僕は生薬フアイアを10年以上前からがんを患っている患者さんに使用しています。そしてたくさんのがん患者さんを拝見していて、相当な効果があることを体感していました。しかし、ランダム化された大規模臨床試験がない状況では自分の感覚だけを頼りにフアイアを強く勧めることは憚られていました。
転帰は2018年でした。フアイアが従来型の抗がん剤や最新の生物学的製剤でも難治な肝臓がん手術後の患者さんを対象にした1000例規模のランダム化臨床試験に生存率で勝ち抜きました。これを契機に、日本フアイア研究会を同じ志の先生方と一緒に立ち上げて今に至っています。
フアイアは免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力を上げる働きがあるので、肝臓がんに限らず多くのがんに有効であるとの推論が成り立ちます。そして、多くのがん種の患者さんに内服して頂いて同じく有効性を感じていました。
そしてフアイアの啓発のために新見正則医院を2020年9月2日に開院しました。その後はがんの再発予防のために内服する方が増えました。特に乳がんの手術後に抗がん剤や放射線治療を行った患者さんが急増しました。一方で希少がんの患者さんも明らかに有効な治療法がないことが多く、フアイアの内服希望者が増えました。どのがんの再発防止にも、そしてどのがんとの共存にもフアイアは有効であるとの印象を持っています。そして患者さんやご家族も同じような体感です。
2020年は新型コロナ感染症が流行し始めた年です。新型コロナ感染症の後遺症の治療のために「フローチャートコロナ後遺症漢方薬」(新興医学出版社)を上梓し、多くの新型コロナ後遺症を扱う先生方に利用して頂き新型コロナ後遺症への漢方薬の有効性が確立されたと思っています。
しかし、フローチャートコロナ後遺症漢方薬にある保険適用漢方エキス剤では軽快しない方が新見正則医院を受診することが増えました。そしてフアイアに漢方薬を加えた処方を試すと現在までに幸いにも全ての患者さんが軽快し、または軽快に向かっています。
フアイアは基本的に免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力を上げる作用を有するのですが、漢方薬らしく免疫力が亢進して発症するアレルギー疾患や自己免疫疾患などにはターゲットになるたんぱく質に対する免疫システムをダウンレギュレーションすることが解っています。IgA腎症や皮膚病の乾癬、喘息、アトピーなどの臨床研究からもフアイアには免疫力を正常な状態(中庸)に保つ作用があることが判明しています。
ですから、難病・難症という患者さんに、フアイア+漢方薬で対応することが急増しています。免疫チェックポイント阻害剤は一方的に免疫力をアップし、その過剰な免疫システムの反応による副作用で死に至るリスクもありますが、フアイアにはそんな心配は全くありません。
むしろ、現在の医学では解決方法がハッキリしない難病・難症で治療に難渋している患者さんにはまずフアイアを1年間内服して頂き免疫力を中庸に整えると、以前は効かなかった薬剤が効いたり、効果が弱かった薬剤が著効することを多々経験しました。免疫というキーワードを基に根本治療を行えるのがフアイアなのです。
そして免疫チェックポイント阻害剤に老化防止や認知症の発症を遅らせる作用があるとの発表が相次ぎ、フアイアを抗加齢目的に内服使用する方々が増えました。加齢に従って罹患するいろいろながんの発症予防、そして帯状疱疹や風邪、インフルエンザ、新型コロナ感染症などの発症防止にも有効です。お世話になったご両親へのプレゼントとしてフアイアを定期的にご両親に送る人もいます。
フアイアを内服している患者さんの変遷は、担がん患者さん、がんの再発が心配な人、コロナ後遺症の方々、そして難病・難症で困っている患者さんに広がり、最近は健康維持や老化防止を目的としてフアイアを飲む方に拡大しています。