がん免疫療法/がんリンパ球療法/がんワクチン療法/ビタミンC点滴などに漢方薬や生薬の併用は?

がん免疫療法/がんリンパ球療法/がんワクチン療法/ビタミンC点滴などに漢方薬や生薬の併用がご希望なんですね。安心してください!

保険適用の漢方薬には「がん」に対する保険病名はありません。保険適用漢方薬は西洋薬剤に必須とされているランダム化された大規模臨床試験を経ずに、過去の経験知から超法規的に保険適用されました。漢方薬にも保険適用とされるには臨床試験が必須とされてからは、新たに保険適用になった漢方薬はありません。

保険適用漢方薬はがん治療の副作用の防止に利用されています。詳細は、拙著「フローチャートがん漢方薬」(新興医学出版社)をご覧下さい。保険適用漢方薬が、保険診療または自由診療のがん免疫療法/がんリンパ球療法/がんワクチン療法/ビタミンC点滴などの治療の効果を減弱させることもなく、またがん免疫療法/がんリンパ球療法/がんワクチン療法/ビタミンC点滴などの治療が保険適用漢方薬の効果を減弱させることもありません。

保険適用漢方薬は安心して、いろいろながん治療と併用してください。

がん免疫療法

「がん免疫療法」は、外科治療、抗がん剤、放射線治療に次いで、第4のがん治療とも称されています。第4のがん治療に緩和医療やがんリハビリテーションを上げる専門家もいます。「がん免疫療法」の中で保険適用されているのは、免疫チェックポイント阻害薬とキメラ抗原受容体-T細胞療法(CAR-T細胞療法)です。免疫チェックポイント阻害薬は2018年に本庶佑先生がノーベル賞に輝いたもので、オプジーボなどが現在、いろいろながんに、いろいろなステージに保険適用されています。しかし、保険適用されていないものには使用できません。

また、溶連菌抽出物であるピシバニールは以前から、また今でも数種類のがんに保険適用されています。これも「がん免疫療法」のひとつです。またカワラタケ由来の免疫賦活作用を持つクレスチンとシイタケから抽出された多糖類(βグルカン)で免疫賦活作用を持つレンチナンは、ともに保険適用でしたが終売となっています。

現在、ネットなどで紹介されている「がん免疫療法」の多くは自費診療です。

「がん免疫療法」とは、ざっくり説明すると免疫力を上げてがんを治療する作戦です。免疫力は自己の免疫細胞でがんを退治します。自己の免疫細胞に直接的に、または間接的に操作を加えて、抗がん作用を誘導します。

免疫チェックポイント阻害薬

現在、もっとも信頼されていて、かつ頻用される、そして多くのがん種で保険適用となっている免疫療法です。しかし、免疫チェックポイント阻害薬のひとつであるオプジーボの臨床試験が始まった当初は、ほとんどすべての腫瘍内科医はその効果をまったく認めていませんでした。免疫チェックポイント阻害薬の発見から実装までの業績で2018年にノーベル賞に輝いた本庶佑先生がそう語っています。そんなアンチ免疫療法であった腫瘍内科医が手のひらを返したかのように、今は免疫チェックポイント阻害薬の有効性を、ネットを含めてあちらこちらで語っています。医療は、医学は進歩するのです。

キメラ抗原受容体-T細胞療法(CAR-T細胞療法)

キメラ抗原受容体-T細胞療法は、特定の血液がん(白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫)に保険適用されています。患者さんの体からT細胞を取り出し、キメラ抗原受容体(Chimeric antigen receptor)を発現させたT細胞を研究室で作成し、体内に戻すものです。その抗原受容体はがんを認識するものですから、直接的にT細胞が体内でがんを攻撃することを期待できます。

数千万円の薬価になりますが、公的保険制度で、高額医療費制度の適用となり、患者さんの負担は収入によりますが、最大でも僅か数十万円の負担で治療可能です。

リンパ球療法

リンパ球を体から採取し、体外で操作を加えて、そして体内に戻す治療が「リンパ球療法」です。保険適用になっているリンパ球療法はCAR-T細胞療法です。CAR-T細胞療法以外のリンパ球療法を簡単に解説します。

腫瘍浸潤リンパ球療法(TIL療法)

腫瘍浸潤リンパ球療法(TIL療法:Tumor Infiltrating Lymphocyte療法)は、がん細胞から取り出したリンパ球を培養して、活性化し、そして体内に戻す治療です。

