胃がんの手術後の食事は?少ししか食べられず体重が減るのが不安

箸でご飯を口に運ぶ男性と、手術後の胃の透過イラスト

胃がんの手術後の食事は、何を食べるかより、少量ずつ回数を分けてよくかみ、ゆっくり食べることが基本です。

胃の主な役割は、食べ物をため、消化し、少しずつ腸に送り出すことです(国立がん研究センター がん情報サービス「胃がんについて」2026年1月13日更新)。手術でこの働きの一部または全部がなくなるため、食べ方を新しい体に合わせる必要が出てきます。

この記事では、術式によって何が変わるか、ダンピング症候群、術後1年でどのくらい体重が減るか、栄養補助食品の試験の結果、貧血・ビタミンB12・骨の問題、受診の目安を、国立がん研究センターの資料と日本の試験の数字で整理します。

胃がんの手術後は、何を食べればいいですか?

決まって食べてはいけないものはなく、食べ方を変えることが中心です。

国立がん研究センター東病院の栄養管理室は、消化器の手術後の食事について「食べてはいけない食品はありません」とし、そのうえで消化の悪い食品の取りすぎに注意するよう案内しています(国立がん研究センター東病院 栄養管理室「消化器術後の方のお食事」2019年6月4日)。

がん情報サービスが基本として挙げるのは、「少量ずつ」「何回かに分けて」「よくかんで」「ゆっくり」の4つです。水分で流し込まないことも書かれています(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年1月13日更新)。東病院の資料には、次の工夫が並びます。

  • 体調に応じて、1回の量を増やしたり減らしたりして調整する
  • 1回に食べられる量が少ないときは、間食で補う
  • 量は一度に増やさず、段階的に増やす
  • 食直後の運動は控える。ダンピング症候群のきっかけになる
  • アルコールと過度の刺激は控え、熱すぎるもの・冷たすぎるものは温度を調整する

新しい胃腸の状態に慣れるまでには、数か月から1年ほどかかることもあるとされています。自分に合った食べ方は、栄養士などの医療者に相談することが勧められています(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。

手術の方法によって、食事の何が変わりますか?

胃の入り口と出口のどちらを残すかで、起こりやすい症状が変わります。

代表的な術式は、胃全摘術、胃亜全摘術、幽門側胃切除術、幽門保存胃切除術、噴門側胃切除術です。切除する範囲は、がんのある部位と進行度で決まります(がん情報サービス「胃がん 治療」2026年1月13日更新)。

胃の入り口を噴門、出口を幽門と呼びます。噴門は食べ物が食道に逆流するのを防ぎ、幽門は十二指腸へ送り出す量を調節しています(がん情報サービス「胃がんについて」2026年)。どちらが残るかで、手術後の症状が違ってきます。

術式 なくなる部分 起こりやすいこと
幽門側胃切除術 胃の出口側(幽門を含む) ダンピング症候群、腹痛、消化不良、下痢
胃全摘術 胃のすべて(噴門と幽門の両方) ダンピング症候群、腹痛、消化不良、下痢。ビタミンB12を吸収するのに必要な物質が分泌されなくなる
噴門側胃切除術 胃の入り口側(噴門を含む) 胃の内容物の逆流、胸やけ、げっぷ

出典:国立がん研究センター東病院 栄養管理室「消化器術後の方のお食事」(2019年)、同「貧血」資料、がん情報サービス「胃がんについて」(2026年1月13日更新)をもとに作成

胃を切除すると、食べる量が少なくなり、すぐにおなかがいっぱいになる症状(小胃症状・無胃症状)が出ます。食事の回数を増やし、少しずつ時間をかけて食べることで対処し、時間とともに少しずつ慣れて食べられるようになっていくことが多いとされています(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。

切除したあとは、食道と残った胃や腸をつないで、食べ物の新しい通り道を造り直します。これを消化管再建と呼び、方法は胃の切除範囲などで決まります。自分がどの術式と再建法だったかは、退院前に主治医に確かめておくと、症状が出たときの見当がつけやすくなります。

ダンピング症候群とは、どんな症状ですか?

