乳腺腫瘍内科

手術や抗がん剤は必須?

手術や抗がん剤は必須?

乳がんは罹患(病気になる)率は日本でも世界でも女性では1位です。しかし、死亡率は本邦では5位です。ですから病気にはなるが、それが直ぐに死に結びつくがんではないのです。乳がんでは現在ではほとんどの患者さんが手術を選択されますから、手術をしないで経過をみることの是非は現在でははっきりしません。

しかし、過去のデータでは手術をしないで経過を見たものもあります。すると手術を選ばなくても、直ぐに死に結びつく訳ではなく、結構長生きする人もいます。しかし、乳腺の臨床をある程度経験した人は知っていますが、乳がんが大きくなると皮膚に潰瘍をつくり、そこから出血したり、異臭が漂ったりしますので、手術死亡がほぼゼロになった現在では、手術でがんを摘出することを勧めています。

また、諸般の事情で入院が難しいという理由で手術を避けている方が何人か当院を訪れました。その時は日帰り手術を行える病院を紹介しています。お一人は大切なペットがいて、外泊ができないという理由で手術を避けていました。日帰り手術が可能と伝えると、すぐに手術を選択しました。当院はいろいろな事情を勘案して、医療サイドの意見を強制することなく、幅広い選択肢を提示しています。自費診療だからこを十分にお話しが可能です。そして何回でもお話しが可能です。

手術をしなくても長生きする人がいる、抗がん剤治療を行わなくても長生きする人がいる、放射線治療を省略しても長生きする人がいることは事実です。医療サイドは長生きに良さそうなことを勧めているだけです。良さそうなことは箱の中の当たり玉の数を増やしているのです。最終的に箱に手を入れて玉を選ぶのはご本人です。当たり玉がたくさん入っていても「運」が悪いと、ハズレを引きます。いろいろな治療を拒否しても、「運」が良ければ、当たり玉を引き当てます。

医療サイドは箱の中がすべて当たり玉になる治療を開発すべきなのです。そうなれば、胸を張って医療サイドは最良の治療を勧めることができます。現状は、まだまだ患者さんの「運」に頼っている状況と思っています。

PAGE TOP