サイトカイン誘導キラー細胞療法(CIK療法)

サイトカイン誘導キラー細胞療法(CIK療法:Cytokine-induced Killer Cell療法)は患者さんのリンパ球を体外に取り出し、サイトカインで刺激して、活性化し、体内に戻す治療です。

ナチュラルキラー細胞療法(NK細胞療法)

ナチュラルキラー細胞療法(NK細胞療法:Natural Killer cell 療法)は、リンパ球のひとつであるナチュラルキラー細胞を体外で増殖、活性化させて、体内に戻す方法です。

がんワクチン療法

新型コロナウイルスに対するワクチンとして実臨床に応用されたメッセンジャーRNAワクチンは、実はがんに対するワクチンとして開発が進められていたものでした。がん抗原の設計図であるメッセンジャーRNAを体に打ち込めば、がんに対する免疫力が上がるという推論からの創薬です。以下に、過去に、そして今も行われているがんワクチン療法を簡単に解説します。

自家がんワクチン療法

患者さん自身のがん組織を体に戻す治療です。免疫の司令塔である樹状細胞が豊富なリンパ節や皮下に、放射線照射や抗がん剤で不活化したがん細胞を注射することも自家ワクチン療法になります。不活化されたワクチンの効果を増すには、通常はアジュバントと称される抗原性補強剤を加えます。

ペプチドワクチン療法

がん細胞に特異的なタンパク質を使用して、ワクチン作用を期待するものがペプチドワクチン療法です。ペプチドワクチンは人為的に実験室・研究室で作成可能ですから、患者さんのがん組織がなくても利用可能です。

樹状細胞ワクチン療法

患者さんの白血球を取り出し、その一部を樹状細胞に分化・成熟させます。樹状細胞は抗原を認識し、そしてT細胞やB細胞という免疫細胞の実行部隊に命令を伝達するのです。その樹状細胞のがん抗原認識を人為的に体外で行って体内に戻す治療です。がん抗原を認識させるのでワクチン療法と謳っています。

高濃度ビタミンC点滴

大量のビタミンC(アスコルビン酸)を点滴で静脈内に注入する治療です。

がん免疫療法/がんリンパ球療法/がんワクチン療法/ビタミンC点滴などの有効性について

上記の、がん免疫療法/がんリンパ球療法/がんワクチン療法/ビタミンC点滴などの治療の有効性は、それぞれを勧める医師や病院、クリニック、会社に問い合わせてください。

まず、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験があるかを尋ねましょう。それがあればアメリカ腫瘍学会のトップレベルのエビデンスを持つことになります。

次に、100例規模のランダム化された臨床試験があるかを尋ねましょう。これがあれば、アメリカ腫瘍学会の上から2番目のエビデンスを持つことになります。

ネズミの実験やシャーレの実験は治療のヒントにはなりますが、患者さんの御利益とはあまり相関しません。過去の症例数の提示や患者さんの症例報告は参考程度にしてください。

保険適用になっているものは、保険適用の審査過程で十分な議論がされており、有意差をもって効いています。しかし、「有意差をもって」とは2つの群に明らかに差があるということを証明しているのであって、その差の程度に関しては論じていないのです。ですから、保険適用だからといて、「冴えた薬剤」であることには繋がらないのです。

いろいろな方法を組み合わせましょう。

保険適用の抗がん剤の多くは「冴えない薬剤」です。「冴えた薬剤」とは、それだけで100%近い効果が得られるものです。現在の抗がん剤治療が冴えない治療だからこそ、いろいろな治療、いろいろな方法を組み合わせて、効果の増強を図りましょう。経済毒性がゼロに近いものは是非とも足し合わせましょう。

経済毒性がほぼゼロで僕がお勧めのものは以下です。可能な範囲で励行してください。
・適度の散歩
・適度の日光浴(日焼けを避けたい方はビタミンDの内服を)
・バランスよい食事(タンパク質を多めに、炭水化物を控えめに)
・十分な睡眠(横になればOKです。寝落ちする必要はありません)
・ストレスの軽減、またはストレスに強い体を作る
他にも経済毒性を含めて副作用がなく、御利益がありそうなものは積み重ねましょう。エビデンスが明らかでないことを私は「些細なこと」と呼んでいます。些細なことの積み重ねが、がん治療には大切なのです。