食べたものが急に腸へ流れ込むことで起こる症状で、食後すぐの早期と、2〜3時間後の後期があります。

ダンピング症候群は、胃の切除後に、食べたものが一度に小腸へ入ることで起こる症状の総称です。

早期ダンピング症候群は、未消化の食べ物が急に小腸に入ることで起こり、動悸、発汗、めまい、脱力感などがあらわれます(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。後期ダンピング症候群は、炭水化物を一度にたくさんとったときに、腸で急に吸収されて血糖が上がり、それを下げるインスリンが出すぎて低血糖になるものです(国立がん研究センター東病院「消化器術後」2023年11月22日更新)。

項目 早期ダンピング症候群 後期ダンピング症候群
起こる時間 食後30分以内 食後2〜3時間
しくみ 未消化の食べ物が急に小腸に入る 糖質が急に吸収されて血糖が上がり、インスリンが出すぎて低血糖になる
主な症状 冷や汗、脈が速くなる、動悸、めまい、脱力感、全身のだるさ めまい、脱力感、発汗、震え
起きたとき 頭を高めにして横になって休む アメ、ジュース、角砂糖などの甘いものをとる
予防 1回の量を減らして回数を増やす。食事中の水分を少なくする ごはん、麺類、パン、甘いジュースなどの炭水化物を一度にたくさんとらない

出典:国立がん研究センター東病院「消化器術後」(2023年11月22日更新)、がん情報サービス「胃がん 療養」(2026年1月13日更新)をもとに作成

後期ダンピング症候群は低血糖なので、起きたときに糖分をとるのが対処になります。予防では糖質を一度に多くとらないようにし、起きたときは糖分をとる、という向きの違いがあります。

手術後の胸やけは、なぜ起こりますか?

胃の入り口の逆流を防ぐ働きが弱まり、消化液が食道に上がってくるためです。

胃の入り口を切除した場合に、消化液が食道に逆流して炎症が起こる逆流性食道炎になることがあり、胸やけや胸がつかえる症状があらわれます(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。

がん情報サービスは、横になると消化液が逆流しやすいため、食事は就寝の2〜4時間前までにとるとしています。胆汁の量が増えるため、脂肪の多い食事は控えるよう書かれています。

国立がん研究センター東病院の栄養管理室は、食後すぐに横になると逆流感や胸やけの原因になるため、食後30分程度は横にならないよう案内しています(東病院 栄養管理室 2019年)。早期ダンピング症候群が起きたときに横になって休むのは、症状が出たときの対処で、食後の習慣とは分けて考えます。

胃がんの手術後、体重はどのくらい減りますか?

日本の試験では、手術から1年で平均して1割近く減っており、胃全摘のほうが大きく減ります。

がん情報サービスは、胃の切除後は体重が減ることも多いとしています(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。どのくらい減るかは、日本の複数の研究で測られています。

研究 対象と測った時期 胃全摘術 幽門側胃切除術
Miyazaki 2021(第3相ランダム化試験、栄養剤なしの群) 日本の22施設。手術から3か月の時点 11.8%(120人) 6.7%(259人)
Kimura 2019(第Ⅱ相ランダム化試験の付随研究、栄養剤なしの群) 日本の試験。手術から1年の時点 15.11%(17人) 5.96%(32人)
Nakada 2016(PGSAS研究) 日本の52施設、ステージⅠの1,777人。手術からアンケートまで平均37.0か月 13.8%(393人) 8.3%(1,384人)

数字は手術前からの体重減少の割合の平均。出典:Miyazaki Y, et al. Gastric Cancer 2021、Kimura Y, et al. Ann Gastroenterol Surg 2019、Nakada K, et al. World J Gastroenterol 2016、Tanabe K, et al. World J Gastroenterol 2017

