症例(経過観察中):皮膚科のがん/メラノーマ/60代/女性

当院では8割以上の患者さんが当院基準の成功例に入ります。
●当院の「成功例」の定義は以下です。
〇がんとの併存では、主治医が告げた予後の3倍以上生存する。
〇がんの再発防止では、再発しない。
〇難症では、1年後に通院不要になる。
●上記以外を「不成功例」とします。

〇余命予測 なし
〇経過  左足の裏に黒い不整形のホクロに気がつく。近医の皮膚科で悪性黒色腫(メラノーマ)が疑われ、がんの中核病院を受診した。画像診断上は遠隔転移がないので、悪性黒色腫の切除手術が施行された。そけい部のリンパ節には転移はなかった(センチネルリンパ節生検)。そこで、経過観察(アクティブサーベイランス)となる。なにも治療しないのは心配なことと、他のがんの予防、そして認知症の防止を目的としてフアイア顆粒の内服を始める。

〇結果  3年後の現在も元気。
〇投薬  フアイア顆粒1包+α x1/日
〇副作用 なし
〇薬代  3万3000円/月
〇診察料 初診1万3200円、再診6600円x1 他は電話診療(10分以内)にて無料
〇コメント
悪性黒色腫は欧米に比べて日本では頻度は少ないですが、この30年ぐらいの間に、数倍に増えています。2018年に免疫チェックポイント阻害剤でノーベル賞に輝いた本庶佑先生が開発した薬剤がオプジーボです。そのオプジーボが最初に保険適用となった疾患が悪性黒色腫です。悪性黒色腫にはながく有効な薬剤がありませんでしたから、オプジーボは少数の臨床試験でオーファンドラッグ(希少疾病に有用な薬剤)として認可されました。その後、この免疫力を上げる免疫チェックポイント阻害剤はいろいろながん種に適用を拡大しています。

悪性黒色腫にはBRAFという遺伝子変異が日本人では1/4から1/3で存在します。この場合にはBRAFに対する分子標的薬が利用可能です。また、免疫チェックポイント阻害剤の併用も悪性黒色腫では行われます。いろいろな治療がありますが、遠隔転移がない場合は、経過観察(アクティブサーベイランス)が選択されるのです。

●内部リンク(当ブログで参考になる他の記事)

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