免疫力は加齢で低下します。

政府は50歳以上に帯状疱疹ワクチンの接種を推奨しています。子供の頃に罹った水疱瘡ウイルスは神経根に潜んでいて、免疫力で抑え込まれています。免疫力が低下すると、その神経根にいる水疱瘡ウイルスが元気を取り戻して、神経沿いに増殖し、帯状疱疹という皮膚疾患を発症します。

また、がん細胞は50歳を越えると毎日数千個が発生していると考えられています。そのがん細胞の芽を免疫力で退治しているのです。ですから加齢に伴って免疫力が低下すると、いろいろながんが発生しやすくなります。

その免疫力が50歳からは低下するので、是非とも免疫力の低下を防いでください。

大脳と免疫、希望が免疫力を増す (私のイグノーベル賞も)。

実臨床を長くやっていると大脳が免疫と関係があると思えることが多々あります。大脳とは知性や感情・創造性を作り出している大切な器官ですが、免疫の調節にも重要だという臨床の経験知です。こころの不調で病気になる、つまり「病は気から」は本当だと言うことです。

そこで私は大脳と免疫の働きを調べたく、音楽や匂いなどが免疫に影響を及ぼすという仮説を立て、それを証明するためにマウスの心臓移植モデルを用いて、いろいろな実験を行いました。そのひとつの結果である「オペラ椿姫を聴かせると免疫力が上がる」という論文で私は2013年にイグノーベル賞を頂きました。大脳と免疫の関係を世の中に提示した成果と思っています。しかし、これはマウスの実験でした。(論文PDF

最近、人間の実験で「仮想感染の神経的予測が免疫反応を引き起こす」という論文が超一流英文誌Nature Neuroscienceに出ました。私がマウスで実証したのと同じようなことが、人間でも確認されたことになります。大脳の予知力が免疫を活性化しているのです。(論文PDF

風邪に罹ったかなと思ったときは、「治りますように」と念じると免疫力が上がることになります。希望的観測を持って、病に立ち向かうと実際に免疫力が上がると言うことです。

反対に免疫力が上がると、大脳へのアミロイドβの沈着を防ぎ、認知症の進行を防ぐという研究もあります。脳と免疫は相互に深く関係しているのです。(参照URL

ストレスは病気の原因になり、快復を遅らせ、また免疫力を低下させます。ストレスを減らす努力は大切ですが、ストレスをゼロにはできません。ストレスに強いこころと体を日頃から作る努力をしましょう。命に関わるストレスからは一目散に逃げ、耐えられそうなストレスなら、そのストレスを楽しむ心の余裕も必要です。ストレスを徐々に浴びているとだんだんと強くなるのです。そんな力をレジリエンスと呼びます。

睡眠は必要です。しかし、熟眠感は不要です。暗い、静かな部屋で横になればこころと体は休まります。熟眠感を求めすぎるとそれがストレスになります。熟眠感を求めすぎてかえってこころの病気になることは避けましょう。ざっくりと寝てください。

なんと生薬フアイアには免疫力を上げる明らかなエビデンスがあります。

生薬フアイアはなんと、1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜いています。約1000例の肝臓がん手術後の患者さんをクジ引きでフアイアの内服群と内服しない群に分けて、生存率で内服群は非内服群を96週後に約14%も上まわりました。この結果は超一流英文誌「GUT」に掲載されました。(論文PDF
明らかに肝臓がんに対する免疫力を上げているので、他のがんに対する免疫力も上げていると推測できます。また感染症にも有効です。そして重篤な副作用は現在までまったく報告されていません。

フアイアはどの治療とも併用が可能です。

フアイアは生薬ですから漢方薬と同じく多成分系の薬剤です。生薬の足し算が漢方薬です。残念ながら、フアイア以外の生薬や漢方薬には明らかな抗がんエビデンス(生存率をエンドポイントにして大規模臨床試験を勝ち抜くこと)を有するものは現在まで論文として報告されていません。

そして単一成分由来の西洋薬とは異なり、フアイアにはいろいろと不思議なことが起こります。フアイアはオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害薬と同じように免疫力をアップさせますが、それらとは異なり免疫が上がりすぎて起こる副作用(免疫関連有害事象)を生じません。そして、免疫が上がりすぎて生じる病気(自己免疫疾患やアレルギー性疾患など)にも生薬フアイアは有効なのです。免疫システムは無数のタンパク質それぞれに対して低下したり亢進したりします。免疫力を一方的にアップするのが免疫チェックポイント阻害薬です。免疫力を一方的にダウンさせるのがステロイドです。フアイアは免疫力が上がっている部分は下げ、下がっている部分は上げる、つまり免疫を中庸にすることができるのです。