日本の22施設で行われた試験では、栄養剤を出さなかった群の体重は、手術から3か月で8.5%、1年で9.8%減っていました(Miyazaki Y, et al. Oral nutritional supplements versus a regular diet alone for body weight loss after gastrectomy. Gastric Cancer 2021)。減る分の多くは、手術後の早い時期に起こっていることになります。

ステージⅠの胃がんで手術を受けた1,777人を調べたPGSAS研究では、体重減少は平均9.5%で、手術前のBMIが高いこと、胃全摘術、女性であることが、大きく減ることに関係していました(Tanabe K, et al. Predictive factors for body weight loss and its impact on quality of life following gastrectomy. World J Gastroenterol 2017)。同じ集団の術式別の数字は、胃全摘術で13.8%、幽門側胃切除術で8.3%です(Nakada K, et al. World J Gastroenterol 2016)。

1割という数字の幅

表の数字は、研究ごとに対象と時期が違います。Kimura 2019の胃全摘術の15.11%は17人の平均です。PGSAS研究はステージⅠの人に限り、手術から平均37.0か月の時点で1回だけ測った数字です。どの研究も平均で、Miyazaki 2021の栄養剤なしの群の1年の値は9.8±8.7%と、人による幅が大きいことを示しています。自分の体重がこの平均より減っているか減っていないかだけで、経過のよしあしは決まりません(Miyazaki 2021)。

栄養補助食品で、手術後の体重の減少は防げますか?

1,003人を分けた日本の第3相試験では、手術から1年の体重の減り方に差はありませんでした。差がみられたのは、小さな試験の中の胃全摘術の人に限った解析です。

日本の22施設で1,003人を2つの群に分けた第3相試験では、一方の群に1日400kcalの栄養剤(ラコールNF)を、通常の食事を始めてから3日以内に開始して12週間出しました。1年後の体重減少は、栄養剤を出した群9.3%、出さなかった群9.8%で、統計的な差はありませんでした。3か月の時点では7.1%と8.5%で、栄養剤の群のほうが減り方が小さくなっていました(Miyazaki Y, et al. Gastric Cancer 2021)。

この試験では、毎日の記録が残った385人が実際に飲めた量は、平均で1日208kcalでした。予定の約半分です。1日200kcalを超えて飲めた194人に限ると、1年後の体重減少は8.2%で、出さなかった群より小さくなっていました。ただし、これは飲めた人だけを選んだ比較です。

成分栄養剤(エレンタール)を1日300kcal、6〜8週間加えた別の日本の試験(KSES002)は、106人を解析した第Ⅱ相試験に付随して行われた研究です。全体では、1年後の体重減少は加えた群7.09%、加えなかった群9.13%で、差はありませんでした。胃全摘術を受けた36人に限ると9.66%(19人)と15.11%(17人)で差がみられ、幽門側胃切除術では5.81%と5.96%で差はありませんでした。著者らも、人数がとても少ないことを限界に挙げています(Kimura Y, et al. Long-term effects of an oral elemental nutritional supplement on post-gastrectomy body weight loss in gastric cancer patients (KSES002). Ann Gastroenterol Surg 2019)。

2つの試験は、使った栄養剤、量、期間、人数が違います。答えの軸になるのは、人数の多い第3相試験のほうです。Miyazaki 2021の著者らは、12週間の栄養剤で1年後の体重減少は改善しなかったと結論しています。考察では1日200kcalを超えて飲むことが望ましい可能性にも触れていますが、これも飲めた人だけを選んだ比較にもとづく見方です。

食事だけで足りないときに栄養補助食品を使ってよいことは、国立がん研究センター東病院の栄養管理室も案内しています(東病院 栄養管理室 2019年)。

208kcal

1日400kcalの栄養剤を12週間出された人が、実際に飲めた量の平均です(記録が残った385人)。
1年後の体重減少は、栄養剤を出した群9.3%、出さなかった群9.8%で、差はつきませんでした。

出典:Miyazaki Y, et al. Gastric Cancer 2021(日本の22施設、第3相ランダム化試験)

胃の手術後に貧血になるのは、なぜですか?

鉄とビタミンB12の吸収が落ちるためで、ビタミンB12の不足による貧血は数年たってから出るのが一般的です。

胃を切除すると胃酸の分泌が減るため、鉄の吸収が落ち、鉄欠乏性貧血になりやすくなります(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。食べる量が減って、鉄そのものの摂取が足りなくなることも原因になります(国立がん研究センター東病院「貧血」資料)。

ビタミンB12は、吸収されるのに胃から出る物質が必要です。胃全摘術のあとはこの物質が分泌されなくなります。ビタミンB12は肝臓に蓄えられているため、手術から数年かけて蓄えが尽きていきます(同)。がん情報サービスも、ビタミンB12の不足による貧血は胃の切除から数年後にあらわれるのが一般的だとし、定期的な血液検査が必要だとしています。

不足するもの なぜ不足するか 起こること・補い方
鉄 胃酸が減って吸収が落ちる。食べる量が減る 鉄欠乏性貧血。必要があれば鉄剤で補う
ビタミンB12 吸収に必要な物質が分泌されなくなる(胃全摘術)。肝臓の蓄えが数年で尽きる 貧血、舌がつるつるになる、足のしびれなど。筋肉注射などで補う
カルシウム 吸収が悪くなる 骨粗しょう症、骨折。必要に応じてカルシウム剤やビタミンD製剤

出典:がん情報サービス「胃がん 療養」(2026年1月13日更新)、国立がん研究センター東病院「貧血」資料をもとに作成

日本胃癌学会の胃癌治療ガイドライン第7版(2025年3月改訂)は、胃全摘術後のビタミンB12の投与を「弱く推奨する」としています。エビデンスの強さはC(弱)で、委員の合意率は90%です。文言は、学会が公開したパブリックコメント用の原稿で確認しています(日本胃癌学会 胃癌治療ガイドライン改訂第7版 パブリックコメント用原稿 2024年11月)。

補い方は筋肉注射が知られていますが、飲み薬で補う方法も日本で試験されています。胃全摘術後にビタミンB12が低く、しびれのある人を対象にした多施設の試験は、予定の160人に届かず78人で終わり、3か月後に値が正常になったのは1日500μgの群で91.7%、1,500μgの群で100%と登録されています(jRCTs031180231)。どの方法で、どのくらいの間隔で補うかは、血液検査を見て医師が決めます。

血液の値は、貧血が出るより前に下がりはじめます。横浜市立大学で胃全摘術を受けた47人を振り返った研究では、血清ビタミンB12が200pg/mL未満になった人は、手術から6か月で51.1%、12か月で70.2%でした(Aoyama T, et al. Clinical Course of Vitamin B12 Deficiency and Associated Risk Factors in Patients After Total Gastrectomy for Gastric Cancer. Anticancer Res 2023)。

47人の集計が示す範囲

Aoyama 2023は1施設の47人を後から振り返った研究です。200pg/mL未満は血液の値の基準で、貧血が出ていることとは別です。6か月の時点の不足は、手術後の合併症があった人で多く(75.0%と39.1%)、術後補助化学療法との関係ははっきりしませんでした(Aoyama 2023)。値が早く下がる人がいる一方で、貧血としてあらわれるのは数年後が一般的という国立がん研究センターの説明と並べて読む数字です。ガイドラインの推奨も、根拠の強さはCにとどまります。

胃を切除すると、骨が弱くなりますか?

