目次
- 1 リハビリテーションとはなんですか?
- 2 がんリハビリテーションとはなんですか?
- 3 運動腫瘍学はがんリハビリテーションの一部です。
- 4 がんリハビリテーションでは多職種が応援します。
- 5 がんリハビリテーションでがん治療の合併症や副作用を軽減できます。
- 6 大脳の働きで免疫力が上がります。(私のイグノーベル賞も)
- 7 免疫力は加齢で低下します。
- 8 リハビリテーションに効果的な漢方薬は?
- 9 なんと生薬フアイアには免疫力を上げる明らかなエビデンスがあります。
- 10 生薬フアイアはどの治療とも併用が可能です。
- 11 新見正則医院にご連絡ください。
- 12 内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)
- 13 執筆者略歴 新見正則
リハビリテーションとはなんですか?
リハビリテーションは、リハビリとか、リハとも称されます。英語のrehabilitationをカタカナで表記したものです。漢字での表現が難しいので「リハビリテーション」が利用されています。リハビリテーションとは、能力の低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいると、WHO(世界保健機関)は述べています。
現在では、リハビリテーションは身体的、精神的、社会的に最も適した生活水準の達成を可能とすることによって、各人が自らの人生を変革していくことを目指し、かつ時間を限定した過程であるとも表現されます。
2017年に日本リハビリテーション医学会では従来の「機能を回復する」「障害を克服する」という考え方を踏まえた上で、リハビリテーション医学を「活動を育む医学」とする新しい定義を定めました
がんリハビリテーションとはなんですか?
がんリハビリテーションは、外科治療、薬物療法(抗がん剤)、放射線治療の3大がん治療に続く、第4のがん治療とも言われます。免疫療法を第4にする人もいれば、緩和医療を第4とする人もいます。リハビリテーション医学の根底は「活動を育む医学」です。そうであれば、がんリハビリテーションは、がん治療を行っている患者さんすべてに適用され、がんリハビリテーションを受けた患者さんには遙かなる御利益が訪れるものなのです。
運動腫瘍学はがんリハビリテーションの一部です。
適切な運動が抗腫瘍作用を導くという論文や臨床経験は多数報告されています。そんな運動の抗がん効果を研究する学問を最近は運動腫瘍学と称して研究が進んでいます。運動腫瘍学ががんリハビリテーションに含まれることは間違いないのですが、がんリハビリテーションはもっと広くいろいろな領域からがん治療をサポートする概念です。
運動が抗がん作用を示すように、その他のがんリハビリテーションが「機能を回復する」「障害を克服する」を越えて、抗がん作用を示すことが期待されています。
がんリハビリテーションでは多職種が応援します。
がんリハビリテーションに関与する職種は、医師、薬剤師、看護師に加えて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、管理栄養士、臨床心理士、公認心理師、社会福祉士、医療ソーシャルワーカー、介護福祉士、歯科医師、歯科衛生士などがチームで応援します。ですから、がん発見から、治療開始、転移/再発、緩和のどの段階でもがんリハビリテーションは有益です。
がんそのものによる障害としては、骨転移による痛みや骨折、脳腫瘍や脳転移による麻痺や言語障害、脊髄腫瘍や脊髄転移による麻痺や排尿障害、腫瘍が末梢神経を巻き込むことによるしびれや筋力低下です。また、がんの治療過程で生じる障害としては、抗がん剤や放射線治療による筋力や体力の低下、胸部や腹部手術による合併症としての肺炎、乳がん手術後の上肢の運動障害、舌がん・喉頭がん手術後の嚥下障害や発声障害、四肢に発生したがんによる機能障害、そして抗がん剤によるしびれや筋力低下なのです。
緩和医療としては、西洋医学的薬剤で延命治療の選択肢がなくなった段階でも、リハビリテーション医学的には介入可能なのです。リハビリテーション医療の効果は臨床試験で効果が確認されているものありますが、多くは経験的に良さそうなことを積み重ねて、患者さんにとっての有用性を判断するということを繰り返した結果で導かれます。
がんリハビリテーションガイドライン初版(2013年刊行)は無料で閲覧可能です。
また患者さん向けの「がんとリハビリテーション医療」も無料で閲覧できます。
