Survey. Cancers. 2022;14(13):3072. doi:10.3390/cancers14133072
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https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/450045_4291406D5024_1_13 - タモキシフェン錠10mg・20mg「MYL」電子添文(2026年7月改訂 第5版)PMDA
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/730869_4291003F1244_1_10 - 環境省「胎児への影響」放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料 令和7年度版
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/portal/digest/nextgeneration/detail_002.html - 神奈川県「基礎疾患のある妊婦等への妊娠と薬に関する相談支援」(2025年3月31日)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cz6/prs/r5607147.html - 国立成育医療研究センター「妊娠と薬外来」
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/gairai/gairai_seiiku.pdf