カルシウムの吸収が悪くなるため、骨粗しょう症になって骨折しやすくなります。

がん情報サービスは、胃の切除後はカルシウムの吸収が悪くなり、骨粗しょう症になって骨折しやすくなるとしています。必要に応じてカルシウム剤やビタミンD製剤を飲むとともに、筋力を強くするための運動も大切だと書かれています(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。

韓国の国民健康保険のデータで、胃がんで胃の切除(内視鏡による切除を含む)を受けた7,082人と、性・年齢などをそろえた21,246人を比べた研究では、手術で切除した人の骨粗しょう症による骨折のハザード比は、男性1.28(95%信頼区間1.08〜1.52)、女性1.34(同1.11〜1.62)でした(Yun I, et al. The risk of osteoporotic fractures after gastrectomy. Front Oncol 2022)。韓国の保険請求データにもとづく数字で、日本の人にそのまま当てはまるとは限りません。

骨の変化は自覚しにくいため、骨密度の検査を受けるかどうかを、手術後の通院のときに主治医に相談できます。

胃がんの手術後、どんなときに受診すればいいですか?

食べ物や水分がとれない、何度も吐くときはすぐに連絡し、体重の減少は記録して診察のときに伝えます。

国立がん研究センターは、食べ物や水分をとることができない場合や、1日に何度も吐いてしまうような場合には、すぐに医師や看護師に相談することが大切だとしています(がん情報サービス「食欲がない・食欲不振」2026年1月21日更新)。

  • 食べ物や水分がとれない
  • 1日に何度も吐く。吐き気止めを使っても強い吐き気が続き、水分がとれない
  • 下痢や腹痛が続く
  • 体重が減り続けている(記録して診察のときに伝える)

吐き気・嘔吐が続いて水分がとれないときは、すみやかに医療機関に連絡し、受診が必要かどうか判断を仰ぐよう案内されています(がん情報サービス「吐き気・嘔吐」2024年3月14日更新)。下痢や腹痛は胃の切除後に起こりやすく、内服薬で改善することもあるため、気になる場合は主治医に相談するよう書かれています(がん情報サービス「胃がん 療養」2026年)。

体重が減っていると感じるときは、体重を定期的に量って記録し、診察のときなどに医師や看護師に伝えることが勧められています(がん情報サービス「食欲がない・食欲不振」2026年)。

食べる量だけでは説明できない体重の減少は、がん悪液質とはの記事で、診断の基準と段階を説明しています。

新見正則医院院長 新見正則

監修

新見正則(にいみ まさのり)

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年、英国オックスフォード大学にて移植免疫学の医学博士(Doctor of Philosophy)取得。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。外科医、免疫学者、漢方医として臨床と研究の両方に携わる。

日本外科学会 外科専門医・指導医/日本消化器外科学会 消化器外科指導医/日本東洋医学会 漢方専門医/アメリカ外科学会フェロー(FACS)

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よくある質問

Q胃がんの手術後に食べてはいけないものはありますか?

国立がん研究センター東病院の栄養管理室は、食べてはいけない食品はないとしたうえで、消化の悪い食品の取りすぎに注意するよう案内しています。アルコールや過度の刺激は控え、少量ずつ、よくかんで、ゆっくり食べることが基本です。

Q胃がんの手術後、食事の量や回数はいつ元に戻りますか?

決まった時期はありません。国立がん研究センターは、新しい胃腸の状態に慣れるまで数か月から1年ほどかかることもあるとしています。量は一度に増やさず、体調を見ながら段階的に増やします。

Q胃を全部取ったら、ビタミンB12の補充は必要ですか?

胃全摘術のあとは、ビタミンB12の吸収に必要な物質が分泌されなくなります。胃癌治療ガイドライン第7版は、胃全摘術後のビタミンB12の投与を弱く推奨しています。注射か飲み薬か、どの間隔で補うかは、血液検査を見て医師が決めます。

Q胃がんの手術後、体重は戻りますか?