これを見ると、いろいろな領域でがんリハビリテーションが行われていることがわかります。ここに掲載されていることを越えて、科学と医療の進歩に則してリハビリテーションがますます広汎な領域で活躍することを期待しています。再生医療や移植医療もリハビリテーションの一部として認識されるべきものです。
管理栄養士からはがんリハビリテーション的視点からの食事管理を学ぶことができます。また、臨床心理士・公認心理師からカウンセリングを通じてこころの安定が得られます。まだまだ進化の途中にあるがんリハビリテーションですが、3大がん治療(外科治療、薬物療法、放射線治療)と併用で、生命予後の延長と生活の質の上昇が期待できます。
保険適用で応援できる範囲は、政府が決めます。その施策によって、リハビリテーションが安価で関与できる領域は限られますが、自費診療であれば今でもいろいろながんリハビリテーションを享受可能です。がんリハビリテーションの有用性が社会的にもますます認められるようになれば、将来的にはいろいろな領域のリハビリテーション治療が保険適用とされることになるでしょう。
がんリハビリテーションでがん治療の合併症や副作用を軽減できます。
現状のがんリハビリテーションは手術前から介入することも少なくありません。大きな手術を迎える時には、筋力を含めて十分な体力があることが手術リスクの軽減に役立ちます。食道がんや肺がん、肝臓がん、すい臓がんなどの大きな手術を迎える前から、リハビリテーション医の指導の下、体力増強を図るのが賢明な作戦です。
私が外科医の修行に励んでいる頃は、手術後は絶対安静でした。ところが、最近は手術翌日から歩行を勧められることもあります。呼吸補助器具が付いていても、意識がしっかりしていれば、座位や立位でのリハビリが始まります。時代は本当に変わったのです。
また、手術後のリンパ浮腫に対応するリハビリテーションも進歩しました。抗がん剤のいろいろな副作用の軽減に対するリハビリテーションも行われています。リハビリテーションは広汎な領域を多職種でカバーする作戦ですから、無限の可能性が広がるのです。副作用が少なく、良さそうなことはやってみるという作戦の積み重ねと思っています。
大脳の働きで免疫力が上がります。(私のイグノーベル賞も)
実臨床を長くやっていると大脳が免疫と関係があると思えることが多々あります。大脳とは知性や感情・創造性を作り出している大切な器官ですが、免疫の調節にも重要だという臨床の経験知です。こころの不調で病気になる、つまり「病は気から」は本当だと言うことです。また、やる気のある患者さんのリハビリテーションは捗り、体全体にも好影響を及ぼすということです。
そこで私は大脳と免疫の働きを調べたく、音楽や匂いなどが免疫に影響を及ぼすという仮説を立て、それを証明するためにマウスの心臓移植モデルを用いて、いろいろな実験を行いました。そのひとつの結果である「オペラ椿姫を聴かせると免疫力が上がる」という論文で私は2013年にイグノーベル賞を頂きました。大脳と免疫の関係を世の中に提示した成果と思っています。しかし、これはマウスの実験でした。
最近、人間の実験で「仮想感染の神経的予測が免疫反応を引き起こす」という論文が超一流英文誌nature neuroscienceに出ました。私がマウスで実証したのと同じようなことが、人間でも確認されたことになります。大脳の予知力が免疫を活性化しているのです。
つまり「機能を回復する」「障害を克服する」ことを目的としたリハビリテーションで希望を持つことはがんに対する免疫力を増強する可能性があるのです。それは緩和医療に対するがんリハビリテーションでも期待できることです。
免疫力は加齢で低下します。
政府は50歳以上に帯状疱疹ワクチンの接種を推奨しています。子供の頃に罹った水疱瘡ウイルスは神経根に潜んでいて、免疫力で抑え込まれています。免疫力が低下すると、その神経根にいる水疱瘡ウイルスが元気を取り戻して、末梢神経沿いに増殖し、帯状疱疹という皮膚疾患を発症します。
また、がん細胞は50歳を越えると毎日数千個が発生していると思われています。そのがん細胞の芽を免疫力で退治しているのです。ですから加齢に伴って免疫力が低下すると、いろいろながんが発生しやすくなります。
その免疫力が50歳からは低下するので、がんリハビリテーションには、是非とも免疫力を上げる作戦を併用して下さい。そして、リハビリテーションががんの予防にも有効であることが証明される日は近いと思っています。
リハビリテーションに効果的な漢方薬は?