その理由は多成分系の解析技術が未だに発展途上である現在、まだまだ解明されていません。ただただ、生薬フアイアを他の治療に加えると、または単独で使用しても、免疫力を基本的にアップし、また上がりすぎている時はダウンさせるということを体感できる事実が多数存在します。そんな多成分系で、かつ下がっている免疫力を明らかに上げるエビデンスがあるフアイアを是非ともがん治療の選択肢に加えてください。
フアイアは、どの西洋薬剤、漢方薬、サプリメント、健康食品との併用も問題ありません。また、がん免疫療法/がんリンパ球療法/がんワクチン療法/ビタミンC点滴などとの併用も問題ありません。それらの効果の邪魔はせず、また邪魔もされません。安心して併用してください。
もっとも大切なものは運です。

ほぼ全ての患者さんに成功する治療法であれば、誰がそれを利用しても御利益に預かれます。しかし、現状の医療は効く人もいれば、効かない人もいるのです。効く人をターゲットできれば、その群に対しては100%有効となります。そんな差別化医療は未だ道半ばで、やっと遺伝子診断などで行われ始めました。そんな現状が今の医療です。ですから、もっとも大切なものは運なのです。自分が選んだ治療法の有効群に入ると思えることが大切です。

運の存在を理解できない医師を主治医に選ぶと不幸になります。抗がん剤治療などでは、たった5%の御利益のために、重篤な副作用を呈する抗がん剤治療を強く勧める腫瘍内科医が少なからず存在します。5%とは20人に1人です。たった20人に1人が御利益に預かる治療を選ぶかどうかは患者さんの人生観によります。20人中19人は、治療とは無関係に、良い結果にも、また悪い結果にもなるのです。

医療は100%の成功率を目指すべきであって、成功率が100%に届かないときに成功例に入るためには運が必要なのです。誰でも解る理屈です。

90歳以上、100歳以上の方をたくさん診療していると「運」が大切だと解ります。いろいろな治療や努力を積み重ねても、90歳前に亡くなる人は少なくありません。一方ではまったく努力をせずに、良い意味でぼんやりと生きている人で、90歳以上の人生を謳歌する人もいます。タバコを吸っても、酒豪でも、野菜を食べなくても、肉ばかりを食しても、運動をしなくても、運が良ければがんとの共存を達成できる人もいるのです。

皆様それぞれに運気を上げると思われる生き方があると思います。がんとの共存に有益な、そして些細なことを積み重ねて、最後は運に任せましょう。

新見正則医院にご連絡ください。

新見正則医院は、患者さんの選択肢を決して否定しません。ガイドライン以外の選択も尊重しています。安心してご相談ください。

がんとの共存を目指すには、明らかにエビデンスがあることは優先的に選択肢に入れましょう。エビデンスがない些細なことでも副作用がなければ選択肢に入れましょう。そして運気が良くなるように振る舞いましょう。

フアイアは1000例規模のランダム化された大規模臨床試験を勝ち抜きましたが、保険収載されていません。少々経済毒性があります。しかし経済毒性以の副作用はなく(まれに起こる下痢のみ)、またどの治療とも併用可能なため、機会損失(他の治療が行えない)もありません。
フアイアのお試し希望の方は以下を参考にして下さい。1ヶ月分30包が3万3000円(税込、送料無料)です。遠隔診療(ビデオ通話または電話)の場合は、初診料は不要です。

内部リンク(当サイト内でご参考になる記事)

生薬フアイア概説
まずフアイアを試したいときには

執筆者略歴 新見正則

新見正則医院院長。1985年慶應義塾大学医学部卒業。98年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得 (Doctor of Philosophy)。外科医 x サイエンティスト x 漢方医としてレアな存在で活躍中。2020年まで帝京大学医学部博士課程指導教授 (外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞 (脳と免疫)。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。漢方JP主宰者。
新見正則の生き方論は以下の書籍も参考にしてください。
しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通(新興医学出版社)
新見正則オフィシャルサイトはこちら

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