日本の試験では、体重の減少の多くは手術後の早い時期に起こり、1年の時点でも平均で1割近く減ったままでした(Miyazaki, Gastric Cancer 2021)。体重が減り続けるときは、記録をつけて医師や看護師に伝えることが勧められています。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん 療養」(2026年1月13日更新)
    https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/follow_up.html
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がんについて」(2026年1月13日更新)
    https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/about.html
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「胃がん 治療」(2026年1月13日更新)
    https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/treatment.html
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス「食欲がない・食欲不振」(2026年1月21日更新)
    https://ganjoho.jp/public/support/condition/anorexia/index.html
  5. 国立がん研究センター がん情報サービス「吐き気・嘔吐」(2024年3月14日更新)
    https://ganjoho.jp/public/support/condition/nausea/index.html
  6. 国立がん研究センター東病院「消化器術後」(2023年11月22日更新)
    https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/CHEER/advice/070/index.html
  7. 国立がん研究センター東病院 栄養管理室「消化器術後の方のお食事」第236回柏の葉料理教室(2019年6月4日)
    https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/nutrition_management/info/seminar/recipe/recipe236.pdf
  8. 国立がん研究センター東病院「貧血」(作成年の記載なし)
    https://pod.ncc.go.jp/jp/ncce/CHEER/advice/080/001_hinnketu.pdf
  9. 日本胃癌学会「胃癌治療ガイドライン 改訂第7版」パブリックコメント用原稿(2024年11月)。確定版は2025年3月発刊
    https://www.jgca.jp/wp-content/uploads/2024/11/public_comment02.pdf
  10. jRCT(臨床研究等提出・公開システム)jRCTs031180231 胃癌に対する胃全摘術後の末梢神経障害を伴う血清ビタミンB12低下症例を対象に経口ビタミンB12製剤の有効性と安全性を検証する多施設共同無作為化比較試験
    https://jrct.mhlw.go.jp/latest-detail/jRCTs031180231
  11. Miyazaki Y, Omori T, et al. Oral nutritional supplements versus a regular diet alone for body weight loss after gastrectomy: a phase 3, multicenter, open-label randomized controlled trial. Gastric Cancer. 2021;24:1150-1159. doi:10.1007/s10120-021-01188-3
    https://doi.org/10.1007/s10120-021-01188-3
  12. Kimura Y, Nishikawa K, et al. Long-term effects of an oral elemental nutritional supplement on post-gastrectomy body weight loss in gastric cancer patients (KSES002). Ann Gastroenterol Surg. 2019;3(6):648-656. doi:10.1002/ags3.12290
    https://doi.org/10.1002/ags3.12290
  13. Nakada K, Takahashi M, et al. Factors affecting the quality of life of patients after gastrectomy as assessed using the newly developed PGSAS-45 scale: A nationwide multi-institutional study. World J Gastroenterol. 2016;22(40):8978-8990. doi:10.3748/wjg.v22.i40.8978
    https://doi.org/10.3748/wjg.v22.i40.8978
  14. Tanabe K, Takahashi M, et al. Predictive factors for body weight loss and its impact on quality of life following gastrectomy. World J Gastroenterol. 2017;23(26):4823-4830. doi:10.3748/wjg.v23.i26.4823
    https://doi.org/10.3748/wjg.v23.i26.4823
  15. Aoyama T, Hara K, et al. Clinical Course of Vitamin B12 Deficiency and Associated Risk Factors in Patients After Total Gastrectomy for Gastric Cancer. Anticancer Res. 2023;43(2):689-694. doi:10.21873/anticanres.16207
    https://doi.org/10.21873/anticanres.16207
  16. Yun I, Hurh K, et al. The risk of osteoporotic fractures after gastrectomy: Findings from the Korean national sample cohort database (2002-2019). Front Oncol. 2022;12:1014817. doi:10.3389/fonc.2022.1014817
    https://doi.org/10.3389/fonc.2022.1014817

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