リハビリテーション一般に必要とされるのは患者さんの「やる気/気力」です。やる気がないとがんリハビリテーションとして勧められたことも成果が上がりません。そんなやる気や気力を増す漢方薬は朝鮮人参と黄耆を含む参耆剤と称されるものです。保険適用漢方薬では参耆剤は10種類あります。
参耆剤の王様は補中益気湯です。選択に悩めばこれを用いるといいでしょう。次は十全大補湯で、こちらは貧血様症状にも有効です。ですからがん治療時のファーストチョイスとしている施設も少なくありません。人参養栄湯はフレイル(筋力の低下)に有効とされる参耆剤です。帰脾湯と加味帰脾湯はうつうつ気分の時にも使用される参耆剤です。この5種類を使い分けると相当の領域や症状をカバーできます。
残りの5種類の保険適用参耆剤は、めまいにも有効な半夏白朮天麻湯、関節痛にも有効な大防風場、胸痛にも有効な当帰湯、泌尿器疾患に有効な清心蓮子飲、夏バテ様症状に有効な清暑益気湯です。
しかし、この10種類の参耆剤にはどれも大規模臨床試験を勝ち抜いた明らかな抗がんエビデンスはありません。そもそも、臨床試験を経ることなく漢方薬は過去の経験知から保険適用されているのです。
また、リハビリテーション全般で必要なことは食欲です。体を維持するための栄養摂取にも、また筋力を回復するタンパク質の摂取にも食欲が最重要です。食欲を増す漢方薬は朝鮮人参・茯苓・甘草・蒼朮を含む六君子湯や四君子湯です。
がんリハビリテーションに特化した保険適用漢方薬はありません。それは明らかな抗がんエビデンスを有する保険適用漢方薬が未だ存在しないからです。
なんと生薬フアイアには免疫力を上げる明らかなエビデンスがあります。
生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。
明らかに肝臓がんに対する免疫力を上げているので、他のがんに対する免疫力も上げていると推測できます。また感染症にも有効です。そしてがんリハビリテーションにも当然に併用可能です。そして重篤な副作用は現在までまったく報告されていません。
生薬フアイアはどの治療とも併用が可能です。
フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。生薬の足し算が漢方薬です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンスを有するものはありません。
そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤と同じように免疫力をアップさせますが、それらとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用(免疫関連有害事象)を生じません。そして、免疫が上がりすぎて生じる病気(自己免疫疾患やアレルギー性疾患など)にも生薬フアイアは有効なのです。免疫システムは無数のタンパク質それぞれに対して低下したり亢進したりします。免疫力を一方的に広汎にアップさせるのが免疫チェックポイント阻害剤です。免疫力を一方的に広汎にダウンさせるのがステロイドです。フアイアは免疫力が上がっている部分は下げ、下がっている部分は上げる、つまり免疫を中庸にすることができるのです。
その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、免疫力を基本的にアップし、また上がりすぎている時はダウンさせるということを体感できる事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ下がっている免疫力を明らかに上げるエビデンスがあるフアイアを是非ともがんリハビリテーションに併用してください。
フアイアは、どの西洋薬剤、漢方薬、サプリメント、健康食品との併用も問題ありません。それらの効果の邪魔はせず、邪魔もされません。安心して併用してください。
新見正則医院にご連絡ください。
がんリハビリテーションではいろいろな職種が、いろいろな知恵を出し合って、対がん作戦を展開します。その中に生薬フアイアも含まれます。明らかな抗がんエビデンスがある生薬フアイアはがんリハビリテーションでも有益なのです。
フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。
フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。遠隔診療(ビデオ通話または電話)の場合は、初診料は不要です。
内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)
生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには
がんの緩和医療に生薬や漢方薬は?
執筆者略歴 新見正則
新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。
新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら





